アイリーアの有効性・安全性

DME

DMEに対するアイリーアの有効性および安全性

糖尿病網膜症では、VEGFをはじめとする炎症性の生理活性物質の産生が亢進しており、さまざまな病態が発現しますが、なかでも黄斑浮腫は視力低下に直結する病態です

糖尿病網膜症の病態

糖尿病網膜症の病態

VEGF(vascular endothelial growth factor):血管内皮増殖因子、 PKC(protein kinase C):プロテインキナーゼ C
PlGF(placental growth factor):胎盤成長因子、 IL-6(interleukin-6):インターロイキン-6、 終末糖化産物:AGEs(advanced glycation end-products)

荒木栄一編:ヴィジュアル糖尿病臨床のすべて:糖尿病網膜症のすべて. 2012; p18-26 中山書店, 東京、野田航介:眼科. 2014; 56: 453-457
Terasaki H, et al.: Jpn J Ophthalmol. 2018; 62: 1-23、 Noma H, et al.: Ophthalmologica. 2017; 238: 81-88
Kanda A, et al.: Sci Rep. 2015; 5: 17946、 Kanda A, et al.: Sci Rep. 2017; 7: 16168

日本人を含む第Ⅲ相国際共同試験(VIVID-DME試験)
および海外第Ⅲ相試験(VISTA-DME試験)VIVID-DME VISTA-DME
〈試験概要〉
試験目的:
DMEを有する患者を対象に、アイリーア硝子体内注射と黄斑レーザー光凝固術の有効性および安全性を3年間にわたり比較検討する(VIVID-DME試験およびVISTA-DME試験の148週の試験成績)。
実施施設:
VIVID-DME試験:欧州、日本、オーストラリア、73施設 / VISTA-DME試験:米国、54施設
試験デザイン:
無作為化二重遮蔽比較対照第Ⅲ相試験
試験対象:
中心窩に及ぶDMEを有する1型または2型糖尿病患者872例
 VIVID-DME試験 :アイリーア4週ごと投与群136例、アイリーア8週ごと投与群135例、レーザー治療群135例
 VISTA-DME試験:アイリーア4週ごと投与群156例、アイリーア8週ごと投与群154例、レーザー治療群156例
主な選択基準:
1型または2型糖尿病を有する18歳以上の男女かつ
 ・試験眼に黄斑の中心窩(OCTで測定される黄斑の中心部領域)に及ぶDMEを有する
 ・試験眼の最高矯正視力文字数が73~24(Snellen換算で20/40~20/320)  など
方法:
対象患者をアイリーア2mg4週ごと投与群、アイリーア2mg8週ごと投与群(4週ごとに5回投与後、24週目以降は8週ごとに投与)、レーザー治療群の3群に割り付けた。
主な評価項目:
<主要評価項目>
52週目における最高矯正視力文字数のベースラインからの変化量
<副次的評価項目>
①52週目にベースラインから10文字以上の視力改善がみられた患者の割合、②52週目にベースラインから15文字以上の視力改善がみられた患者の割合、③52週目におけるETDRS糖尿病網膜症の重症度スコアが2段階以上低下した患者の割合、④52週目における中心網膜厚(CRT)のベースラインからの変化量、⑤52週目におけるNEI VFQ-25「近見視力による行動」サブスケールスコアのベースラインからの変化量、⑥52週目におけるNEI VFQ-25「遠見視力による行動」サブスケールスコアのベースラインからの変化量
<追加評価項目>
100および148週目における最高矯正視力文字数のベースラインからの変化量、100および148週目にベースラインから10または15文字以上の視力改善がみられた患者の割合、100および148週目におけるETDRS糖尿病網膜症の重症度スコアが2段階以上低下した患者の割合、100および148週目におけるCRTのベースラインからの変化量 など
解析計画:
<検証的な解析>
主要評価項目(FAS):アイリーア投与群のレーザー治療群に対する優越性の検証(両側有意水準2.5%)
副次的評価項目(FAS):同上。ただし、検定の多重性を考慮し、主要評価項目で優越性が示された場合に限り、事前に定めた順序(①から昇順)に従い検定を行う。
<探索的な解析>
追加評価項目(FAS)
部分集団解析:VIVID-DME試験における日本人集団の解析、患者背景(糖尿病罹病期間、HbA1c等)に基づく集団解析 など
※検定結果はすべて参考値として示す。
利益相反:
本研究はRegeneron PharmaceuticalsおよびBayer HealthCareの支援により行われた。支援には試験のデザイン作成、実施、データ解析、原稿作成などが含まれる。本論文の著者のうち7名(#1)または6名(#2)はRegeneron PharmaceuticalsあるいはBayer HealthCareの社員である。著者には、Regeneron Pharmaceuticals、Bayer HealthCare、あるいはSantenからコンサルタント料、研究資金などを受領している者が含まれる。

