アイリーア治療戦略

 

アイリーアの特性を活かしたDME治療アプローチ

糖尿病黄斑浮腫(DME)患者は加齢黄斑変性などの他の網膜疾患に比べ若年者が多いため、仕事が継続できるように長期の視力予後を考慮した積極的な治療を行うことが重要である。網膜(神経細胞)は失われると再生しないが、一時的に機能が低下している段階であれば、浮腫を改善することで視力は回復するため、早期の治療開始が望ましい。

DMEの治療目標

視力の回復・維持

短期:病態を安定させて浮腫を改善・再発予防

長期:糖尿病網膜症の改善・安定化、血糖コントロールの改善

患者とより具体的な治療目標を設定・共有することで、治療への動機づけを高める

(例)・運転する方…矯正視力0.8への回復・維持
・バスやトラックの運転手…立体視ができるように両眼視力の回復・維持
・パソコン操作を行う方…モニター上の文字が読める近見視力の回復・維持 など

資料提供:鈴間 潔 先生(京都大学大学院医学研究科眼科学)

当院におけるDMEに対する治療方針

第一選択は抗VEGF薬

VEGFを阻害して浮腫を改善し、視力の回復・維持を期待

治療導入期だけでなく、再燃(再発)時に追加治療を行う際も毎月連続3回投与が望ましい

病態によって抗VEGF薬にレーザー治療や硝子体手術を組み合わせる

糖尿病網膜症に対する影響1,2)や、レーザー治療時の炎症を考慮し、先に抗VEGF薬治療を行う

新生血管膜や黄斑上膜が視力に影響している場合には硝子体手術を行う

資料提供:鈴間 潔 先生(京都大学大学院医学研究科眼科学)

日本における糖尿病黄斑浮腫に対するアイリーアの承認されている用法・用量は、「アフリベルセプト(遺伝子組換え)として2mg(0.05mL)を1ヵ月ごとに1回、連続5回硝子体内投与する。その後は、通常、2ヵ月ごとに1回、硝子体内投与する。なお、症状により投与間隔を適宜調節するが、1ヵ月以上あけること。」です。

治療目標達成のためのアイリーアによるDME治療のポイント

アイリーアを選択する理由

第Ⅲ相国際共同試験VIVID-DMEにおいて、最初の5回は4週ごと、その後は8週ごとの投与によって優れた視力改善・維持効果が確認され、安全性も検討1)

初期からの積極的治療によって改善・維持された視力およびCRTはその後長期にわたって維持され1,3-5)、投与回数の減少も期待4,5)

長期的には患者の通院や治療費の負担、医療従事者のマンパワー軽減が期待できる。

アイリーアはVEGF-AだけでなくPlGFにも結合親和性を示し6)、持続性が期待できる7)ユニークな構造と作用機序を持つ抗VEGF薬

DMEの病態にはVEGFだけでなくPlGFの関与も示唆されており8)、作用の持続につながっている可能性がある。

アイリーアによる治療を行うにあたってのコツ

より優れた視力改善と安定を得るためには継続投与が必要

【VIVID-DME試験】

目 的:
中心窩に及ぶ糖尿病黄斑浮腫(DME)を有する患者を対象に、アイリーアの有効性について黄斑レーザー光凝固術に対する優越性を検証するとともに、安全性についても検討すること。
試験デザイン:
無作為化二重遮蔽比較対照試験(VIVID-DME試験:日本人を含む第Ⅲ相国際共同試験)
対 象:
DME患者406例(うち日本人77例)
方 法:
対象患者をアイリーア2mg4週ごと投与群、アイリーア2mg8週ごと投与群(4週ごとに5回投与後、24週目以降は8週ごとに投与)、レーザー治療群の3群に割り付けた。
評価項目:
主要評価項目:52週目における最高矯正視力(BCVA)文字数のベースラインからの変化量
副次的評価項目:①52週目にベースラインから10文字以上の視力改善がみられた患者の割合 ②52週目にベースラインから15文字以上の視力改善がみられた患者の割合 ③52週目におけるETDRS糖尿病網膜症の重症度スコアが2段階以上低下した患者の割合 ④52週目における中心網膜厚のベースラインからの変化量 ⑤52週目におけるNEI VFQ-25「近見視力による行動」サブスケールスコアのベースラインからの変化量 ⑥52週目におけるNEI VFQ-25「遠見視力による行動」サブスケールスコアのベースラインからの変化量
解析計画:
検証的な解析 / 主要評価項目(FAS):アイリーア投与群のレーザー治療群に対する優越性の検証(両側有意水準2.5%) 副次的評価項目(FAS):同上。ただし、検定の多重性を考慮し、主要評価項目で優越性が示された場合に限り、事前に定めた順序(①から昇順)に従い検定を行う。
安 全 性:
本試験を含むDMEを有する患者を対象として国内外で実施された第Ⅲ相試験〔3試験の併合解析(1年間)〕において、730例中276例(37.8%)に副作用が認められた。主な副作用は、結膜出血178例(24.4%)、眼痛51例(7.0%)、硝子体浮遊物33例(4.5%)であった。
本試験(52週間)において、試験薬に関連する試験眼の重篤な有害事象は認められなかった。試験薬に関連する全身性の重篤な有害事象はアイリーア4週ごと投与群1例(0.8%)[虚血性脳卒中]、アイリーア8週ごと投与群1例(0.8%)[高血圧性心疾患※4]、レーザー治療群1例(0.8%)[腸炎]に認められた。試験薬に関連する投与中止に至った有害事象はアイリーア8週ごと投与群で腎機能障害が1例、レーザー治療群で腸炎が1例に認められた。

※1 欠測値を他の値で補うことなく、実測値のみを用いて解析する方法

※2 照会事項に対する回答

※3 アイリーア4週ごと投与群のうち、52週目のBCVA文字数の変化量が10文字以上の患者

※4 高血圧性心疾患は死亡に至る有害事象であった

【主要評価項目の結果】アイリーア2mg4週ごと投与群で平均+10.5文字、8週ごと投与群で平均+10.7文字、レーザー治療群で平均+1.2文字で、アイリーア投与群のレーザー治療群に対する優越性が検証された。

私の考えるアイリーアの特性を活かしたDME治療アプローチ

初期治療(導入期)として毎月連続3回投与、その後病態に応じて固定(2ヵ月ごと)投与とPRN投与(ただし再投与時は毎月連続3回)を使い分ける

固定投与が望ましい患者

硬性白斑が中心窩に近い部位にある患者 硬性白斑が中心窩に達すると、視力は回復しなくなる。

血糖コントロールが急激に変化しやすい患者 アイリーアは血糖コントロールの影響を受けにくい9)

すでに片眼の視力を失っている患者、片眼の視力・視野が著しく障害されている患者

  より優れた視力改善と安定を得るためには継続投与が必要。

1)Heier JS, et al.: Ophthalmology. 2016; 123(11): 2376-2385
2)Bressler SB, et al.: JAMA Ophthalmol. 2017; 135(6): 558-568
3)効能追加承認時評価資料
4)Wykoff CC, et al.: Br J Ophthalmol. 2018; 102(5): 631-636
5)Wells JA, et al.: Ophthalmology. 2016;123(6): 1351-1359
6)Papadopoulos N, et al.: Angiogenesis. 2012; 15(2): 171-185
7)Stewart MW, et al.: Br J Ophthalmol. 2008; 92(5): 667-668
8)Ando R, et al.: Acta Ophthalmol. 2014; 92(3): e245-246
9)Singh RP, et al.: Ophthalmol Retina. 2017; 1(5): 382-388

L.JP.COM.OP.02.2018.1345

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