“見たい” “見せてあげたい”の実現に向けた DME治療の重要性

DME

患者さんの目標視力の回復・維持のための十分な治療の重要性

日常生活に必要な視力の目安

日常生活に必要な視力の目安

所敬:視覚の科学. 2007; 28: 55-59より作表

アイリーアのVEGFファミリー(VEGF-AおよびPlGF)に対する阻害作用

抗VEGF薬のVEGF-VEGF受容体結合の阻害作用(IC50, in vitro)

アフリベルセプトは、hVEGF-AおよびhPlGF-2とVEGFR-1、hVEGF-AとVEGFR-2のいずれの結合に対しても阻害作用が認められました。

抗VEGF薬のVEGF-VEGF受容体結合の阻害作用(IC50, in vitro)

IC50 (50%阻害濃度):値が小さいほど、強い活性阻害作用を示す
NB:No detectable binding

試験方法
VEGF受容体1またはVEGF受容体2を発現させたHEK293細胞を用いて、20pMヒトVEGF(hVEGF)-Aあるいは40pMヒトPlGF(hPlGF)と各種VEGF受容体の結合に対するアフリベルセプト及びラニビズマブの50%阻害濃度(IC50)を算出した。

Papadopoulos N. et al.: Angiogenesis 2012; 15: 171-185より一部改変
利益相反:本論文の著者全員がRegeneron Pharmaceuticals社の社員である。

注意:糖尿病黄斑浮腫を対象とした本試験のラニビズマブ投与群の用量は試験実施国(米国)で承認された0.3mgですが、国内承認用量は0.5mgです。また、ベバシズマブは、糖尿病黄斑浮腫に対して試験実施国および国内未承認のため、ベバシズマブ投与群の結果を削除しています。

<臨床試験>DRCR.net Protocol T試験の成績(海外データ)

最高矯正視力文字数のベースラインからの変化量の推移(52週:主要評価項目)

アイリーア投与群におけるベースラインから52週までの最高矯正視力文字数の変化量は平均+13.3文字であり、ラニビズマブ投与群を有意に上回りました。

※ ベースライン視力と治療群との間に有意な交互作用が認められました

最高矯正視力文字数のベースラインからの変化量の推移(52週:主要評価項目)

注)統計解析はベバシズマブ1.25mg 投与群を踏まえた結果を示す
ANCOVAによりベースライン視力を調整し、Hochberg法により多重性を調整したp値および信頼区間
欠測値は多重代入法を用いて補完し、平均値から3SD以上の外れ値は除外

The Diabetic Retinopathy Clinical Research Network: N Engl J Med. 2015; 372: 1193-1203
※承認の範囲内の症例群のみに限定し、一部改変
Copyright© 2015 Massachusetts Medical Society. All rights reserved. Translated with permission.

最高矯正視力文字数のベースラインからの変化量の推移(52週:事前に規定された部分集団解析)

ベースライン視力20/50以下の患者集団では、アイリーア投与群における52週までの最高矯正視力文字数の変化量が平均+18.9文字で、ラニビズマブ投与群を有意に上回りました。

最高矯正視力文字数のベースラインからの変化量の推移(52週:事前に規定された部分集団解析)

注)統計解析はベバシズマブ1.25mg 投与群を踏まえた結果を示す
ANCOVAによりベースライン視力を調整し、Hochberg法により多重性を調整したp値および信頼区間
欠測値は多重代入法を用いて補完し、平均値から3SD以上の外れ値は除外

The Diabetic Retinopathy Clinical Research Network: N Engl J Med. 2015; 372: 1193-1203
※承認の範囲内の症例群のみに限定し、一部改変
Copyright© 2015 Massachusetts Medical Society. All rights reserved. Translated with permission.

試験概要〈Protocol T試験〉

目的

中心窩に及ぶ糖尿病黄斑浮腫(DME)を有する患者を対象に、(1)アイリーア硝子体内投与、(2)ベバシズマブ硝子体内投与、(3)ラニビズマブ硝子体内投与の有効性および安全性を比較検討すること

試験デザイン

多施設共同無作為化比較試験

試験対象

中心窩に及ぶDMEを有する患者660例660眼
※試験対象眼は各患者片眼のみとする

選択基準(抜粋)

<試験対象者> 1型あるいは2型糖尿病と診断されている18歳以上の患者
<試験対象眼> 最高矯正視力文字数(E-ETDRS)が78~24(近似スネレン等価視力20/32~20/320)
中心窩に及ぶDMEによる明らかな網膜肥厚を認める など

投与方法

対象患者を、アイリーア2.0mg投与群、ベバシズマブ1.25mg投与群、ラニビズマブ0.3mg投与群の3群に無作為に割り付けた。いずれの治療群においても、初回投与後は再治療プロトコルに従って再治療が行われ、24週目以降はレーザー実施基準に従ってレーザー治療が実施された。52週目までは4週ごと来院とし、52週目以降は4週ごと来院を基本とし、疾患状態および治療内容に従って8週ごと、16週ごとの来院に延長可能とされていたが、52週目と104週目は全患者の来院が規定されていた。

主要評価項目

1年目における最高矯正視力文字数のベースラインからの変化量(ベースラインの最高矯正視力で調整)

副次評価項目

1年目における試験実施計画書に従った硝子体内投与回数 など

主な安全性評価項目

投与手技に関連する*1、薬剤に関連する( 眼*2、全身性*3)有害事象 など
*1 眼内炎、牽引性網膜剥離、裂孔原性網膜剥離、網膜裂孔、白内障、眼内出血、眼圧上昇
*2 炎症、牽引性網膜剥離、牽引性網膜剥離の悪化・黄斑部への進行
*3 高血圧、腎事象、胃・消化管事象、APTC(Antiplatelet Trialists’ Collaboration)定義に基づく心血管事象

