アイリーア治療戦略

 

RVOの治療ってどうやるの?いつまでやるの?

私の考えるBRVO治療方針

BRVO発症早期からVEGF阻害薬を第一選択として治療介入することにより、VEGFによる血管透過性亢進を抑制することで黄斑浮腫を改善し、不可逆的な視細胞傷害を引き起こさない治療を目指します。

BRVOの病態には、VEGFのみならず、炎症関連分子が関与していることが示唆されています1)

アイリーアはVEGFおよびPlGFなどのVEGFファミリー阻害作用2)、VEGFとの強力な結合親和性2)、効果持続性3)を有することから、BRVOに伴う黄斑浮腫の改善、血管透過性亢進および炎症の抑制が期待できます。

アイリーアの構造と作用機序

アイリーアは、VEGFおよびPlGFのVEGF受容体への結合を阻害することにより、
BRVOに伴う黄斑浮腫の背景にあるうっ血による血管透過性亢進および
炎症の抑制が期待できます。

アフリベルセプトの構造

アフリベルセプトの構造

監修:北海道大学 大学院医学研究院 眼科学教室 教授 石田 晋 先生

アフリベルセプトの作用機序

アフリベルセプトの作用機序

VEGF(vascular endothelial growth factor):血管内皮増殖因子、PlGF(placental growth factor):胎盤成長因子、VEGFR-1(vascular endothelial growth factor receptor-1):VEGF受容体-1、VEGFR-2(vascular endothelial growth factor receptor-2):VEGF受容体-2、RPE(retinal pigment epithelium):網膜色素上皮

6)Dixon JA, et al.: Expert Opin Investig Drugs. 2009; 18: 1573-1580.
7)Clauss M, et al.: J Biol Chem. 1996; 271: 17629-17634.
8)Rakic JM, et al.: Invest Ophthalmol Vis Sci. 2003; 44: 3186-3193.
9)Boyd SR, et al.: Arch Ophthalmol. 2002; 120: 1644-1650.
10)Otani A, et al.: Microvasc Res. 2002; 64: 162-169.
11)Miyamoto N, et al.: Ophthalmic Res. 2008; 40: 203-207.
12)Noma H, et al.: Invest Ophthalmol Vis Sci. 2014; 55: 3878-3885.
13)Noma H, et al.: Invest Ophthalmol Vis Sci. 2015; 56: 1122-1128.
14)Zhang F, et al.: Proc Natl Acad Sci USA. 2009; 106: 6152-6157.

BRVOに伴う黄斑浮腫を有する患者の視力改善と
その維持のためには、VEGF阻害薬による早期介入が重要です。

図2VIBRANT試験(日本人を含む第Ⅲ相国際共同試験)15)

図2
【主要評価項目の結果】
24週目に最高矯正視力文字数でベースラインから15文字以上の視力改善がみられた患者の割合は、アイリーア投与群52.7%、レーザー治療群26.7%であり、アイリーア投与群のレーザー治療群に対する優越性が検証されました。
【安 全 性】
BRVOに伴う黄斑浮腫を有する患者を対象として国内外で実施された第Ⅲ相試験(52週間)において、アイリーア2mgを投与された158例(アイリーア投与群91例、レーザー治療群67例)中43例(27.2%)に副作用※が認められました。主な副作用※は、結膜出血26例(16.5%)でした。うちアイリーアを投与された日本人症例18例(アイリーア投与群11例、レーザー治療群7例)中3例(16.7%)に副作用[眼圧上昇、眼痛、尿中血陽性、尿中ブドウ糖陽性、蛋白尿:各1例(5.6%)]が認められました。本試験(52週間)において、試験薬に関連する試験眼の重篤な有害事象および試験薬に関連する全身性の重篤な有害事象は認められませんでした。試験薬に関連する投与中止に至った有害事象はアイリーア投与群の1例(眼圧上昇)に認められました。
※ 投与手技に起因する有害事象を含む
目  的:
BRVOに伴う黄斑浮腫を有する患者を対象に、アイリーアの有効性について黄斑レーザー光凝固に対する優越性を検証するとともに、安全性についても検討すること。
試験デザイン:
無作為化二重遮蔽比較対照試験
対  象:
BRVOに伴う黄斑浮腫を有する患者183例(うち日本人21例)
方  法:
対象患者をアイリーア投与群、レーザー治療群の2群に無作為に割り付けた。アイリーア投与群は20週目までは4週ごと、24週目の投与以降は8週ごとに48週目まで投与した。また、レスキュー治療基準に従い、36週目にレーザー治療を行った。レーザー治療群は初回治療日に黄斑レーザー光凝固による治療を実施した。また、レスキュー治療基準に従い、12、16、20週目のいずれかにレーザー治療を行い、24週目以降はレスキュー治療基準に該当した時点よりアイリーア投与を開始した。
評価項目:
主要評価項目:24週目に最高矯正視力文字数でベースラインから15文字以上の視力改善がみられた患者の割合、二次的評価項目:①24週目における最高矯正視力文字数のベースラインからの変化量 ②24週目における中心網膜厚(CRT)のベースラインからの変化量 ③24週目におけるNEI VFQ-25合計スコアのベースラインからの変化量、追加評価項目:52週目における最高矯正視力文字数のベースラインからの変化量、52週目におけるCRTのベースラインからの変化量 など
解析計画:
検証的な解析/主要評価項目(FAS):アイリーア投与群のレーザー治療群に対する優越性の検証、二次的評価項目(FAS):同左。ただし主要評価項目で優越性が示された場合に限り、多重性を考慮して①②③の順序で階層的な検定手順を用いて行った。
探索的な解析/追加評価項目(FAS)

