アイリーア治療戦略

 

BRVO:抗VEGF薬で目指す治療の目標と最適な治療戦略

BRVOでは、早期から抗VEGF薬により浮腫をコントロールすることが網膜機能の保持、すなわち視力を維持する上で重要です。

また治療法としては、中心窩の形態が正常化するまで毎月治療を行い、その後、再発を繰り返す症例には継続的な治療を行うことが望ましいと考えます。

抗VEGF薬による適切な治療を行うことで、網膜深層で無灌流領域が縮小し網膜血流が改善する可能性も示唆されています10)

FAによる虚血の評価、光凝固の追加を検討

BRVO治療において良好な視力予後を得るためには、
網膜外層の障害を防ぐことが重要です。

網膜静脈分枝閉塞症(BRVO)では浮腫の大小にかかわらず、エリプソイドゾーンや外境界膜(ELM)が確認できない症例では浮腫が消失しても良好な視力は期待できないことが示されています3)

網膜下出血が遷延すると網膜外層が障害され、視力予後は不良になるものの4)、抗VEGF薬の投与によって網膜下出血を早期から消失させることができます5)

OCT所見で、網膜の層構造が保たれていない領域は無灌流領域であることが多いとされています6)

BRVO診断後早期からのアイリーア投与により、視力改善とその維持が期待できます。

以前は3ヵ月程度の経過観察を置くケースが散見されていました。

VIBRANT試験では、診断後早期からアイリーアを毎月連続6回投与し、その後8週ごとの投与を継続することにより視力の改善とその維持が報告されています。

早期治療の重要性が報告される一方で、実臨床に適した投与法として、初期の投与回数や維持期については今後の検討が必要です。

※ 24週目以降、レーザー治療群の67例がアイリーア2mg投与によるレスキュー治療を、アイリーア投与群の9例がレーザー治療によるレスキュー治療を受けた調整済平均変化量のレーザー治療群との群間差(95%信頼区間)a)は24週時10.5(7.1,14.0)、52週時5.2(1.7,8.7)。
a)治療群、地域およびベースライン最高矯正視力を固定効果、最高矯正視力文字数のベースライン値を共変量としたANCOVAモデル

【主要評価項目の結果】24週目に最高矯正視力文字数でベースラインから15文字以上の視力改善がみられた患者の割合は、アイリーア投与群52.7%、レーザー治療群26.7%であり、アイリーア投与群のレーザー治療群に対する優越性(調整済み群間差(95%信頼区間):26.6%(13.0,40.1)、P値:0.0003)*が検証された。
*地域およびベースライン最高矯正視力を層としCMH型の重みを用いて調整した両側CMH検定

目 的:
BRVOに伴う黄斑浮腫を有する患者を対象に、アイリーアの有効性について黄斑レーザー光凝固術に対する優越性を検証するとともに、安全性についても検討すること。
試験デザイン:
無作為化二重遮蔽比較対照試験(VIBRANT試験:日本人を含む第III相国際共同試験)
対 象:
BRVOに伴う黄斑浮腫を有する患者183例(うち日本人21例)
方 法:
対象患者をアイリーア投与群、レーザー治療群の2群に無作為に割り付けた。アイリーア投与群は20週目までは4週ごと、24週目の投与以降は8週ごとに48週目まで投与した。また、レスキュー治療基準に従い、36週目にレーザー治療を行った。レーザー治療群は初回治療日に黄斑レーザー光凝固術による治療を実施した。また、レスキュー治療基準に従い、12、16、20週目のいずれかにレーザー治療を行い、24週目以降はレスキュー治療基準に該当した時点よりアイリーア投与を開始した。
評価項目:
主要評価項目:24週目に最高矯正視力文字数でベースラインから15文字以上の視力改善がみられた患者の割合 二次評価項目:①24週目における最高矯正視力文字数のベースラインからの変化量 ②24週目における中心網膜厚(CRT)のベースラインからの変化量 ③24週目におけるNEI VFQ-25合計スコアのベースラインからの変化量 追加評価項目:52週目における最高矯正視力文字数のベースラインからの変化量 など
解析計画:
検証的な解析/主要評価項目(FAS):アイリーア投与群のレーザー治療群に対する優越性の検証 二次評価項目(FAS):同左。ただし主要評価項目で優越性が示された場合に限り、多重性を考慮して①②③の順序で階層的な検定手順を用いて行った。
探索的な解析/追加評価項目(FAS)

