患者さんの治療ニーズに基づく視力達成に向けた治療方法のご提案

DME患者における未治療時点での最高矯正視力の推移

DME患者における未治療の最高矯正視力(STREAT-DMO試験:J-CREST group)

DME患者における未治療の最高矯正視力(STREAT-DMO試験:J-CREST group)

対象:
DMOデータベースを用いた治療調査から得られた、国内の眼科27施設において2010年1月~2015年12月にDMEの初期治療を受け、2年間追跡された未治療の中心窩に及ぶDMEを有する患者1,552例2,049眼

方法:
多施設共同遡及的観察研究。診療録から抽出された最高矯正視力などの臨床データについて、ベースラインおよび2年後の変化を年ごとに調査した。

グラフは片眼視力を記載(対象に片眼の症例と両眼の症例が含まれるが、ベースライン視力は片眼視力)

Shimura M, et al.: Br J Ophthalmol. 2020; 104: 1755-1761. より改変

DMO(diabetic macular oedema):糖尿病黄斑浮腫
J-CREST:Japan Clinical Retina Study

患者さんの日常生活に必要な視力

患者さんの日常生活に必要な視力

表は両眼視力を記載(補足説明があるものを除く)

所敬: 視覚の科学. 2007; 28: 55-59より作表

抗VEGF治療において、良好な視力の達成がnAMD、DME患者さんにとって最も高い治療ニーズでした(海外データ)

nAMD患者またはDME患者が抗VEGF治療に求める内容

nAMD患者またはDME患者が抗VEGF治療に求める内容

対象:
2018年8月~12月にアメリカ・イリノイ州の大学眼科3施設において抗VEGF薬の硝子体内投与を受けた18歳以上のnAMD患者またはDME患者300例

方法:
治療に関連する5つの属性(視力の変化、患者が支払う治療費、使用薬剤の適応の有無、治療頻度、保険会社が支払う治療費)をそれぞれ2~3のレベルに分け、各属性に対し1つのレベルを割り当てた仮想の治療プロファイルを48種類生成した。調査対象の患者は、D-optimal designアルゴリズムにより割り当てられた8つのペアワイズ比較を実施するため、与えられた2種類の治療プロファイル間の優先順位を示した。各属性の効用値は離散選択型コンジョイント分析を用いて生成し、患者コホート全体、および人口統計データ(年齢、最終学歴)で階層化されたサブグループ別に各属性の相対的重要性を推定した。

利益相反:
著者にRegeneronより助成金を受領している者が含まれる。

※:米国ではベバシズマブが適応外使用されているため、本研究における治療関連属性の1つとして使用薬剤の適応の有無が設定されています。ベバシズマブは日本においても未承認であり、本研究から承認外薬の推奨を行うものではありません。

Bhagat D, et al.: Clinical Ophthalmology. 2020; 14: 2975-2982. Reprinted with permission from the original publisher Dove Medical Press Ltd.


VIBIM試験(第Ⅳ相試験、海外データ)

1)Pak KY, et al.: Ophthalmologica. 2020; 243: 255-262.(1年目)
2)Kim YC, et al.: Sci Rep. 2020; 10: 22030.(2年目)

試験概要1、2)

目的

DMEを有する患者を対象に、アイリーアを用いたTreat&Extend(T&E)投与による2年間の有効性および安全性を評価する。

試験対象

中心窩に及ぶDMEを有する患者48例48眼(韓国の8施設より登録)
[主な選択基準]
・1型あるいは2型糖尿病を有する19歳以上
・OCTでCSMTが300μm以上の中心窩に及ぶDMEを有する
・スネレン視力による最高矯正視力文字数が20/40~20/320 など

試験デザイン

観察期間104週、多施設、前向き、介入、単群、第Ⅳ相試験

投与方法

導入期では、基本的にアイリーア(アフリベルセプトとして2mg)を4週ごとに5回硝子体内投与した。
5回投与が完了、もしくはOCTでCSMTが250μm未満かつスネレン視力が20/20以上の場合、T&E期に移行した。
T&E期では、投与間隔を前回来院時から改善(CSMTが10%以上減少)した場合は維持、悪化(CSMTが10%以上増加)した場合は最短4週まで2週幅で短縮、安定(CSMTの変化が10%未満)した場合は最長12週まで2週幅で延長した。
2年目では、T&E期に2回連続で投与間隔が12週かつCSMTの安定が確認された場合、投与延期として、8週後に来院することとした。以降は8週ごとに来院し、CSMTが悪化していなかった場合は投与を行わず観察のみとした。
なお、24週以降にベースラインからCSMTが10%以上増加かつETDRS視力表による最高矯正視力文字数が10文字超減少した場合、局所/格子状レーザー光凝固またはトリアムシノロンアセトニド硝子体内投与によるレスキュー治療が医師の判断で許可された。

主要評価項目

104週時の最高矯正視力文字数のベースラインからの変化量

副次評価項目

52週時の最高矯正視力文字数のベースラインからの変化量
52週時および104週時の以下の項目
CSMTのベースラインからの変化量、投与回数、投与間隔が12週であった患者の割合、スネレン視力が20/40以上の患者の割合 など

解析計画

Wilcoxon符号順位検定またはMann-Whitney Uノンパラメトリック検定を使用して測定値を比較した。カテゴリ変数はχ2検定またはFisherの直接確率検定を使用して分析した。

利益相反

本研究はBayerの資金によって実施された。著者にBayerよりコンサルタント料、研究費、謝礼などを受領している者が含まれる。
※1年目、2年目いずれも同じ

CSMT(central subfield macular thickness):中心サブフィールド網膜厚

VIBIM試験の投与スケジュール

導入期およびT&E期のフローチャート1)

