アイリーア治療戦略

 

眼圧下降を目的としたアイリーアによるNVG治療

NVGにおけるVEGF、PlGF濃度


  • NVGにおいて、房水中のVEGF、PlGF濃度が上昇していることが示されています
房水中VEGF-A濃度1) 房水中PlGF濃度2)

1)Kuzmin A, et al.: Ophthalmol Ther 2 013; 2: 41-51.
2)Ando R, et al.: Acta Ophthalmol 2 014; 92: e245-e246.
利益相反:著者にBayerより謝礼を受領したものが含まれる。

<臨床成績>国内第Ⅲ相臨床試験:VEGA試験1)VENERA試験2)

1)バイエル薬品社内資料[国内第Ⅲ相試験:VEGA試験]承認時評価資料
2)バイエル薬品社内資料[国内第Ⅲ相試験:VENERA試験]承認時評価資料

実施地域VEGA試験:日本、19施設 VENERA試験:日本、7施設

試験概要<国内第Ⅲ相試験:VEGA試験およびVENERA試験>

目的
NVG患者におけるアイリーアの有効性について眼圧の変化を用いて検討し、安全性および忍容性についても検討する
試験デザイン
<VEGA試験>無作為化二重遮蔽偽注射対照比較試験
<VENERA試験>非無作為化非遮蔽単群試験
試験対象
NVGを有する患者 VEGA試験:54例、VENERA試験:16例
[主な選択基準]虹彩新生血管(NVI)および隅角新生血管(NVA)が認められ、それに伴い試験眼の眼圧が25mmHgを超えている成人NVG患者
[主な除外基準(VEGA試験、VENERA試験共通)]
  • NVG以外の原因による閉塞隅角を有する
  • 試験眼に、初回投与日の前60日以内にVEGF阻害剤の治療歴を有する
  • 試験眼またはその周囲に、初回投与日の前60日以内に副腎皮質ステロイド剤〔溶液(非懸濁液)または懸濁液〕の治療歴を有する(副腎皮質ステロイド点眼薬は可)
  • 試験眼に、PRPを除く有効性評価に影響を与える眼内手術歴を有する など
相違点
[VEGA試験の除外基準]
  • 初回投与日の投与前に行う眼圧評価の前24時間以内に、全身性の眼圧下降薬の治療歴を有する
  • 試験眼に、初回投与日の前30日以内にPRPを除く有効性評価に影響を与える眼内手術以外の眼内手術の治療歴を有する
  • 試験眼に、初回投与日の後15日以内PRPを除くすべての眼内手術が予定されている
[VENERA試験の除外基準]
  • 初回投与日の前3日以内に、全身性の眼圧下降薬の治療歴を有する
  • 試験眼に、初回投与日の前30日以内にPRPを含む有効性評価に影響を与える眼内手術以外の眼内手術の治療歴を有する
  • 試験眼に、初回投与日の後8日以内PRPを含むすべての眼内手術が予定されている
  • NVGが原因の完全閉塞隅角を有する
投与方法
<VEGA試験>
対象患者を、アイリーア群および偽注射群の2群に無作為に割り付けた。初回投与日(1日目)にアイリーア群ではアイリーア2mgを単回硝子体内投与し、偽注射群では偽注射を行った。その後、2週目および13週目を除く各来院時に再投与基準を満たした場合のみ、1週目にはアイリーア群に偽注射、偽注射群にアイリーア2mg投与を行い、5週目および9週目にはいずれの投与群でもアイリーア2mg投与を行った
[VEGA試験における再投与基準]
以下の基準のすべてを満たす:
  • 眼圧が21mmHg超
  • NVIの退縮が不十分(NVIグレードが0以外)
  • アイリーアの硝子体内投与が必要であると治験担当医師が判断した場合
投与スケジュール

