アイリーア治療戦略

 

Treat & Extendのメリット 〜患者・介護者の視点から〜

PLANET試験におけるポリープ状脈絡膜血管症に対するアフリベルセプト硝子体内投与の有効性および安全性:無作為化臨床試験

PRN※1やT&E※2といった個別化治療のうち、T&Eの選択では以下4点のメリットが期待できます

nAMD※3は高度の視力低下を来す慢性進行性の疾患であり、長期にわたる継続的な治療が重要です。現在、抗VEGF薬が治療のファーストラインとなっていますが、nAMDは患者さんごとの再発間隔が異なることから、個々の患者さんに合わせた「個別化治療」の選択が求められます。
そこで当初、当院ではPRNを中心とした治療を実施していました。しかしながら、SEVEN-UP試験に代表されるPRNの長期成績を知り、PRNにおける毎月のモニタリングと即日投与の重要性を改めて実感しました。一方、地方都市においては、高齢化、病院の偏在化、車社会化が顕著なため、患者さんの来院には、ご家族の介助が不可欠となり、毎月の来院は、患者さんとそのご家族の身体的かつ精神的な大きな負担となっていました。(以下、当院における介護者の実態)

  • 80%以上の介護者は自動車で患者を送迎(自宅から病院までの片道の距離は平均62.6km)
  • 来院1回あたりの病院滞在時間は平均で約4時間
  • 介護者のうち、就業しているものは約46%で、付き添いのために月1~2回の休暇を取得

これらの背景から、個別化治療として有用とされていたT&Eを新たに選択し、PRNからT&Eへ変更することによる患者さんおよび介護者のメリットについて検討した結果、T&Eの選択により以下の4点のメリットが得られる可能性があることがわかり、現在では、4週調節または2週調節のT&E(最大16週間隔)を採用し、診療に取り組んでいます。

T&Eの選択により期待されるメリット

  • ❶ 改善した視力の長期維持
  • ❷ 長期的な投与回数の軽減
  • ❸ 来院回数の軽減
  • ❹ 介護者負担の軽減

現在当院が採用しているT&E

調節間隔:4週単位または2週単位で延長または短縮
最小投与間隔:1ヵ月 最大投与間隔:16週(4ヵ月)

※1:pro re nata ※2:Treat and Extend ※3:Neovascular Age-related Macular Degeneration:滲出型加齢黄斑変性 

実臨床におけるPRNでは、
再発の繰り返しによる視力低下がみられました

HORIZON1)/SEVEN-UP2)試験:PRNによる視力の平均変化量の推移(参考データ,海外データ)

HORIZON1)/SEVEN-UP2)試験:PRNによる視力の平均変化量の推移(参考データ,海外データ)

試験概要

目  的:
HORIZON試験:nAMD患者に対する抗VEGF薬投与の長期安全性および有効性を検討する。
SEVEN-UP試験:nAMD患者に対する抗VEGF薬の長期治療成績(7~8年)を検討する。
デザイン:
HORIZON試験:多施設共同、オープンラベル延長試験 / SEVEN-UP試験:多施設共同、非介入コホート試験
対  象:
HORIZON試験:抗VEGF薬の有効性と安全性の検討を目的とした2年間の初期無作為化試験(MARINA、ANCHOR、FOCUS試験)のいずれかに参加、完了したnAMD患者853例
SEVEN-UP試験:HORIZON試験に参加、完了したnAMD患者65例(FOCUS試験参加者を除く)
方  法:
HORIZON試験:抗VEGF薬0.5mgをPRN投与し、3群(最初から抗VEGF薬群、対照から抗VEGF薬へのクロスオーバー群、抗VEGF薬非投与群)の有害事象、最高矯正視力(ETDRS文字数)を3~6ヵ月ごとの受診時に検討した。
SEVEN-UP試験:抗VEGF薬をPRN投与し、最高矯正視力(BCVA)20/70以上の患者の割合や各観察時期におけるETDRS文字数の平均変化量などを検討した。
評価項目:
HORIZON試験:〈主要評価項目〉有害事象の発現率および重症度 / SEVEN-UP試験:〈主要評価項目〉最高矯正視力20/70以上の患者割合
統計解析:
SEVEN-UP試験時の視力の前後比較には対応のあるt検定を用いた。また、変数の比較には、変数に応じて、χ2検定、Student t検定、Kruskal-Wallis検定を用いた。

1)Singer MA et al.: Ophthalmology 2012; 119: 1175-1183. 2)Rofagha S et al.: Ophthalmology 2013; 120: 2292-2299.

