mCNV

mCNVの病態・疫学

mCNVとは

病的近視とは

病的近視(pathologic myopia)とは、近視のなかでも眼軸長が高度に延長し、さまざまな近視性眼底病変を伴う病態のことであり、正視眼の眼軸長から標準偏差の3倍以上長い眼、屈折度では-8.0D(ジオプター)を超える近視と定義されています。

病的近視

厚生省特定疾患網膜脈絡膜萎縮症調査研究班, 病的近視診断の手びき.
厚生省特定疾患網膜脈絡膜萎縮症調査研究班報告書, 1987, 1-14.
大野 京子, 医学のあゆみ 2013; 245: 839-843.

病的近視における脈絡膜新生血管とは

病的近視における脈絡膜新生血管(mCNV;myopic choroidal neovascularization)とは、強度近視により脈絡膜が引き伸ばされると脈絡膜から新生血管が生じ、ブルッフ膜や網膜色素上皮細胞の隙間から網膜の方に伸び増殖してしまう病態です。病的近視患者の10%で発現し無治療で退縮しますが、瘢痕および周囲に発生した萎縮が後に拡大して黄斑部萎縮の状態となり長期予後は不良です。病的近視で最も注意を要する病変といえます。

大野 京子, Monthly Book OCULISTA 2013; 4: 43-51.より作成
島田 典明, 医学のあゆみ 2013; 245: 854-857.より作成

病的近視における脈絡膜新生血管

監修:大阪大学 生野 恭司先生

病的近視における脈絡膜新生血管の疫学

近視の発現頻度には人種差があり、白人に比べて黒人に少なく、アジア人に多いといわれています。日本における近視の発現頻度は約40%と、アジアのなかでも特に高率であるといわれています。さらに、-5.0D以上の強度近視患者の割合も5.7~8.2%と、欧米や他のアジア諸国を上回っていると報告されています1)
Wongらは病的近視およびmCNVの疫学に関するシステマティックレビューを行い、病的近視の有病率は0.9~3.1%であり、病的近視患者におけるmCNVの有病率は5.2~11.3%であると報告しました2)
久山町研究における40歳以上の1,892人の近視性網膜症の有病率は1.7%であり、このうち視力予後不良といわれる近視性黄斑変性は0.4%でした。また、男女別にみると女性で約2倍発現頻度が高いことが示されました1)

1)安田 美穂, Monthly Book OCULISTA 2013; 4: 11-16.
2)Wong TY, et al., Am J Ophthalmol 2014; 157: 9-25.

病的近視における脈絡膜新生血管の病態と自覚症状

病的近視におけるCNVのほとんどは、網膜色素上皮と感覚網膜の間にCNVが存在するType 2型CNVで、まれに網膜色素上皮下にCNVが存在するType 1型CNVが認められます。滲出型加齢黄斑変性(wAMD)に伴うCNVに比べて平坦で小型であり、通常1乳頭径以下です。病的近視患者全体ではCNVは5~10%に生じ、8年以内に30%が両眼性に至ります。50歳以下の若年者のCNV患者の60%を占め、最も多い原因です。多くは中心窩下または傍中心窩下に存在し、少量の網膜下液を伴います。
自覚症状としては視力低下、変視症、暗点、飛蚊症、光視症があります。病的近視の患者が、「中心が見えづらい、ゆがんで見える」などの症状を訴える場合には、小型の近視性CNVが生じている可能性があります。

佐柳 香織, Pharma Medica 2013; 31: 71-74.
松井 京子, あたらしい眼科 2012; 29: 1209-1215.

病的近視における脈絡膜新生血管の推定される発生メカニズム

mCNVの発症機序は、必ずしも明確になっているわけではありませんが、眼軸長延長による眼球形状の変化が必須です。その後、脈絡膜の循環障害や菲薄化などの修飾を受け、最終的にVEGFが産生され、mCNVが発症するものと考えられています。この過程に20~30年かかることも多いといわれています。

病的近視における脈絡膜新生血管の推定される発生メカニズム

監修:大阪大学 生野 恭司先生

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