アイリーア治療戦略

 

AMD:抗VEGF薬で目指す治療の目標と最適な治療戦略

滲出型AMDの最適な治療目標は、治療初期の視力改善(GET VISION)、改善した視力の長期維持(KEEP VISION)、そして治療負担の軽減(REDUCE NUMBER)の3つで、これらを順に目指すことが重要だと考えています。

そのため私の施設では、維持期には4週単位で投与間隔を調節し、最大延長間隔を16週とするT&E投与を採用しています。

【Dry / Wetの判断基準】
Dry:OCTで網膜内・網膜下に滲出性変化がない、網膜色素上皮剥離(PED)の丈が減る
Wet:OCTで網膜内・網膜下に滲出性変化がある、新たな網膜出血、PEDの拡大

視力を維持するためには、
抗VEGF薬を規定の投与スケジュールで
プロアクティブに投与する必要があります。

滲出型加齢黄斑変性(wAMD)は慢性疾患であり、長期にわたる治療継続が必須です。

CATT試験の5年後までの追跡データをみると、視力改善は積極的な治療(毎月投与/厳格なPRN投与)を行った初期の2年間で得られました 1)

視力改善は、実臨床下でPRN投与を行った3年目以降は維持することができませんでした 1)

投与方法の比較を意図したもので特定の薬剤の有効性について説明することが目的ではありません

文献1)より改変
Adapted from Ophthalmology, 123, Comparison of Age-related Macular Degeneration Treatments Trials (CATT) Research Group, et al., Five-Year Outcomes with Anti-Vascular Endothelial Growth
Factor Treatment of Neovascular Age-Related Macular Degeneration, 1751-1761., Copyright (2016), with permission from Elsevier.

目 的:
滲出型AMD患者に抗VEGF薬を投与し、5年間の治療成績を検証する。
対 象:
抗VEGF薬の有効性および安全性を比較検討したCATT試験に参加し、完了した滲出型AMD患者647例
試験デザイン:
コホート試験
方 法:
CATT試験で無作為割付された各群のプロトコール(毎月投与、PRNへ切り替え、PRN)を3年目以降は解放し、その後の治療方針などは医師の判断に委ねた。5年後に追跡調査を行い、視力および形態学的変化を解析した。
主要評価項目:
視力および網膜の形態学的変化
解析計画:
視力変化の検討は、CATT試験中の薬剤、投与レジメン(毎月投与、PRNへ切り替え、PRN)による層別解析を行った。

滲出型AMDではアイリーアを用いた
プロアクティブ治療を行うことで、治療初期に得られた
視力改善を長期に維持することが期待できます。

患者の視力を長期に維持するためには、疾患が再発する前に再投与を行う「プロアクティブ 」な治療の継続が望ましいと考えられます。

VIEW試験の2年目には視力が徐々に低下していますが、これは2年目以降の再発後に再投与を行う「リアクティブ」な治療への変更例が含まれていたことが影響したと考えられます。

【主要評価項目の結果】52週目に視力が維持(BCVA文字数の低下が15文字未満)された患者の割合(併合解析)は、ラニビズマブ0.5mg4週ごと投与群では 94.4%、アイリーア2mg4週ごと投与群では95.4%、アイリーア0.5mg4週ごと投与群では96.1%、アイリーア2mg8週ごと投与群では95.3%であった。

目 的:
中心窩下CNVを伴う滲出型AMD患者を対象として、アイリーアの有効性についてラニビズマブ0.5mg4週ごと投与に対する非劣性を検証するとともに、安全性についても検討する
試験デザイン:
無作為化二重遮蔽実薬対照比較試験(VIEW1試験:海外第III相試験、VIEW2試験:日本人を含む第III相国際共同試験)
対 象:
中心窩下CNVを伴う滲出型AMD患者2,457例(VIEW1試験:1,217例、VIEW2試験:1,240例(うち日本人:101例))
方 法:
対象患者を、アイリーア2mg4週ごと投与(2Q4)群、0.5mg4週ごと投与(0.5Q4)群、2mg8週ごと投与(2Q8)群、およびラニビズマブ0.5mg4週ごと投与群の4群に無作為に割り付け、硝子体内投与を行った。治療開始時は全群4週ごと投与を3回連続行い、その後は各群の投与スケジュールに従い52週目まで投与した。
評価項目:
主要評価項目:52週目に視力が維持された患者の割合 ※5  副次評価項目:以下の項目の52週目におけるべースラインからの変化量①最高矯正視力文字数、②視力が改善(最高矯正視力文字数が15文字以上増加)した患者の割合、③NEI-VFQ-25合計スコア、④CNV病変面積) 探索的評価項目:96週目(2年目)終了時の全ての評価
解析計画:
検証的な解析/主要評価項目(PPS):アイリーア投与群のラニビズマブ投与群に対する非劣性の検証(限界値 ※6 10%)。2Q4群、0.5Q4群、2Q8群の順に検定し、それ以前の比較で非劣性が示された場合にのみ次の比較を行うこととした。副次評価項目(FAS):アイリーア投与群のラニビズマブ投与群に対する優越性の検証。ただし主要評価項目で、すべてのアイリーア投与群について非劣性が示された場合に限り、多重性を考慮して2Q4群の①②③、0.5Q4群の①②③、2Q8群の①②③、各群の④の順に検定。
探索的な解析/探索的評価項目(FAS)

