アイリーア治療戦略

 

DMEの特徴と治療、DME治療方針

監修・症例提示 大越貴志子先生
DMEの特徴と治療

糖尿病黄斑浮腫(DME)は、糖尿病網膜症(DR)の合併症として黄斑部に浮腫が生じる疾患で、糖尿病患者の視力障害の最大の原因である。網膜毛細血管の透過性亢進により漏出した血漿成分が黄斑部に蓄積することにより発症すると考えられている。

DMEの治療は、1985年にEarly Treatment of Diabetic Retinopathy Study(ETDRS)でClinically Significant Macular Edema(CSME)に対する光凝固術の視力維持効果が証明されて以降、光凝固術が長年DME治療のゴールドスタンダードだったが、近年開発された抗血管内皮増殖因子(VEGF)薬が高い視力改善効果と網膜厚減少作用を示したため1)、現在では抗VEGF薬の硝子体内注射が中心窩を含むDMEに対する治療の第一選択となっている。しかしながら、光凝固術は抗VEGF薬の注射回数を減らす補助療法、または抗VEGF薬抵抗性の患者に対する治療法として、未だ重要な役割を担っている。

1)Korobelnik JF, et al.:Ophthalmology. 2014;121(11):2247-2254

DME治療方針

DMEの治療では、CSMEの早期発見に努める。びまん性浮腫のうち、中心窩を含まないCSMEの場合は、閾値下レーザー(凝固斑がみえないことが条件)による低侵襲レーザー治療を実施し、中心窩を含むCSMEの場合も視力が良好で浮腫が軽度であれば同様に低侵襲レーザー治療を実施する(表)。抗VEGF薬治療対象例[中心黄斑厚(CMT)が350~400μm以上、視力が0.6以下を目安]であれば抗VEGF薬と低侵襲レーザーの併用治療を実施する。抗VEGF薬としてアイリーアを使用する場合には導入期として3回あるいは浮腫が引くまで連続投与し、その後はpro re nata(PRN)投与を行いながら、残存浮腫に対して低侵襲レーザーを施行する注)

網膜上の膜による牽引が浮腫の一因と考えられる症例では、まず抗VEGF薬を投与してから再発時に手術を行う場合と患者の希望により最初から硝子体手術を施行する場合がある。

重症度にかかわらず、浮腫の原因と考えられる毛細血管瘤(MA)を認め、かつ患者にとってメリットになると判断した場合は、MA光凝固を低侵襲で実施する。

DRの病態が増殖糖尿病網膜症(PDR)に達している場合は、DME治療と同時にPDR治療として汎網膜光凝固術(PRP)を実施する。増殖前糖尿病網膜症(PPDR)でも、無灌流領域が広範に認められた場合にはPRPを実施することがある。PRPには、網膜の侵襲が少なく、術後の炎症が起こりにくいパターンスキャンレーザーを使用する。抗VEGF薬により網膜全体の浮腫がある程度引いたタイミングでPRPを実施することで、パターンスキャンレーザーでも十分な効果を得ることができる。

DMEは再発することが多いため、基本的に初年度は毎月診察を行う。徐々に受診間隔は空いてくるものの5年間を治療期間の目安として、浮腫を引かせた状態を5年間維持することが重要であり、5年後の眼の状態は今の頑張りによって決まると患者に伝えている。

注)使用に際しては薬剤の製品添付文書をご参照ください。

黄斑凝固は577または561nmの黄色が望ましい、なければグリーンを使用する。
閾値:凝固斑が見える条件の中で最低のパワー

大越貴志子:日本の眼科 2017;88(5):19-25より改変

L.JP.MKT.OP.05.2017.1004

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