※1 眼圧下降点眼薬(少なくとも3剤)による多剤併用療法。眼圧下降点眼薬は、1週目まで変更することなく継続した
※2 PRPを含むすべての眼内手術の実施、眼圧下降点眼薬、および全身性眼圧下降薬(初回および1週目の投与前における眼圧評価の前24時間以内を除く)を併用可能とした

<VENERA試験>
初回投与日(1日目)にアイリーア2mgを単回硝子体内投与し、1週目および2週目に、検査を行った。患者は5週目に来院し、試験終了時の検査を行った。
投与スケジュール

※1 眼圧下降点眼薬(少なくとも3剤)による多剤併用療法。眼圧下降点眼薬は、1週目まで変更することなく継続した
※2 1週目の眼圧評価後に、全身性眼圧下降薬、眼圧下降点眼薬およびPRPを含むすべての眼内手術を併用可能とした

主な有効性
評価項目
主要評価項目:1週目における眼圧のベースラインからの変化量
副次評価項目:1週目におけるNVIグレードがベースラインと比較して改善した患者の割合
探索的評価項目:各来院時点における眼圧のベースラインからの変化量、各来院時点において眼圧をコントロール(≦21mmHg)できた患者の割合、各来院時点においてNVIおよびNVAグレードがベースラインと比較して改善した患者の割合、各来院時点におけるNVIおよびNVAグレードの割合 など
解析計画
検証的な解析
VEGA試験:
 主要評価項目(FAS):アイリーア群の偽注射群に対する優越性の検証
VENERA試験:
 主要評価項目(PPS):アイリーア群の有効性の検証(両側95%信頼区間の上限が閾値[0mmHg]を下回る)
探索的な解析
 主要評価項目の補足的解析(VEGA試験:PPS)
 副次評価項目(VEGA試験:FAS、VENERA試験:PPS)
 探索的評価項目(VEGA試験:FAS、VENERA試験:PPS) など
事後部分集団解析 VEGA試験における全身性眼圧下降薬使用の有無別の解析 など

偽注射:硝子体内注射と同じ処置を行うが、注射の代わりに針のない注射シリンジを局所麻酔下で眼球に押し付ける方法

  • NVG(neovascular glaucoma):血管新生緑内障
  • PRP(panretinal photocoagulation):汎網膜光凝固
  • NVI(neovascularization of the iris):虹彩新生血管
  • FAS(full analysis set):最大の解析対象集団
  • NVA(neovascularization of the angle):隅角新生血管
  • PPS(per protocol set):治験実施計画書に適合した解析対象集団
  • VEGF(vascular endothelial growth factor):血管内皮増殖因子

眼圧の変化および推移:VEGA試験、VENERA試験

眼圧の変化:VEGA試験

  • VEGA試験での主要評価項目において、アイリーアの偽注射に対する優越性は検証されませんでした
  • なお、PPSを対象とした補足的解析ではアイリーアの有効性が示唆されました
【主要評価項目】
<事後部分集団解析>

  • 全身性眼圧下降薬の使用によって、1週目の偽注射群においても眼圧下降(-8.0mmHg)が生じたことが、アイリーア群の偽注射群に対する統計学的優越性が示されなかった原因である可能性が考えられました
  • なお、本事後解析の結果を踏まえて、追加試験であるVENERA試験が設計されました

* ベースラインから1週目の投与前に行う眼圧評価の24時間前までの期間における全身性眼圧下降薬の使用

1週目の眼圧変化量における全身性眼圧下降薬使用の有無別の部分集団解析(LOCF、FAS)

バイエル薬品社内資料[国内第Ⅲ相試験:VEGA試験]承認時評価資料

眼圧の変化:VENERA試験

  • VENERA試験では、1週目における眼圧のベースラインからの変化において、
    アイリーアの有効性が検証されました
1週目における眼圧のベースラインからの変化量(LOCF、PPS)
眼圧の推移:VEGA試験、VENERA試験