BRVOの治療目標は黄斑浮腫を抑制して視力を改善させることであり、眼内VEGF濃度をいかに抑制するかが重要です。

診断後早期からアイリーア毎月連続6回投与により改善した視力は、その後8週ごと投与での継続においても維持され、レーザー治療群との間に有意差が認められました(図2A)15)

アイリーア毎月連続6回投与により改善した中心網膜厚(CRT)は、その後8週ごと投与での継続においても維持され、レーザー治療群との間に有意差が認められました(図2B)15)

BRVOに対し、VEGF阻害薬にレーザー光凝固を追加しても視力改善において上乗せ効果は得られなかったことが報告されています16)

15)効能追加承認時評価資料  16)Tadayoni R, et al.: Ophthalmology. 2017; 124: 1778-1787.

Q&A

黄斑近傍の浮腫はあるものの、視力はまだ保たれているBRVO症例にも早めにVEGF阻害薬を投与されていますか?

浮腫が存在して、自覚症状があれば、視力に左右される必要なく早急に投与してもよいと思います。もちろん、一部は寛解する症例もありますが、これらについては寛解までの期間を短縮したと考えればよいと思います。

VEGF阻害薬を第一選択として治療されている中で、レーザー光凝固を使用されることはありますか?その場合、どのような患者さんにレーザー光凝固を行われていますか?

大規模臨床試験16)で、VEGF阻害薬に格子状光凝固を併用しても追加効果は認められず、VEGF阻害薬の投与回数も減らすことができないことが示されましたので、あまり使用することはありません。ただし、虚血が非常に顕著な症例には、レーザー光凝固を否定するものではないと思っています。

ステロイドや硝子体手術を検討するBRVO患者さんはいらっしゃいますか? そのような患者さんで視力改善は期待できるのでしょうか?

VEGF阻害薬の有効性が低くなってきた場合には検討してよいかと思います。私たちの施設の研究では、BRVOの治療が長期にわたる症例では、炎症性サイトカインが上昇しているという報告17)をしています。これを考えると、長期にわたってRVOに伴う浮腫が遷延する症例には、ステロイドや硝子体手術が有効になるのかもしれません。ただ、そのエビデンスについては、もう少し議論の時間が必要です。

RVO症例でOCT-Aをどのように活用されていますか?

浮腫が改善していながら視力回復が悪い症例に対し、深層の血管網が途切れていないかなどの確認に使用しています。

無硝子体眼に対しても積極的にVEGF阻害薬投与をされていますか?

無硝子体眼の理由がBRVOへの硝子体手術既往であってもVEGF阻害薬を投与します。他疾患(RVO以外)への硝子体手術既往については症例が少ない印象です。

17)Noma H, et al.:Ophthalmologica. 2016; 236: 228-234.

PP-EYL-JP-0138-20-12

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