抗VEGF薬治療の早期介入は、浮腫遷延化の原因となる
MAの発生抑制という観点からも重要です。

抗VEGF薬治療開始後でも、多くのBRVO患者では浮腫の遷延化がみられるが9)、その原因の1つに毛細血管瘤(MA)の存在が示されています8)

一方、診断後早期からの抗VEGF薬投与により、MAの発生を抑制できる可能性が報告されています8)

そのため、早期から適切な抗VEGF薬治療を開始することで、浮腫の遷延化を抑制できる可能性があります。

【主な評価項目の結果】本試験の評価項目である視力の予後予測因子として、ベースラインのlogMAR視力、難治性黄斑浮腫が、難治性黄斑浮腫のリスク因子として、毛細血管瘤(MA)、年齢が同定された。

試験デザイン:
単施設レトロスペクティブ症例対照観察研究
対 象:
BRVOに伴う黄斑浮腫を有する患者66眼
方 法:
2005年から2014年までに当施設を受診し、1年以上経過観察が可能であった患者の独立した視力予後予測因子および難治性黄斑浮腫のリスク因子をレトロスペクティブに検討した。治療方法の内訳は、トリアムシノロンアセトニドのテノン囊下注射(STTA)投与20眼、抗VEGF薬投与22眼、STTAから抗VEGF薬への切り替え16眼、硝子体切除術4眼、未治療4眼であった
評価項目:
視力の独立した予後予測因子および難治性黄斑浮腫のリスク因子、難治性黄斑浮腫の発症機序および同定したリスク因子に対する治療アプローチ法

VIBRANT試験の第Ⅲ相臨床試験の安全性

網膜静脈分枝閉塞症に伴う黄斑浮腫を有する患者を対象として国内外で実施された第Ⅲ相試験(52週間)において、本剤2mgを投与された158例(本剤群91例、対照群67例)中43例(27.2%)に副作用※1が認められました。主な副作用※1は、結膜出血26例(16.5%)でした。うち本剤を投与された日本人症例18例(本剤群11例、対照群7例)中3例(16.7%)に副作用[眼圧上昇、眼痛、尿中血陽性、尿中ブドウ糖陽性、蛋白尿:各1例(5.6%)]が認められました。
本試験(52週間)において、試験薬に関連する試験眼の重篤な有害事象および試験薬に関連する全身性の重篤な有害事象は認められませんでした。試験薬に関連する投与中止に至った有害事象は、アイリーア群1例(眼圧上昇)に認められました。

※1 投与手技に起因する有害事象を含む

1) Spaide RF, et al.:Retina. 2011;31(8):1609-1619
2) 大谷倫裕:身につくOCTの撮り方と所見の読み方. 金原出版 2013;第一版:19-25
3) 辻川 明孝:眼科グラフィック 2014;3(1):6-11
4) Muraoka Y, et al.:PLoS One. 2015;10(12):e0144894
5) Campochiaro PA, et al.:Ophthalmology. 2010;117(6):1102-1112
6) Muraoka Y, et al.:Sci Rep. 2016;6:28554
7) バイエル薬品社内資料:効能追加承認時評価資料
8) Tomiyasu T, et al.:Sci Rep. 2016:6:29445
9) Campochiaro PA, et al.:Ophthalmology. 2014;121(1):209-219
10) Suzuki N, et al.:Invest Ophthalmol Vis Sci. 2016;57(13):5681-5687

L.JP.COM.OP.02.2018.1243

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