  • VEGA試験では、最終評価時(13週目)における眼圧のベースラインからの変化量の平均値は、
    アイリーア群で-13.4mmHg、偽注射群で-18.6mmHgでした
  • VENERA試験では、最終評価時(5週目)における眼圧のベースラインからの変化量の平均値は、-15.5mmHgでした
<VEGA試験> <VENERA試験>

バイエル薬品社内資料[国内第Ⅲ相試験:VEGA試験]承認時評価資料
バイエル薬品社内資料[国内第Ⅲ相試験:VENERA試験]承認時評価資料

虹彩・隅角新生血管の評価

虹彩新生血管(NVI)グレードの改善:VEGA試験、VENERA試験

  • VEGA試験では、1週目に眼圧上昇の原因となるNVIが改善した患者の割合は、
    アイリーア群で70.4%、偽注射群で11.5%でした
  • VENERA試験では、1週目に眼圧上昇の原因となるNVIが改善した患者の割合は、81.3%でした

* 改善の定義:ベースラインと比較して少なくとも1段階の改善

NVIグレードが改善した患者の割合(LOCF‡、FAS)
NVIグレードが改善した患者の割合(LOCF‡、PPS)
隅角新生血管(NVA)グレードの改善:VEGA試験、VENERA試験

  • VEGA試験では、1週目に眼圧上昇の原因となるNVAが改善した患者の割合は、
    アイリーア群で59.3%、偽注射群で11.5%でした
  • VENERA試験では、1週目に眼圧上昇の原因となるNVAが改善した患者の割合は、50.0%でした

* 改善の定義:ベースラインと比較して少なくとも1段階の改善

NVAグレードが改善した患者の割合(LOCF‡、FAS)
NVAグレードが改善した患者の割合(LOCF‡、PPS)

<薬効薬理>NVGの病態におけるアイリーアの作用機序

監修:国立大学法人金沢大学医薬保健研究域医学系 眼科学 教授 杉山 和久 先生
国立大学法人金沢大学附属病院 眼科 病院臨床教授 東出 朋巳 先生

アイリーアは、NVGにおいて
眼圧を下げることを目的として適応を取得した薬剤です

アイリーアは、NVGにおいて眼圧を下げることを目的として適応を取得した薬剤です

*1 血管内皮増殖因子(vascular endothelial growth factor)
*2 胎盤成長因子(placental growth factor)
*3 血管内皮増殖因子受容体1(vascular endothelial growth factor receptor 1)
*4 血管内皮増殖因子受容体2(vascular endothelial growth factor receptor 2)

【血管新生緑内障(NVG)に対するアイリーアの効能又は効果、用法及び用量】

4. 効能又は効果
血管新生緑内障

5. 効能又は効果に関連する注意 <効能共通>
5.1 本剤による治療を開始するに際し、疾患・病態による視力、視野等の予後を考慮し、本剤投与の要否を判断すること。
<血管新生緑内障>
5.3 前緑内障期の患者における有効性及び安全性は確立していない。
6. 用法及び用量
アフリベルセプト(遺伝子組換え)として1回、2mg(0.05mL)を硝子体内投与する。
なお、必要な場合は再投与できるが、1ヵ月以上の間隔をあけること。

7.用法及び用量に関連する注意 <効能共通>
7.1 両眼に治療対象となる病変がある場合は、両眼同時治療の有益性と危険性を慎重に評価した上で本剤を投与すること。
なお、初回治療における両眼同日投与は避け、片眼での安全性を十分に評価した上で対側眼の治療を行うこと。
<血管新生緑内障>
7.6 本剤による治療は前眼部新生血管による眼圧上昇に対する対症療法であることに留意すること。また、長期的な眼圧管理にあたっては標準的な治療法との併用を考慮すること。
7.7 本剤投与後は定期的に眼圧等を評価し、疾患の活動性を示唆する所見(前眼部新生血管による眼圧上昇等)が認められた場合は、本剤の再投与を検討すること。
【VEGA、VENERA試験の概要】

