アイリーアの有効性・安全性

DME

DME患者におけるアフリベルセプトの有効性および安全性
DRCR.net Protocol T 試験の2年成績(海外データ)

The Diabetic Retinopathy Clinical Research Network: N Engl J Med. 2015; 372: 1193-1203
Wells JA, et al.: Ophthalmology. 2016; 123: 1351-1359

注意:
糖尿病黄斑浮腫を対象とした本試験のラニビズマブ群の用量は試験実施国(米国)で承認された0.3mgですが、国内承認用量は0.5mgです。また、ベバシズマブは糖尿病黄斑浮腫に対して試験実施国および国内未承認のため、ベバシズマブ群の結果を削除しています。

試験概要

目的 中心窩に及ぶ糖尿病黄斑浮腫(DME)を有する患者を対象に、(1)アフリベルセプト硝子体内投与、(2)ベバシズマブ硝子体内投与、(3)ラニビズマブ硝子体内投与の有効性および安全性を比較検討すること
実施国/施設数 米国/89施設
デザイン 多施設共同無作為化比較試験
対象 中心窩に及ぶDMEを有する患者660例660眼※1
投与方法
投与方法<
  • 52週目までは4週ごと来院
  • 52週目以降は4週ごと来院を基本に、疾患状態および治療内容に従って、8週ごと、16週ごと来院に延長可能
  • 52週目および104週目は全患者来院
主要評価項目 1年目における最高矯正視力文字数のベースラインからの変化量 (ベースラインの最高矯正視力で調整)
副次評価項目 1年目における以下の項目
  • 試験実施計画書に従った硝子体内投与回数
  • 最高矯正視力文字数の10または15文字以上の改善あるいは悪化がみられた患者の割合
  • OCTを用いて測定した中心サブフィールド網膜厚(CST)および網膜体積の変化量
  • CSTが250μm※2未満の患者の割合
  • ベースライン時の非増殖網膜症眼を対象とした、糖尿病網膜症重症度スコアが改善した患者の割合
  • 汎網膜光凝固術、硝子体切除術を受けた、もしくは硝子体出血がみられた患者の割合
安全性の主な評価項目
  • 投与手技に関連する※3、薬剤に関連する(眼※4、全身性※5)有害事象
  • 硝子体内投与2‐3日(±1日)後および1年目の血圧の変化量
  • 硝子体内投与2-3日(±1日)後および1年目の尿アルブミン/クレアチニン比の変化量(微量アルブミン尿の有無)
解析計画
  • 主要評価項目については、ベースライン視力を調整した共分散分析(ANCOVA)により群間比較を行う。その際、Hochberg法により多重性の調整を行う。欠測値については多重代入法を用いて補完する。平均値から3SD以上の外れ値は除外する。
  • 副次評価項目については、評価項目に応じ、ベースライン因子を調整したANCOVAなど適切な手法を用いて検討する。
  • 安全性評価項目については、片眼のみ、あるいは両眼とも投与を受けた患者群ごとの全身性有害事象の発現状況についても検討する。
なお、有効性の主要な評価項目については、主なベースライン特性による層別解析を行うとともに交互作用についても検討する。2年目については1年目の統計解析手法を踏襲する。
  • ※1 試験対象眼は各患者片眼のみとする
  • ※2 機種/性別ごとに規定 1. <250μm:Zeiss Stratus 2. <320μm(男性)、 <305μm(女性):Heidelberg Spectralis 3. <305μm(男性)、 <290μm(女性):Zeiss Cirrus
  • ※3 眼内炎、牽引性網膜剥離、裂孔原性網膜剥離、網膜裂孔、白内障、眼内出血、眼圧上昇
  • ※4 炎症、牽引性網膜剥離、牽引性網膜剥離の悪化・黄斑部への進行
  • ※5 高血圧、腎事象、胃・消化管事象、APTC(Antiplatelet Trialists’ Collaboration)定義に基づく心血管事象