効能追加承認時評価資料
Brown DM, et al.: Ophthalmology. 2015; 122: 2044-2052#1
Heier JS, et al.: Ophthalmology. 2016; 123: 2376-2385#2

抗VEGF薬の登場により、
DME患者の視力改善が期待できるようになりましたVIVID-DME

最高矯正視力文字数の変化量の推移 (52週:主要評価項目) (LOCF、FAS)

最高矯正視力文字数の変化量の推移 (52週:主要評価項目) (LOCF、FAS)

効能追加承認時評価資料

DME患者の視力改善の最大化を目指す上では、
初期治療で可能な限り視力を改善させることが重要であり、
そのためにはアイリーアを初期複数回投与する必要性が示唆されていますVIVID-DME

52週目の視力改善文字数の80%を達成した時期別の累積患者割合(OC、FAS)(事後解析

52週目の視力改善文字数の80%を達成した時期別の累積患者割合(OC、FAS)(事後解析※)
対象:
VIVID-DME試験のアイリーア2mg4週ごと投与群のうち、52週目に10文字以上の視力改善が得られた66例
方法:
VIVID-DME試験のアイリーア2mg4週ごと投与群において、52週目に10文字以上の視力改善が得られた患者のうち、52週目における最高矯正視力文字数のベースラインからの変化量の80%を達成した時期別の患者の累積割合を検討した。

OC(observed case):欠測値を他の値で補うことなく、実測値のみを用いて解析する方法 ※ 照会事項に対する回答

効能追加承認時評価資料

糖尿病黄斑浮腫の用法・用量
アフリベルセプト(遺伝子組換え)として2mg(0.05mL)を1ヵ月ごとに1回、連続5回硝子体内投与する。その後は、通常、2ヵ月ごとに1回、硝子体内投与する。なお、症状により投与間隔を適宜調節するが、1ヵ月以上あけること。