試験の目的NVG患者におけるアイリーアの有効性について眼圧の変化を用いて検討し、安全性および忍容性についても検討する

対 象 患 者虹彩新生血管および隅角新生血管が認められ、それに伴い試験眼の眼圧が25mmHgを超えているNVG患者

  • VEGA試験、VENERA試験は、眼圧の変化を主要評価として、
    前眼部新生血管に伴う眼圧上昇が認められるNVG患者を対象とした試験です。
  • したがって、試験の対象とは異なる、眼圧上昇が認められない
    前緑内障期の患者に対するアイリーアの有効性および安全性は確立していません。
  • そのため、前緑内障期の患者に対するアイリーアの投与は推奨されません。

<安全性:VEGA試験、VENERA試験>

VEGA試験(13週間)において、副作用はアイリーアを投与された50例(アイリーア群27例、偽注射群23例)中12例(24.0%)に認められ、VENERA試験(5週間)において、副作用は16例中3例(18.8%)に認められました

VEGA試験(13週間)における副作用および有害事象

副作用発現率
アイリーア群:27例中7例(25.9%)
偽注射群:27例中5例(18.5%)

副作用の内訳
アイリーア群:結膜出血2例(7.4%)、注射部位疼痛2例(7.4%)、点状角膜炎、視力障害、角膜擦過傷が各1例(3.7%)
偽注射群:心筋虚血、結膜出血、前房出血、網膜出血、注射部位疼痛、眼圧上昇、頭痛が各1例(3.7%)

試験薬に関連する重篤な有害事象
偽注射群:心筋虚血1例

試験薬に関連する投与中止に至った有害事象および試験薬に関連する死亡
認められなかった

† 1週目以降、再投与基準に従ってアイリーア2mg投与を実施

VENERA試験(5週間)における副作用および有害事象

副作用発現率
16例中3例(18.8%)

副作用の内訳
眼痛2例(12.5%)、眼そう痒症および頭痛が各1例(6.3%)

試験薬に関連する重篤な有害事象、試験薬に関連する投与中止に至った有害事象および試験薬に関連する死亡
認められなかった

※ 投与手技に起因する有害事象を含む。

バイエル薬品社内資料[国内第Ⅲ相試験:VEGA試験/VENERA試験]承認時評価資料

アイリーアは、投与後1週目に眼圧下降効果が期待できる、
難治性の続発緑内障である血管新生緑内障(NVG)に適応を持つ
唯一のVEGFファミリー阻害薬です
  • 1.
    アイリーアはVEGF・PlGFなどのVEGFファミリーを阻害し1)
    新生血管を退縮させることで、
    NVG患者の眼圧を下げることを目的として適応を取得した薬剤です2、3)
  • 2.
    VEGA試験において投与1週後に眼圧は平均-8.5mmHg変化し、
    追加試験であるVENERA試験においても投与1週後に眼圧が平均8.3mmHg下降しました2、3)
  • 3.
    重大な副作用として、眼障害(眼内炎、眼圧上昇、硝子体はく離、外傷性白内障、網膜出血、網膜色素上皮裂孔、硝子体出血、網膜はく離、網膜裂孔、網膜色素上皮はく離)、脳卒中、主な副作用として結膜出血、眼痛などがあらわれることがあります4)
    *添付文書の「11.副作用」および「17.臨床成績」の安全性の結果をご参照ください

1)Papadopoulos N. et al.: Angiogenesis 2012; 15: 171-185
利益相反:本論文の著者全員がRegeneron Pharmaceuticals社の社員である。
2)バイエル薬品社内資料[国内第Ⅲ相試験:VEGA試験]承認時評価資料
3)バイエル薬品社内資料[国内第Ⅲ相試験:VENERA試験]承認時評価資料
4)添付文書:2020年3月改訂(第1版、効能変更)[アイリーア硝子体内注射液40mg/mL]
2020年3月作成(第1版)[アイリーア硝子体内注射用キット40mg/mL]

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