<承認用法・用量>
・日本におけるアフリベルセプトの糖尿病黄斑浮腫に対する承認用法・用量は「アフリベルセプト(遺伝子組換え)として2mg(0.05mL)を1ヵ月ごとに1回,連続5回硝子体内投与する.その後は,通常,2ヵ月ごとに1回,硝子体内投与する.なお,症状により投与間隔を適宜調節するが,1ヵ月以上あけること.」
・日本におけるラニビズマブの糖尿病黄斑浮腫に対する承認用法・用量は「ラニビズマブ(遺伝子組換え)として1回あたり0.5mg(0.05mL)を硝子体内投与する。投与間隔は、1ヵ月以上あけること。」

The Diabetic Retinopathy Clinical Research Network: N Engl J Med. 2015; 372: 1193-1203(文献1)
Wells JA, et al.: Ophthalmology. 2016; 123: 1351–1359(文献2)

  • 利益相反:
    本試験で用いられた薬剤(アフリベルセプト)はRegeneron Pharmaceutical社より提供された。著者にRegeneron Pharmaceuticals社、Bayer HealthCare Pharmaceuticals社から経済的支援、謝礼を受領している者(文献1、2)、Regeneron Pharmaceuticals社の株式所有者(文献2)が含まれる。
    なお、本試験の資金提供組織はNational Institutes of Health (NIH)であり、プロトコルの作成、実施、データの管理についてはDRCR.netが主体である。

◆抗VEGF薬再投与基準(4週目以降)1)

試験眼が以下のいずれかを満たす場合は、硝子体内投与を行う。

●前回または前々回の投与以降、OCTによるCSTまたは最高矯正視力の改善※1あるいは悪化※2が認められる
●24週目まで:CSTが250μm※3以上、または最高矯正視力が20/20未満

一旦投与が延期された後、以下の場合は、硝子体内投与を再開する。

●前回の来院または投与以降、CSTまたは最高矯正視力の悪化※2が認められる

◆レーザー実施基準(24週目以降)1)

24週目以降の来院時に、試験眼が以下の両方を満たす場合は、レーザー治療を開始する。

●OCTによるCSTが250μm※3以上、または中心窩に及ぶ浮腫が認められる
●連続2回投与後もCSTまたは最高矯正視力の改善※1が認められない

レーザー治療開始後は、レーザー治療を継続することとする。ただし、試験眼が以下のいずれかを満たす場合を除く。

●レーザー治療を13週以内に実施
●レーザー治療が完了したと試験担当医師が判断
●CSTが250μm※3未満、かつ中心窩に及ぶ浮腫が認められない
●前回のレーザー治療から、試験眼に改善※1が認められた

  • ※レーザー実施基準から逸脱する場合は、あらかじめプロトコル責任者もしくは担当者に相談することとする。
  • ※1 CSTが10%以上減少または最高矯正視力が5文字以上改善
  • ※2 CSTが10%以上増加または最高矯正視力が5文字以上悪化
  • ※3 機種/性別ごとに規定
      1. <250μm:Zeiss Stratus 
      2. <320μm(男性)、 <305μm(女性):Heidelberg Spectralis 
      3. <305μm(男性)、 <290μm(女性):Zeiss Cirrus

1)The Diabetic Retinopathy Clinical Research Network: N Engl J Med. 2015; 372: 1193-1203、
2)Wells JA, et al.: Ophthalmology. 2016; 123: 1351-1359より作表
※承認の範囲内の症例群のみに限定し、一部改変

アフリベルセプト投与群におけるアフリベルセプトの投与回数(中央値)は、1年目が9回、2年目が5回、2年間の累積で15回でした

抗VEGF薬による治療回数(1年目:副次評価項目)1、2)

試験対象例数と各群の患者の内訳
中央値(25%:第1四分位数, 75%:第3四分位数)
全体比較(Kruskal-Wallis Test)においてp<0.05の場合に、多重性を調整した(全体比較と対比較のうちp値が大きい方を採用)対比較(Wilcoxon Rank Sum Test)を行った。
  *全体比較:p=0.045、対比較:アフリベルセプト vs ラニビズマブ:p=0.19
 **全体比較:p=0.32
***全体比較:p=0.08
※全体比較のp値はベバシズマブ1.25mg投与群を含めて解析した結果を示す。

アフリベルセプト投与群における局所/格子状レーザー光凝固による治療を受けなかった患者の割合は、2年間で59%でした

局所/格子状レーザー光凝固による治療を受けなかった患者の割合(1年目:副次評価項目)1、2)

