本剤は海外で実施された第Ⅰ相試験、第Ⅱ相試験の結果および海外第Ⅲ相試験、日本人を含む第Ⅲ相国際共同試験を基に承認されました。承認時に評価されたデータを紹介しますが、一部国内の承認内容と異なる成績が含まれています。
日本におけるアフリベルセプトの中心窩下脈絡膜新生血管を伴う加齢黄斑変性に対する承認用法及び用量:
アフリベルセプト(遺伝子組換え)として2mg(0.05mL)を1ヵ月ごとに1回、連続3回(導入期)硝子体内投与する。その後の維持期においては、通常、2ヵ月ごとに1回、硝子体内投与する。なお、症状により投与間隔を適宜調節するが、1ヵ月以上あけること。
日本におけるラニビズマブの中心窩下脈絡膜新生血管を伴う加齢黄斑変性症に対する承認用法及び用量:
ラニビズマブ(遺伝子組換え)として0.5mg(0.05mL)を1ヵ月毎に連続3ヵ月間(導入期)硝子体内投与する。その後の維持期においては、症状により投与間隔を適宜調節するが、1ヵ月以上の間隔をあけること。
※視力の維持:ETDRS視力表による最高矯正視力文字数のベースラインからの低下が15文字未満
CNV(choroidal neovascularization):脈絡膜新生血管、NEI VFQ-25(National Eye Institute 25-item Visual Function Questionnaire):米国国立眼病研究所の25項目からなる視覚機能についてのアンケート、SAF(safety analysis set):安全性解析対象集団
※1 92週目に再投与が行われた患者では、100週目の結果を最終評価として用いた(CNV病変面積、NEI VFQ-25合計スコア、CRT)
※2 両側95%信頼区間
承認時評価資料
※VIEW1試験・VIEW2試験の併合解析(2年間)
国内外で実施された第Ⅲ相試験[VIEW1試験・VIEW2試験の併合解析(2年間)]において、副作用*1は、アイリーア投与群a)に割付けられた1,824例中896例(49.1%)、ラニビズマブ投与群で595例中311例(52.3%)に認められた。
主な副作用は、アイリーア投与群で結膜出血480例(26.3%)、眼痛158例(8.7%)、眼圧上昇89例(4.9%)、ラニビズマブ投与群で結膜出血171例(28.7%)、眼痛54例(9.1%)、眼圧上昇39例(6.6%)などであった。
●VIEW2試験における試験薬に関連する重篤な有害事象、投与中止に至った有害事象、死亡など
試験薬に関連する試験眼の重篤な有害事象
試験薬に関連する全身性の重篤な有害事象
APTC定義による動脈血栓塞栓事象b)
試験薬に関連する投与中止に至った有害事象
試験薬に関連する死亡
発現例数(発現率%)
*1 投与手技に起因する有害事象を含む。添付文書に準じ、併合での集計結果を記載した。
*2 脳血管発作の1例と歩行障害および会話障害は同一症例
a)アイリーア2mg4週ごと、0.5mg4週ごと、2mg8週ごと投与群の3群合算により検討
b)すべての有害事象のうち、APTC(Antiplatelet Trialists’ Collaboration)定義により判定された動脈血栓塞栓事象
<第Ⅲ相試験:VIEW1試験(海外データ) 試験概要>
対象:nAMD患者1,217例 方法:VIEW2試験に同じ
承認時評価資料
承認時評価資料、Kaiser PK, et al.: Invest Ophthalmol Vis Sci. 2016; 57: 3366(文献1)
利益相反:文献1はBayerの支援により掲載された。著者にBayer、Regeneronのコンサルタント、Bayerより講演料を受領している者、Bayerが後援する試験の主任研究者が含まれる。著者のうち3名はRegeneron、4名は Bayerの社員である。
中心窩脈絡膜新生血管を伴う加齢黄斑変性の用法および用量
アフリベルセプト(遺伝子組換え)として2㎎(0.05mL)を1カ月ごとに1回、連続3回(導入期)硝子体内投与する。その後の維持期においては、通常、2か月ごとに1回、硝子体内投与する。なお、症状により投与間隔を適宜調節するが、1カ月以上あけること。
安全性解析対象症例:3,872例(3年未満データ収集症例:1,993例、3年データ収集症例:1,879例)
年齢:<平均±標準偏差>74.3±8.9歳 <中央値(最小値,最大値)>75.0(27,97)歳
性別:男性68.4%、女性31.6%
疾患のサブタイプ※:典型加齢黄斑変性47.5%、ポリープ状脈絡膜血管症40.4%、網膜内血管腫状増殖3.6%
観察期間:<平均±標準偏差>801.7±412.5日(約27ヵ月)
投与回数:<平均±標準偏差>7.2±5.8回
前治療歴:なし65.1%、あり33.1%(内訳※:他の抗VEGF薬84.1%、光線力学的療法25.1%等)、不明1.9%※重複を含む
アイリーア®硝子体内注射液40mg/mL 特定使用成績調査(PMS)の最終報告 -中心窩下脈絡膜新生血管を伴う加齢黄斑変性(nAMD)-
※アイリーア投与群は初回投与日にレーザー偽照射を実施し、12週目以降にレーザー再治療基準を満たす場合はレーザー偽照射を実施した。