※2 欠測値を欠測前の最後の測定値を用いて補完する方法

※3 最大の解析対象集団

※4 12週ごとに1回投与を基本とするが、モニタリングで再投与基準に合致した場合には、4週または8週での投与も可。

※5 VIEW2試験において、92週目に再投与が行われた患者では、100週目の結果を最終評価として用いた(CNV病変面積、NEI VFQ-25合計スコア、CRT)

※6 VIEW1試験:95.1%信頼区間、VIEW2試験:95%信頼区間

2)バイエル薬品社内資料:承認時評価資料
3)Barthelmes D, et al.:Retina. 2017;38(1):20-28

海外の実臨床ではプロアクティブ治療が普及しており、
アイリーアをT&E投与することで
視力改善は長期に維持されました。

滲出型AMDでは各患者の最適な治療間隔が異なるため、投与間隔を患者ごとに調節するT&E投与が選択肢の1つとして推奨されています。

T&E投与は固定投与と比べて、治療負担(来院回数・投与回数など)の軽減につながる個別化治療を可能とします。

目 的:
実臨床でAMD患者にアイリーアをT&E投与したときの24ヵ月後の転帰を検討する。
試験デザイン:
データベースを用いた観察研究
対 象:
未治療の滲出型AMD患者195例212眼
方 法:
Fight Retinal Blindness outcome registryにおいて2012年11月1日から2014年1月31日の期間にアイリーアのT&E投与を開始し、アイリーア単独で24ヵ月間治療を継続した患者を同定した。
評価項目:
主要評価項目は24ヵ月後の視力の変化、副次評価項目は試験期間中の注射回数、受診回数とした。
解析計画:
データベースから視力データを抽出し、視力の推移をLOWESS平滑化法
(Locally weighted scatterplot smoothing curves)により検討した。
安全性:
24ヵ月間にアイリーアは非完了例、切替例を含めて2,415回注射され、10件の有害事象が発現した。出血した2眼では視力が低下し、3眼では網膜色素上皮裂孔が発生した。
利益相反:
記載なし

VIEW試験の第Ⅲ相臨床試験の安全性

併合解析(2年間)において、アイリーア投与群に割り付けられた1,824例(8週ごと2mg投与:610例、4週ごと2mg投与:613例、4週ごと0.5mg投与:601例)中896例(49.1%)、ラニビズマブ投与群(4週ごと0.5mg投与)に割り付けられた595例中311例(52.3%)に副作用 ※1 が認められました。主な副作用は、アイリーア投与群で結膜出血480例(26.3%)、眼痛158例(8.7%)、眼圧上昇89例(4.9%)、ラニビズマブ投与群で結膜出血171例(28.7%)、眼痛54例(9.1%)、眼圧上昇39例(6.6%)でした。試験薬に関連する試験眼の重篤な有害事象はアイリーア投与群5例(0.3%)[白内障(2例)、網膜出血、視力低下、網膜色素上皮裂孔(各1例)]、ラニビズマブ投与群3例(0.5%)[視力低下、偽眼内炎、網膜色素上皮裂孔(各1例)]、試験薬に関連する全身性の重篤な有害事象はアイリーア投与群10例(0.5%)[脳血管発作 ※2 (4例)、一過性脳虚血発作、急性冠動脈症候群、ラクナ梗塞、心筋梗塞、虚血性脳卒中 ※2 、腎不全(各1例)]に認められました。試験薬に関連する投与中止に至った有害事象はアイリーア投与群では脳血管発作 ※3 (3例)、黄斑変性、視力低下、網膜出血、薬疹、急性冠動脈症候群、ラクナ梗塞、虚血性脳卒中、腎不全、歩行障害 ※3 、会話障害 ※3 が各1例、ラニビズマブ投与群では偽眼内炎が1例認められました。

※1 投与手技に起因する有害事象を含む
※2 脳血管発作の1例と、虚血性脳卒中は死亡に至る有害事象でした
※3 脳血管発作の1例と歩行障害および会話障害は同一症例でした

L.JP.COM.OP.02.2018.1243

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