アイリーア治療戦略

 

DME治療の目的、DME治療方針

監修・症例提示 石龍鉄樹先生
DME治療の目的

糖尿病黄斑浮腫(DME)は、網膜毛細血管の透過性亢進により漏出した血漿成分が黄斑部に蓄積することにより発症すると考えられており、糖尿病患者の視力障害の最大の原因である。

DME治療の目的は、快適なQOV(クオリティ・オブ・ビジョン)を実現することである。地方では高齢者であっても運転免許を所持し続けることの重要性は高く、日常生活のQOLを維持するためにも、矯正視力0.7以上を一つの基準として視力改善・維持を目指す。現在は視力が良好でも、hyperreflective fociや硬性白斑、出血などを認め、悪化が予想される場合には、積極的に治療介入し、良好な視力の維持に努める。近年、光干渉断層計(OCT)での網膜外層の形態と視力は相関することが示されているので効果判定は網膜外層形態の変化に注目している1)。OCT所見で網膜構造の消失を認め、視力改善が期待できない場合は、視力の維持を治療目標とする。

1)Shin HJ, et.al.:Graefes Arch Clin Exp Ophthalmol. 2012;250:61-70

DME治療方針

治療を開始する際には、患者の視機能、網膜構造の状態、職業、経済事情、家庭での役割を考慮した上で実現可能な治療目標を設定し、患者と共有する。長期のマネジメントにおいては、視力や画像所見から治療目標がどの程度達成されているかを患者に示すとともに、網膜症の改善には血糖・血圧・血清脂質のコントロールも重要であることを説明し、患者の治療に対するモチベーション維持に努める。

実際の治療では、局所レーザーと抗VEGF薬を併用して治療を行う。抗VEGF薬としてアイリーアを使用する場合には原則として導入期に3〜5回あるいは浮腫が消失するまで連続投与し、その後はpro re nata(PRN)もしくはTreat and Extend (TAE)によって投与を行う注)。抗VEGF薬の単独治療を実施し、導入後も浮腫が残存する症例では閾値下レーザーによる治療を併用する。また、抗VEGF薬治療が奏効するも再発を繰り返す症例に対しても閾値下レーザー治療を追加することで抗VEGF薬の投与回数の減少をはかる。Hyperreflective fociや硬性白斑の増加を認める症例にも、閾値下レーザー治療を行う。毛細血管瘤(MA)が病態の中心となっている症例では従来通り局所レーザー凝固を行うがMAが多発する例では、抗VEGF薬治療とナビゲーションレーザーを組み合わせて治療を進める。

牽引が強い症例に対しては硝子体手術を実施する。また、抗VEGF薬治療の反応性が低下した場合は網膜前膜(ERM)形成を疑い、必要に応じて手術を行う。トリアムシノロンアセトニドテノン嚢下注射(STTA)は抗VEGF薬への反応性不良の患者に有効な場合があるため、抗VEGF薬治療とレーザー治療で効果が認められない患者に対する治療選択肢として考慮する。

DMEでは抗VEGF薬の効果の現れ方(時期)のバリエーションが大きいため、導入期を設けて患者ごとに反応をみることは大切である。治療効果判定では、視力のほかに網膜外層の状態や嚢胞形成の程度を重要視している。抗VEGF薬治療での投与間隔は、中心黄斑厚(CMT)350μm以上を再発の参考値とし、患者の状態に合わせて調節する。投与間隔の延長はTAE投与の場合、原則4週間ごととし、最長投与間隔は設定していないが、投与間隔が長い場合でも3ヵ月ごとに診察を行う。半年から1年の間ドライを維持できたなら、一度治療終了とし、その後は経過観察とする。

注)使用に際しては薬剤の製品添付文書をご参照ください。

L.JP.MKT.OP.02.2018.1240

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