試験対象例数と各群の患者の内訳
全体比較(Fisher’s Test)においてp<0.05の場合に、多重性を調整した(全体比較と対比較のうちp値が大きい方を採用)対比較(Fisher’s Exact Test)を行った。
 *全体比較:p<0.001、対比較:アフリベルセプト vs ラニビズマブ:p=0.058
**全体比較:p<0.001、対比較:アフリベルセプト vs ラニビズマブ:p=0.04
※全体比較のp値はベバシズマブ1.25mg投与群を含めて解析した結果を示す。

52週までにアフリベルセプト投与群では平均+13.3文字変化しました
※ベースライン視力と治療群との間に有意な交互作用が認められました

最高矯正視力文字数のベースラインからの平均変化量の推移(52週:主要評価項目)

試験対象例数と各群の患者の内訳

The Diabetic Retinopathy Clinical Research Network: N Engl J Med. 2015; 372: 1193-1203
※承認の範囲内の症例群のみに限定し、一部改変
Copyright© 2015 Massachusetts Medical Society. All rights reserved. Translated with permission.

ベースライン視力≦20/50の患者群において、52週までにアフリベルセプト投与群では平均+18.9文字変化しました

ベースライン視力別:最高矯正視力文字数のベースラインからの平均変化量の推移
(52週:事前に規定された部分集団解析)

試験対象例数と各群の患者の内訳

The Diabetic Retinopathy Clinical Research Network: N Engl J Med. 2015; 372: 1193-1203
※承認の範囲内の症例群のみに限定し、一部改変
Copyright© 2015 Massachusetts Medical Society. All rights reserved. Translated with permission.

2年後の結果

・最高矯正視力文字数のベースラインからの平均変化量は、アフリベルセプト投与群では平均+12.8文字変化しました。※ベースライン視力と治療群との間に有意な交互作用が認められました。

・ベースライン視力別にみると、アフリベルセプト投与群はベースライン視力≦20/50の患者群では平均+18.1文字、ベースライン視力20/32~20/40投与群では平均+7.8文字変化しました。

Wells JA, et al.: Ophthalmology. 2016; 123: 1351-1359

主な有害事象(2年間)※

試験眼に発現した眼の有害事象

・アフリベルセプト2.0mg投与群224例中、霧視54例(24.1%)、硝子体浮遊物41例(18.3%)、結膜出血34例(15.2%)、白内障28例(12.5%)、眼痛25例(11.2%)、視力低下22例(9.8%)、眼乾燥20例(8.9%)、囊下白内障17例(7.6%)、眼刺激16例(7.1%)、流涙増加15例(6.7%)、硝子体出血15例(6.7%)、視力障害12例(5.4%)であった。
・ラニビズマブ0.3mg投与群218例中、霧視50例(22.9%)、硝子体浮遊物49例(22.5%)、結膜出血26例(11.9%)、眼痛23例(10.6%)、視力低下22例(10.1%)、眼乾燥20例(9.2%)、眼そう痒症16例(7.3%)、眼刺激15例(6.9%)、白内障13例(6.0%)、流涙増加11例(5.0%)、眼充血11例(5.0%)であった。