導入期およびT&E期のフローチャート

Copyright © 2020, © 2020 S. Karger AG, Basel

平均年齢は59.4歳、平均糖尿病罹患期間は16.6年でした

患者背景1)

平均値±標準偏差もしくはn(%)

PRP(panretinal photocoagulation):汎網膜光凝固
BUN(blood urea nitrogen):血中尿素窒素
Cr(Creatinine):クレアチニン
LDL(low-density lipoprotein):低比重リポタンパク質
TG(triglyceride):トリグリセライド

Copyright © 2020, © 2020 S. Karger AG, Basel

104週時の最高矯正視力文字数のベースラインからの変化量は+9.4文字でした

最高矯正視力文字数のベースラインからの変化量1、2)

最高矯正視力文字数のベースラインからの変化量

スネレン視力20/40以上の患者の割合は104週時で43.5%でした

最高矯正視力別の患者の分布2)

最高矯正視力別の患者の分布

104週時の投与間隔が12週以上であった患者の割合は56.5%でした

※:12週であった7例、投与延期となった19例を合わせて26例(56.5%)

投与間隔2)

投与間隔

n(%)

投与回数(副次評価項目)2)

投与回数(副次評価項目)

平均値±標準偏差

本試験において、眼の重篤な有害事象は白内障2例、後嚢混濁1例でした

安全性2)

眼の重篤な有害事象
白内障(試験対象眼)1例、白内障(僚眼)1例、後嚢混濁1例

全身性の重篤な有害事象
糖尿病性足病変2例、高血圧1例、前立腺癌1例、ビタミンB12欠乏症1例、頸椎骨折1例、卵巣腫瘍1例


DMEに対する抗VEGF治療の初期反応に基づく視覚的予後に関する後ろ向き研究

3)Koyanagi Y, et al.: Ophthalmologica. 2018; 239: 94-102.)

試験概要3)

目的

DMEに対する抗VEGF治療の初期反応と視覚的予後との関係を検討する。

試験対象

中心窩に及ぶDMEを有する患者20例25眼(2014年2月~2016年4月に九州大学病院にて検査を実施し、12ヵ月以上追跡可能であった患者を登録)

試験デザイン

後ろ向き、連続患者登録方式

投与方法

導入期投与として抗VEGF薬3回毎月投与後、OCTで中心部黄斑浮腫が改善するまで、あるいは視力が安定するまで随時(PRN:pro re nata)投与を行った。

評価項目

ベースラインから3ヵ月時点までの最高矯正視力変化量(ΔBCVAM3)とベースラインから12ヵ月時点までの最高矯正視力変化量(ΔBCVAM12)の関係 など

解析計画

ΔBCVAM3とΔBCVAM12の関係は、Pearsonの相関係数によって決定した。

利益相反

著者にバイエル薬品より謝礼および研究費を受領している者が含まれる。

CMT(central macular thickness):中心窩網膜厚

安全性3)

本試験において、いずれの眼も臨床的に重大な合併症は認められなかった。
(安全性情報はDIをご参照ください。)

抗VEGF薬3回毎月投与後と12ヵ月後の視力変化量(PRN投与)の関係性について報告されています

ΔBCVAM3とΔBCVAM12におけるPearsonの相関係数3)

ΔBCVAM3とΔBCVAM12におけるPearsonの相関係数

ΔBCVAM3
ベースライン時から3ヵ月時点までの最高矯正視力変化量(logMAR)

ΔBCVAM12
ベースライン時から12ヵ月時点までの最高矯正視力変化量(logMAR)

Copyright © 2018, © 2017 S. Karger AG, Basel

BCVA(best corrected visual acuity):最高矯正視力

まとめ

▶︎患者さんの治療ニーズ

抗VEGF治療において、良好な視力の達成がDME患者さんにとって最も高い治療ニーズでした(海外データ)1)

▶︎アイリーアのT&E投与による各試験の有効性および安全性

抗VEGF治療において、良好な視力の達成がDME患者さんにとって最も高い治療ニーズでした(海外データ)1)

5+T&E投与

VIBIM試験(第Ⅳ相試験、海外データ)2)

【有効性】
<主要評価項目>104週時の最高矯正視力文字数のベースラインからの変化量は+9.4文字でした。
【安全性】
眼の重篤な有害事象 白内障(試験対象眼)1例、白内障(僚眼)1例、後嚢混濁1例
全身性の重篤な有害事象 糖尿病性足病変2例、高血圧1例、前立腺癌1例、ビタミンB12欠乏症1例、頸椎骨折1例、卵巣腫瘍1例

3+PRN投与

DMEに対する抗VEGF治療の初期反応に基づく視覚的予後に関する後ろ向き研究3)

【有効性】
抗VEGF薬3回毎月投与後(ベースライン時から3ヵ月時点での最高矯正視力変化量)と、その後12ヵ月までPRN投与を行った後(ベースラインから12ヵ月時点までの最高矯正視力変化量)に相関が認められました。
【安全性】
本試験において、いずれの眼も臨床的に重大な合併症は認められませんでした。

1)Bhagat D, et al.: Clinical Ophthalmology. 2020; 14: 2975-2982.
2)Kim YC, et al.: Sci Rep. 2020; 10: 22030.
3)Koyanagi Y, et al.: Ophthalmologica. 2018; 239: 94-102.

DME治療において、良好な視力の達成は患者さんが期待する治療ニーズです

患者さんの良好な視力の達成のための治療法と薬剤選択をご検討ください

アイリーアは2012年に発売されて以来、臨床試験や使用成績調査など豊富なエビデンス、国内使用実績を持つ薬剤です

※:DMEは2014年11月に承認