第Ⅳ相オープンラベル延長試験(ENDURANCE延長試験:2年;海外データ)
〈試験概要〉
試験目的:
VISTA-DME試験を完了した患者を対象に、第Ⅲ相試験で示されたアイリーアの有効性および安全性が、必要に応じた個別化治療によって維持されるか否かを検討する。
試験デザイン:
第Ⅳ相、多施設共同、オープンラベル延長試験
試験対象:
DMEを有する1型または2型糖尿病患者で、主要4施設でVISTA-DME試験を完了した患者60例
方法:
対象に必要に応じてアイリーア2mgを硝子体内投与(PRN投与)し、2年間追跡した。
・52週目まで:受診間隔は疾患活動性に基づき決定した。4週ごとの受診で開始するが、連続3回の受診でアイリーア投与不要の場合は、受診間隔を8週、12週ごとと段階的に延長した。ただし、再発時にはアイリーアを投与し、受診間隔は4週ごとに短縮した。再度連続3回の受診でアイリーア投与不要の場合、8週ごとに延長した。
・52週目以降:アイリーアの投与不要と判断された場合は、受診間隔を16週、20週ごとに延長した。ただし、受診間隔が12週を超えた時点で再発が認められた場合には、アイリーアを投与し、医師の判断によって受診間隔を短縮した。受診間隔を4あるいは8週まで短縮する必要があれば、52週までの基準に従い受診間隔を調節した。
主な有効性 
評価項目:
2年間のアイリーア平均投与回数、最高矯正視力文字数およびCRTのベースラインからの平均変化量、糖尿病網膜症の進展 など
解析計画:
統計的な比較において、連続変数にはstudent’s t検定またはANOVA、カテゴリー変数にはχ2検定またはロジスティック回帰分析を用いた。
利益相反:
本研究はRegeneron Pharmaceuticalsの支援により行われた。本論文1)の著者には、Bayer HealthCare、Santen、Regeneron Pharmaceuticalsよりコンサルタント料、研究資金、講演料などを受領している者が含まれる。
本論文2)の著者には、Bayer、Santen、Regeneron Pharmaceuticalsより研究資金、個人的収入を受領している者が含まれる。

1)Wykoff CC, et al.: Am J Ophthalmol. 2017; 173: 56-63
2)Wykoff CC, et al.: Br J Ophthalmol. 2018; 102: 631-636

ENDURANCE延長試験において、VISTA-DME試験の3年間で改善・維持された視力は、その後も2年間にわたって維持されました

最高矯正視力文字数の変化量の推移1,2)

最高矯正視力文字数の変化量の推移1,2)

1)Wykoff CC, et al.: Am J Ophthalmol. 2017; 173: 56-63
2)Adapted by permission from BMJ Publishing Group Limited. Br J Ophthalmol, Wykoff CC et al, 2018; 102: 631-636. copyright 2017

安全性

VIVID-DME試験およびVISTA-DME試験の併合解析VIVID-DME VISTA-DME

有害事象(148週)1)

有害事象(148週)1)

a)硝子体出血5例(1.7%)、糖尿病網膜症4例(1.4%)、網膜血管新生3例(1.0%)、白内障手術2例(0.7%)など
b)白内障9例(3.1%)、硝子体出血4例(1.4%)、網膜剥離3例(1.0%)、網膜血管障害、眼内炎、白内障手術各2例(0.7%)など
c)白内障6例(2.1%)、硝子体出血3例(1.0%)、網膜剥離、嚢下白内障各2例(0.7%)、網膜動脈閉塞症、視力低下、眼内炎、眼内圧上昇、視野欠損、白内障手術各1例(0.3%)
d)急性腎障害9例(3.1%)、蜂窩織炎、急性心筋梗塞各7例(2.4%)、うっ血性心不全、骨髄炎、高カリウム血症各6例(2.1%)、脳血管イベント、腎不全各5例(1.7%)など
e)うっ血性心不全11例(3.8%)、貧血、急性腎障害各10例(3.4%)、蜂窩織炎、脳血管イベント各9例(3.1%)、心筋梗塞8例(2.7%)など
f)蜂窩織炎10例(3.5%)、急性腎障害9例(3.1%)、貧血、うっ血性心不全、肺炎各7例(2.4%)、脳血管イベント6例(2.1%)など

両試験の併合解析(52週間)において、試験薬に関連する試験眼の重篤な有害事象として、アイリーア8週ごと投与群の287例中1例で眼圧上昇、全身性の重篤な有害事象として、レーザー治療群の287例中1例で腸炎、アイリーア4週ごと投与群の291例中1例で虚血性脳卒中、およびアイリーア8週ごと投与群の287例中1例で高血圧性心疾患(死亡)が認められました。
また、試験薬に関連する投与中止に至った有害事象が、レーザー治療群で3例[腸炎、突然視力消失、非感染眼内炎(各1例)]、アイリーア4週ごと投与群で3例[虚血性脳卒中、心筋虚血、脳梗塞(各1例)]、およびアイリーア8週ごと投与群で2例[腎機能障害、末梢動脈閉塞性疾患(各1例)]に認められました。2)