解析計画

●主要評価項目については、ベースライン視力を調整した共分散分析(ANCOVA)により群間比較を行う。その際、Hochberg法により多重性の調整を行う。欠測値については多重代入法を用いて補完する。平均値から3SD以上の外れ値は除外する。
●副次評価項目については、評価項目に応じ、ベースライン因子を調整したANCOVAなど適切な手法を用いて検討する。
●安全性評価項目については、片眼のみ、あるいは両眼とも投与を受けた患者群ごとの全身性有害事象の発現状況についても検討する。なお、有効性の主要な評価項目については、主なベースライン特性による層別解析を行うとともに交互作用についても検討する。2年目については1年目の統計解析手法を踏襲する。

利益相反:
本試験で用いられた薬剤(アフリベルセプト)はRegeneron Pharmaceuticals社より提供された。著者にRegeneron Pharmaceuticals社、Bayer HealthCare Pharmaceuticals社 から経済的支援、謝礼を受領している者(#1、2)、Regeneron Pharmaceuticals社の株式所有者(#2)が含まれる。なお、本試験の資金提供組織はNational Institutes of Health (NIH)であり、プロトコルの作成、実施、データの管理についてはDRCR.netが主体である。

The Diabetic Retinopathy Clinical Research Network: N Engl J Med. 2015; 372: 1193-1203 #1
Wells JA, et al.: Ophthalmology. 2016; 123: 1351-1359 #2

<日本におけるアフリベルセプトの糖尿病黄斑浮腫に対する承認用法・用量>
アフリベルセプト(遺伝子組換え)として2mg(0.05mL)を1ヵ月ごとに1回、連続5回硝子体内投与する。その後は、通常、2ヵ月ごとに1回、硝子体内投与する。なお、症状により投与間隔を適宜調節するが、1ヵ月以上あけること。

<日本におけるラニビズマブの糖尿病黄斑浮腫に対する承認用法・用量>
ラニビズマブ(遺伝子組換え)として1回あたり0.5mg(0.05mL)を硝子体内投与する。投与間隔は、1ヵ月以上あけること。

<臨床試験> DRCR.net ProtocolT試験の成績(海外データ)

主な有害事象(2年間)

試験眼に発現した主な有害事象†

アフリベルセプト投与群224例中、霧視54例(24.1%)、硝子体浮遊物41例(18.3%)、結膜出血34例(15.2%)、白内障28例(12.5%)、眼痛25例(11.2%)、視力低下22例(9.8%)、眼乾燥20例(8.9%)、嚢下白内障17例(7.6%)、眼刺激16例(7.1%)、流涙増加および硝子体出血各15例(6.7%)、視力障害12例(5.4%)でした。

ラニビズマブ投与群218例中、霧視50例(22.9%)、硝子体浮遊物49例(22.5%)、結膜出血26例(11.9%)、眼痛23例(10.6%)、視力低下22例(10.1%)、眼乾燥20例(9.2%)、眼そう痒症16例(7.3%)、眼刺激15例(6.9%)、白内障13例(6.0%)、流涙増加および眼充血各11例(5.0%)でした。

全身性の主な有害事象†

アフリベルセプト投与群224例中、高血圧39例(17.4%)、鼻咽頭炎39例(17.4%)、咳嗽22例(9.8%)、貧血、頭痛および副鼻腔炎各20例(8.9%)、嘔吐および尿路感染各17例(7.6%)、インフルエンザ16例(7.1%)、コントロール不良の糖尿病、高コレステロール血症、上気道感染各15例(6.7%)、胃食道逆流性疾患、季節性アレルギーおよび慢性腎不全各14例(6.3%)、低血糖、背部痛および浮動性めまい各13例(5.8%)、悪心、転倒、腎不全、気管支炎および蜂巣炎各12例(5.4%)でした。

ラニビズマブ投与群218例中、高血圧44例(20.2%)、鼻咽頭炎29例(13.3%)、インフルエンザおよび頭痛各20例(9.2%)、上気道感染19例(8.7%)、肺炎および副鼻腔炎各18例(8.3%)、背部痛17例(7.8%)、貧血15例(6.9%)、コントロール不良の糖尿病、浮動性めまいおよび咳嗽各14例(6.4%)、下痢、ウイルス性胃腸炎、悪心各13例(6.0%)、うっ血性心不全、ビタミンD欠乏、腎不全、尿路感染および蜂巣炎各12例(5.5%)、低血糖、末梢性浮腫、季節性アレルギー、転倒、脱水、関節痛および気管支炎11例(5.0%)でした。

重篤な有害事象および死亡例

重篤な有害事象はアフリベルセプト投与群224例中88例(39%)、ラニビズマブ投与群218例中82例(38%)、死亡(全死因)例はアフリベルセプト投与群224例中5例(2%)、ラニビズマブ投与群218例中11例(5%)に認められました。

ICH国際医薬用語集(MedDRA)のコード化を用いたメディカルモニターに基づく事象)
†:発現率5.0%以上とする

事前に規定された注目すべき全身性の有害事象(2年間)

事前に規定された注目すべき全身性の有害事象(2年間)

*Anti-Platelet Trialists Collaboration
¶ ICH 国際医薬用語集(MedDRA)の器官別大分類の胃腸障害の事象を含む。
# MedDRAの器官別大分類の内因性腎障害を示す腎および尿路障害事象のサブセットに加えて、他の器官別大分類の血中クレアチニン上昇もしくは異常または腎移植を含む。

Wells JA, et al.: Ophthalmology. 2016; 123: 1351-1359 ※承認の範囲内の症例群のみに限定し、一部改変