T&Eメリット1Traineらによる報告(2019年)では、T&Eを4年間継続した結果、
長期にわたる視力維持が確認されました

T&Eによる視力の推移(海外データ)

T&Eによる視力の推移(海外データ)
安全性:
患者の5.9%が、治療による十分な反応が得られず治療を変更した。5.6%に重度の視力低下(15文字以上の視力低下)が認められた(中心部網膜下線維症:7例、広範な網膜下出血:1例、中心部地図状萎縮:5例)。
治療の中断理由(患者数,%):地域の眼科医による治療継続(24例,35.8%)、疾患の安定化が得られた(15例,22.4%)、死亡(10例,14.9%)、病気・入院(7例,10.4%)、これ以上の機能的な改善見込みがない(5例,7.5%)、その他(6例,9%)

アイリーア®硝子体内注射液40mg/mLの中心窩下脈絡膜新生血管を伴う加齢黄斑変性における用法・用量:アフリベルセプト(遺伝子組換え)として2mg(0.05mL)を1ヵ月ごとに1回、連続3回(導入期)硝子体内投与する。その後の維持期においては、通常、2ヵ月ごとに1回、硝子体内投与する。 なお、症状により投与間隔を適宜調節するが、1ヵ月以上あけること。

試験概要

目  的:
Treat and Extend(T&E)レジメンを用いて最大4年間アイリーアにより治療した後のnAMD患者の転帰を報告する。
デザイン:
単施設、後ろ向き観察研究
対  象:
新たにnAMDと診断され、2012年12月~2018年8月にアイリーアのT&Eレジメンによる治療を少なくとも12ヵ月間受けた、未治療の連続症例231例231眼
方  法:
アイリーアを1ヵ月ごとに3回投与し(導入期)、少なくとも12ヵ月間T&Eレジメンによる治療を実施した。導入期以降は来院ごとに光干渉断層撮影(OCT)およびsnellen最高矯正視力(BCVA)の検査を実施し、疾患活動性をモニタリングした。なお、BCVA測定値はETDRS文字数に変換して検討した。来院時にOCTで網膜が安定していれば投与間隔を2週ごとに延長し、最大投与間隔は14週とした。新たに疾患活動性が認められた場合は、個々の最適な投与間隔を同定するため少なくとも2週の短縮を行った。その後2回連続した来院において疾患活動性が安定していれば、T&Eレジメンに従って投与間隔を再延長した。なお、投与間隔の安定が認められた場合(つまり投与間隔調節の選択肢がない状態で2回連続の投与を行った後)は、治療負担をさらに最小化するため、次回の来院は省略し、事前検査を行なわずに次の投与を実施した。
評価項目:
BCVAの経時的変化、年間の投与回数および来院回数、12週以上の治療間隔に達した患者の割合
解析方法:
BCVAの変化の有意性の推定にはWilcoxonの符号順位検定を使用した。

Traine PG et al.: Ophthalmol Retina 2019; in press

T&Eメリット2 T&Eメリット3当院におけるT&E(4週調節T&E)では、12週(3ヵ月)に1回
または16週(4ヵ月)に1回の治療を目指すことができ、
投与回数/来院回数の軽減が期待できます

小沢眼科内科病院で過去実施していたPRNと、現在実施するT&Eの比較(イメージ)