1)Heier JS, et al.: Ophthalmology. 2016; 123: 2376-2385 © with adaptation from the AAO
2)効能追加承認時評価資料

ENDURANCE延長試験

有害事象発現率(1年目)1)

有害事象発現率(1年目)1)

有害事象発現率(2年目)2)

有害事象発現率(2年目)2)

1)Wykoff CC, et al.: Am J Ophthalmol. 2017; 173: 56-63 ©with permission from Elsevier
2)Reproduced from Br J Ophthalmol, Wykoff CC, et al.: Br J Ophthalmol. 2018; 102: 631-636, copyright 2017 with permission from BMJ Publishing Group Ltd.

-特定使用成績調査(PMS)の中間報告「糖尿病黄斑浮腫(DME)」-
有害事象発現状況
安全性解析対象症例508例のうち21例(4.1%)24件に有害事象が認められました。重篤な有害事象は、脳梗塞が4件、網膜剥離が2件、白内障、網膜動脈閉塞、水晶体損傷、壊疽、腹膜炎、敗血症、慢性腎臓病、損傷が各1件でした。 眼に関する有害事象は13件認められ、硝子体出血が3件、アレルギー性結膜炎、網膜剥離が各2件、白内障、結膜沈着物、後嚢部混濁、網膜動脈閉塞、眼圧上昇、水晶体損傷が各1件でした。

有害事象

有害事象
■調査概要
調査目的:
アイリーア(以下、本剤)の使用経験のない糖尿病黄斑浮腫(DME)を有する患者を対象とし、本剤の使用実態下における安全性、有効性情報を収集する。
調査対象:
DMEの治療のために本剤が投与される患者で、本剤の使用経験のない患者
調査方法:
EDC(Electronic Data Capture)を用いた中央登録方式
調査予定症例数:
600例
解析対象症例:
登録症例:713例
調査票の収集・固定症例数(安全性解析対象症例):508例
有効性解析対象症例:490例
調査期間:
2014年11月~2019年4月
観察期間:
本剤投与開始から最長24ヵ月間
主な評価項目:
<安全性に関する事項>
副作用・感染症の発現状況(副作用等の種類・重篤度・発現率および発現時期)
硝子体内投与手技との関連性が完全に否定できない有害事象を含めた眼局所の有害事象および重篤な有害事象
患者背景因子別の副作用等の種類および発現率等
<投与状況>
本剤による治療の継続割合、本剤の投与回数、眼科的検査(フルオレセイン、インドシアニングリーンおよびOCT)の回数、本剤への治療変更理由、本剤による治療の中止理由、維持期における本剤の投与理由
<有効性に関する事項>
視力改善/維持の割合
視力変化、網膜厚変化
患者背景因子別および投与状況別の視力改善割合、視力維持割合
患者背景因子別および投与状況別の視力変化、網膜厚変化

社内資料:アイリーア特定使用成績調査(PMS)の中間報告

アイリーアは、VEGFおよびPlGFのVEGF受容体への結合を阻害することにより、血管透過性亢進に伴う黄斑浮腫を改善すると考えられます

DMEにおける血管透過性亢進に対するVEGFの関与とアフリベルセプトの作用機序

DMEにおける血管透過性亢進に対するVEGFの関与とアフリベルセプトの作用機序

VEGF(vascular endothelial growth factor):血管内皮増殖因子
PlGF(placental growth factor):胎盤成長因子
VEGFR-1(vascular endothelial growth factor receptor-1):VEGF受容体-1
VEGFR-2(vascular endothelial growth factor receptor-2):VEGF受容体-2

監修:北海道大学 大学院医学研究院 眼科学教室 教授 石田 晋 先生

PP-EYL-JP-0014-09-07



DME(糖尿病黄斑浮腫)

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