アイリーア治療戦略

 

最適なDME治療を考える

最適なDME治療を考える 名古屋市立大学大学院医学研究科 視覚科学 講師 野崎 実穂 先生
DMEの治療目標
視力の改善、維持を最優先とする

視力に関する一定の数値目標は設けず、患者の年齢、対側眼の視力などを指標として個々に合わせた目標を設定する

患者が若年、もしくは対側眼が異常を来して視力の改善が見込めない場合などは、患者の希望を考慮して積極的な治療を行い、視力の改善を図る

私の考えるDMEに対する基本的な治療方針
毛細血管瘤、後部硝子体膜の牽引などに関わらず第一選択は抗VEGF薬

視力改善の維持には継続的な治療が必要であるが、抗VEGF薬はVIVID-DME試験(右頁)などの長期投与に関するエビデンスが豊富である

糖尿病網膜症に対する好ましい影響が報告されている(DME患者)1)

投与方法はT&E(Treat and Extend)法が望ましいが、患者と話し合って決定する

眼内におけるVEGFファミリー阻害作用2)を持つことからアフリベルセプトを治療薬として考慮する

レーザー治療の併用、ステロイド注射や硝子体手術への切替も考慮

抗VEGF薬による効果不十分もしくは再発を繰り返す場合、浮腫の原因となる毛細血管瘤がレーザー照射が可能な位置にある場合にはNavilas®などを併用する

後部硝子体膜の牽引、網膜前膜があれば硝子体手術、なければステロイド注射を考慮する

図:私の考えるDMEに対する基本的な治療方針

1)Bressler SB, et al.: JAMA Ophthalmol. 2017; 135: 558-568 2)Papadopoulos N, et al.: Angiogenesis 2012; 15: 171-185

VIVID-DME試験(日本人を含む第Ⅲ相国際共同試験)・
VISTA-DME試験(海外第Ⅲ相試験)
最高矯正視力文字数の平均変化量の推移(LOCF、FAS)1)
最高矯正視力文字数の平均変化量の推移(LOCF、FAS)
148週目までに発現したAPTC定義による動脈血栓塞栓事象2)
148週目までに発現したAPTC定義による動脈血栓塞栓事象
有害事象発現率(148週目まで)1,2)

試験眼にみられたすべての重篤な有害事象:主な内訳

IAI 4週ごと投与群 25/291例(8.6%):  白内障9例(3.1%)、硝子体出血4例(1.4%)、網膜剥離3例(1.0%)、網膜血管障害、眼内炎、白内障手術各2例(0.7%)
IAI 8週ごと投与群 18/287例(6.3%):  白内障6例(2.1%)、硝子体出血3例(1.0%)、網膜剥離、嚢下白内障各2例(0.7%)、網膜動脈閉塞症、視力低下、眼内炎、眼内圧上昇、視野欠損、白内障手術各1例(0.3%)
レーザー治療群 18/287例(6.3%):  硝子体出血5例(1.7%)、糖尿病網膜症4例(1.4%)、網膜血管新生3例(1.0%)、白内障手術2例(0.7%)

すべての全身性の重篤な有害事象:主な内訳

IAI 4週ごと投与群 128/291例(44.0%):  うっ血性心不全11例(3.8%)、貧血、急性腎障害各10例(3.4%)、蜂窩織炎、脳血管イベント各9例(3.1%)、心筋梗塞8例(2.7%)
IAI 8週ごと投与群 124/287例(43.2%):  蜂窩織炎10例(3.5%)、急性腎障害9例(3.1%)、貧血、うっ血性心不全、肺炎各7例(2.4%)、脳血管イベント6例(2.1%)
レーザー治療群 116/287例(40.4%):  急性腎障害9例(3.1%)、蜂窩織炎、急性心筋梗塞各7例(2.4%)、うっ血性心不全、骨髄炎、高カリウム血症各6例(2.1%)、脳血管イベント、腎不全各5例(1.7%)