小沢眼科内科病院で過去実施していたPRNと、現在実施するT&Eの比較(イメージ) ◆当院で過去に実施していたPRNでは、来院回数は年12回以上であり※、投与回数は1年目が導入期を含めて6回、2年目が5回程度でした。※ 来院日当日ではなく翌週に再来院して投与するケースもあり ◆当院で現在実施している4週調節T&Eでは、最大延長間隔16週としています。ベストケースでは、1年目の投与回数が導入期を含めて6回、2年目が3回となります。 ◆T&EはPRNと比較し、来院回数を大幅に軽減し、特に、投与の遅れなどによる症状増悪/視力低下のリスクの軽減が期待できます。

T&Eメリット4T&Eは、来院回数軽減により、
来院に付き添う介護者の生産性損失の低減が期待できます

人的資本法による生産性損失

※人的資本法:医療経済評価において生産性損失を算出するために影響を金銭単位に換算する方法。

介護者および患者の主な背景 平均年間推定費用の結果;主要評価項目

試験概要

目  的:
実臨床下において、PRN※1からT&E※2に変更することで、wAMD患者の介護者負担がどの程度軽減できるのか定量的に評価すること。
デザイン:
単施設(小沢眼科内科病院)における介護者を対象とした調査票による横断研究および後ろ向き診療録レビュー
対  象:
2015年8月18日~2016年3月31日の期間で適格性を満たした合計71組のwAMD患者と介護者
方  法:
調査票を用いて人的資本法による介護者の来院付き添いに伴う生産性損失を推測した。計算方法には「[日給の推定額+来院1回あたりの旅費]x年訪問回数」を用いた。日給は平成26年賃金構造基本統計調査に基づき算出した。現在、未就業の介護者(専業主婦など)については、Drummond(2001)に従い、就業しているとみなして機会費用を算出した。
評価項目:
介護者に関する評価:〈主要評価項目〉抗VEGF薬療法による介護負担(BIC-11※3)、人的資本法による時間および生産性の損失の推測 / 〈副次評価項目〉うつ傾向(CES-D※4
患者に関する評価:〈副次評価項目〉視力、入院回数や投与回数などの医療資源利用状況
解析方法:
診療録レビューにより来院、投与回数、視力など医療資源解析を実施した。BIC-11におけるPRNとT&Eの比較はt検定を用いた。

※1:小沢眼科内科病院の研究時の投与法は「原則、導入期は1ヵ月に1回、3回連続で投与する。 その後は、ほぼ毎月受診し眼科検査を行い、視力および形態学的検査に基づいて注射を行う。」
※2:小沢眼科内科病院の研究時の投与法は「原則、導入期は1ヵ月に1回、3回連続で投与する。その後、最初の2年間は状態が良くても、主治医の判断で診察と注射を同時に2~3ヵ月ごとに必ず実施する。疾患の安定性が確認された場合、治療は4ヵ月まで延長することができ、網膜下液または浮腫が観察された場合、2ヵ月に短縮することができる。」
※3:[Burden Index of Caregivers-11]自宅で要介護の方を介護する、介護者の負担感を測定する尺度。「時間的負担感」「心理的負担感」「実存的負担感」「身体的負担感」「サービス関連負担感」の5つの領域(ドメイン)と、全体的負担感の1項目で構成され、5つのドメインに全体的負担感を足した総合得点、および各々のドメインの得点で使用することができる。
※4:[The Center for Epidemiologic Studies Depression Scale]一般人におけるうつ病の発見(スクリーニング)を目的として、米国国立精神保健研究所(NIMH)により開発。スコアは0から60まで, 日本人では16以上がうつ傾向とされている。
利益相反:メディカルライティングについてはバイエル薬品が資金を提供した。

Hanemoto T et al.: PLOS ONE 2017; 12: e0189035.

「4週調節T&E」が選択可能なアイリーア®を是非お役立てください

参考アジア太平洋地域におけるnAMD管理のための
アイリーア®のT&Eに関する推奨:Consensus Panelの報告

提唱されたアイリーア®のT&Eに関するコンセンサスアルゴリズム
-投与間隔の短縮および治療中止-

提唱されたアイリーア®のT&Eに関するコンセンサスアルゴリズム-投与間隔の短縮および治療中止-
PP-EYL-JP-0259-14-03

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