1)24週目以降、追加治療基準に従い、必要に応じてレーザー治療群にはアイリーア2mg投与(4週ごと5回投与後、以降8週ごとに投与)、アイリーア投与群にはレーザー治療を実施
2)100週目以降、レーザー治療に加え、アイリーア再投与基準に従い、必要に応じてアイリーア2mgを投与
レーザー治療はmodified ETDRS法で実施した。
1)Heier JS, et al.: Ophthalmology. 2016; 123: 2376-2385(文献1)
効能追加承認時評価資料、Brown DM, et al.: Ophthalmology. 2015; 122: 2044-2052(文献2)
利益相反:本研究はRegeneron PharmaceuticalsおよびBayer HealthCareの支援により行われた。
支援には試験のデザイン作成、実施、データ解析、原稿作成などが含まれる。
本論文の著者のうち6名(文献1)または7名(文献2)はRegeneron PharmaceuticalsあるいはBayer HealthCareの社員である。
著者にはRegeneron Pharmaceuticals、Bayer HealthCare、
あるいはSantenからコンサルタント料、研究資金などを受領している者が含まれる。
アイリーア2mgを投与された730例中276例(37.8%)に副作用が認められた。
主な副作用
試験薬に関連する死亡
試験薬に関連する重篤な有害事象
試験薬に関連する投与中止に至った有害事象
●148週目までに発現したAPTC定義による動脈血栓塞栓事象
●有害事象発現率(148週目まで)
試験眼にみられたすべての重篤な有害事象[主な内訳]
すべての全身性の重篤な有害事象[主な内訳]
<第Ⅲ相試験:VISTA-DME試験(海外データ) 試験概要>
対象:DMEを有する患者466例 方法:VIVID-DME試験に同じ
効能追加承認時評価資料、Heier JS, et al.: Ophthalmology. 2016; 123: 2376-2385
<国内第Ⅲ相試験:VIVID-Japan試験 試験概要>
対象:DMEを有する日本人患者73例 方法:対象患者にアイリーア2mgを4週ごとに5回投与した後、24週目から48週目まで8週ごとに投与した。
効能追加承認時評価資料
1)効能追加承認時評価資料、2)Heier JS, et al.: Ophthalmology. 2016; 123: 2376-2385
効能追加承認時評価資料
日本におけるラニビズマブの中心窩下脈絡膜新生血管を伴う加齢黄斑変性症に対する承認用法及び用量:
ラニビズマブ(遺伝子組換え)として0.5mg(0.05mL)を1ヵ月毎に連続3ヵ月間(導入期)硝子体内投与する。その後の維持期においては、症状により投与間隔を適宜調節するが、1ヵ月以上の間隔をあけること。
※ベースライン視力と治療群との間に有意な交互作用が認められました
※1 試験対象眼は各患者片眼のみとする
※2 眼内炎、牽引性網膜剥離、裂孔原性網膜剥離、網膜裂孔、白内障、眼内出血、眼圧上昇
※3 炎症、牽引性網膜剥離、牽引性網膜剥離の悪化・黄斑部への進行
※4 高血圧、腎事象、胃・消化管事象、APTC定義に基づく心血管事象
1)The Diabetic Retinopathy Clinical Research Network: N Engl J Med. 2015; 372: 1193-1203(文献1)
2)Wells JA, et al.: Ophthalmology. 2016; 123: 1351‒1359(文献2)
利益相反:本試験で用いられた薬剤(アフリベルセプト)はRegeneronより提供された。
著者にRegeneron、Bayerから経済的支援、謝礼を受領している者(文献1、2)、Regeneronの株式所有者(文献2)が含まれる。
試験眼に発現した眼の有害事象*
全身性の有害事象*
重篤な有害事象および死亡例
(ICH国際医薬用語集(MedDRA)のコード化を用いたメディカルモニターに基づく事象)
*:発現率5.0%以上とする
安全性解析対象症例:646例(2年未満データ収集症例:299例、2年データ収集症例:347例)
年齢:<平均±標準偏差>64.9±11.2歳 <中央値(最小値,最大値)>66.0(26,89)歳
性別:男性62.7%、女性37.3%
病期:単純糖尿病網膜症24.1%、増殖前糖尿病網膜症42.6%、増殖糖尿病網膜症26.8%、不明6.5%
観察期間:<平均±標準偏差>565.8±324.3日(約19ヵ月)
投与回数:<平均±標準偏差>3.6±3.0回
前治療歴:なし25.7%、あり72.9%(内訳※:汎網膜光凝固術75.8%、副腎皮質ホルモン剤39.1%、他の抗VEGF薬24.6%等)、不明1.4%※重複を含む
アイリーア®硝子体内注射液40mg/mL特定使用成績調査(PMS)の最終報告 -糖尿病黄斑浮腫(DME)-
PP-EYL-JP-0800-13-07
海外第Ⅱ相試験について解説します。
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