有害事象発現例数(%)

試験概要

目  的:
DMEを有する患者を対象に、アイリーア硝子体内注射と黄斑レーザー光凝固術の有効性および安全性を3年間にわたり比較検討する(VIVID-DME試験およびVISTA-DME試験の148週の試験成績)
実施施設:
VIVID-DME試験:欧州、日本、オーストラリア、73施設/VISTA-DME試験:米国、54施設
デザイン:
無作為化二重遮蔽比較対照第Ⅲ相試験
対  象:
中心窩に及ぶDMEを有する1型または2型糖尿病患者872例
VIVID-DME試験:アイリーア4週ごと投与群136例、アイリーア8週ごと投与群135例、レーザー治療群135例
VISTA-DME試験:アイリーア4週ごと投与群156例、アイリーア8週ごと投与群154例、レーザー治療群156例
主な選択基準:
1型または2型糖尿病を有する18歳以上の男女かつ
・ 試験眼に黄斑の中心窩(OCTで測定される黄斑の中心部領域)に及ぶDMEを有する
・ 試験眼の最高矯正視力文字数が73~24(Snellen換算で20/40~20/320)など
方  法:
対象患者をアイリーア2mg4週ごと投与群、アイリーア2mg8週ごと投与群(4週ごとに5回投与後、24週目以降は8週ごとに投与)、レーザー治療群の3群に割り付けた。
主な評価項目:
<主要評価項目>
52週目における最高矯正視力文字数のベースラインからの変化量
<副次的評価項目>
①52週目にベースラインから10文字以上の視力改善がみられた患者の割合、②52週目にベースラインから15文字以上の視力改善がみられた患者の割合、③52週目におけるETDRS糖尿病網膜症の重症度スコアが2段階以上低下した患者の割合、④52週目における中心網膜厚(CRT)のベースラインからの変化量、⑤52週目におけるNEI VFQ-25「近見視力による行動」サブスケールスコアのベースラインからの変化量、⑥52週目におけるNEI VFQ-25「遠見視力による行動」サブスケールスコアのベースラインからの変化量
<追加評価項目>
100および148週目における最高矯正視力文字数のベースラインからの変化量、100および148週目にベースラインから10または15文字以上の視力改善がみられた患者の割合、100および148週目におけるETDRS糖尿病網膜症の重症度スコアが2段階以上低下した患者の割合、100および148週目におけるCRTのベースラインからの変化量 など
解析計画:
<検証的な解析>
主要評価項目(FAS):アイリーア投与群のレーザー治療群に対する優越性の検証(両側有意水準2.5%)
副次的評価項目(FAS):同上。ただし、検定の多重性を考慮し、主要評価項目で優越性が示された場合に限り、事前に定めた順序(①から昇順)に従い検定を行う。
<探索的な解析>
追加評価項目(FAS)
部分集団解析:VIVID-DME試験における日本人集団の解析、患者背景(糖尿病罹病期間、HbA1c等)に基づく集団解析 など
※検定結果はすべて参考値として示す。
利益相反:
本研究はRegeneron PharmaceuticalsおよびBayer HealthCareの支援により行われた。支援には試験のデザイン作成、実施、データ解析、原稿作成などが含まれる。本論文の著者のうち7名(#1)または6名(#2)はRegeneron PharmaceuticalsあるいはBayer HealthCareの社員である。著者には、Regeneron Pharmaceuticals、Bayer HealthCare、あるいはSantenからコンサルタント料、研究資金などを受領している者が含まれる。

効能追加承認時評価資料
Brown DM, et al.: Ophthalmology. 2015; 122: 2044-2052#1
Heier JS, et al.: Ophthalmology. 2016; 123: 2376-2385#2

1)効能追加承認時評価資料 2)Heier JS, et al.: Ophthalmology. 2016; 123: 2376-2385

PP-EYL-JP-0283-04-04

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