全身性有害事象

・アフリベルセプト2.0mg投与群224例中、高血圧39例(17.4%)、鼻咽頭炎39例(17.4%)、咳嗽22例(9.8%)、貧血20例(8.9%)、頭痛20例(8.9%)、副鼻腔炎20例(8.9%)、嘔吐17例(7.6%)、尿路感染17例(7.6%)、インフルエンザ16例(7.1%)、コントロール不良の糖尿病15例(6.7%)、高コレステロール血症15例(6.7%)、上気道感染15例(6.7%)、胃食道逆流性疾患14例(6.3%)、季節性アレルギー14例(6.3%)、慢性腎不全14例(6.3%)、低血糖13例(5.8%)、背部痛13例(5.8%)、浮動性めまい13例(5.8%)、悪心12例(5.4%)、転倒12例(5.4%)、腎不全12例(5.4%)、気管支炎12例(5.4%)、蜂巣炎12例(5.4%)であった。
・ラニビズマブ0.3mg投与群218例中、高血圧44例(20.2%)、鼻咽頭炎29例(13.3%)、インフルエンザ20例(9.2%)、頭痛20例(9.2%)、上気道感染19例(8.7%)、肺炎18例(8.3%)、副鼻腔炎18例(8.3%)、背部痛17例(7.8%)、貧血15例(6.9%)、コントロール不良の糖尿病14例(6.4%)、浮動性めまい14例(6.4%)、咳嗽14例(6.4%)、下痢13例(6.0%)、ウイルス性胃腸炎13例(6.0%)、悪心13例(6.0%)、うっ血性心不全12例(5.5%)、ビタミンD欠乏12例(5.5%)、腎不全12例(5.5%)、尿路感染12例(5.5%)、蜂巣炎12例(5.5%)、低血糖11例(5.0%)、末梢性浮腫11例(5.0%)、季節性アレルギー11例(5.0%)、転倒11例(5.0%)、脱水11例(5.0%)、関節痛11例(5.0%)、気管支炎11例(5.0%)であった。

(ICH国際医薬用語集(MedDRA)のコード化を用いたメディカルモニターに基づく事象)
※:発現率5.0%以上とする

事前に規定された注目すべき試験眼の有害事象(2年間)

事前に規定された注目すべき試験眼の有害事象(2年間)
†:米国食品医薬品庁が糖尿病黄斑浮腫治療にラニビズマブ0.3mgを承認する前に、試験対象眼のうち7眼が1回、2眼が2回のラニビズマブ0.5mg注射を受けた。
‡:いずれかの来院時点で眼圧がベースラインから10mmHg以上上昇、いずれかの来院時点で眼圧が30mmHg以上、ベースライン時には使用していなかった眼圧を下げるための薬物療法の開始、緑内障手術を含む。

Wells JA, et al.: Ophthalmology. 2016; 123: 1351-1359 ※承認の範囲内の症例群のみに限定し、一部改変

事前に規定された注目すべき全身性の有害事象(2年間)

事前に規定された注目すべき全身性の有害事象(2年間)
*:Anti-Platelet Trialists Collaboration
¶:ICH 国際医薬用語集(MedDRA)の器官別大分類の胃腸障害の事象を含む。
#:MedDRAの器官別大分類の内因性腎障害を示す腎および尿路障害事象のサブセットに加えて、他の器官別大分類の血中クレアチニン上昇もしくは異常または腎移植を含む。

APTC定義に基づく動脈血栓塞栓事象
(心筋梗塞・脳卒中の既往歴の有無による事後部分集団解析、2年間)

APTC定義に基づく動脈血栓塞栓事象(心筋梗塞・脳卒中の既往歴の有無による事後部分集団解析、2年間)

心血管事象(片眼のみ、あるいは両眼とも抗VEGF薬治療を受けた患者の事前に規定された部分集団解析、2年間)

心血管事象(片眼のみ、あるいは両眼とも抗VEGF薬治療を受けた患者の事前に規定された部分集団解析、2年間)
†:MedDRAの器官別大分類の心臓障害又はメディカルモニターによりコード化された血管障害の事象を含む。上記の器官別大分類下でコード化されていないが心臓事象又は血管事象もしくはインターベンションに関連する以下の追加的事象もまた、心血管事象として定義される:心雑音、心臓ペースメーカー植え込み術/交換、冠動脈ステント挿入術、心拍が不規則、心臓移植、植込み型除細動器植え込み術、ステント挿入、及びトロポニン増加。複数の事象を有する参加者は、全体の作表では1回のみ含められているが、複数の下位分類に含められた可能性がある。

Wells JA, et al.: Ophthalmology. 2016; 123: 1351-1359 ※承認の範囲内の症例群のみに限定し、一部改変

PP-EYL-JP-0385-18-06

ページの最上部に移動

このサイトは、弊社の医療用医薬品である眼科用VEGF阻害剤を
正しく理解・使用していただくための情報提供サイトです。
医療関係者の皆様に適正使用の推進ならびに安全性に関する情報を提供しております。
ご利用の際は、必ず 注意事項 をお読み下さい。

医療関係者の方へ

こちらは、医療関係者のためのページです。
あなたは医療関係者ですか?