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アフリベルセプト硝子体内投与後における血中濃度と血圧変動
〜承認申請時から承認後のデータを踏まえて〜

VEGF阻害による動脈血栓塞栓事象の想定機序と全身作用の指標

VEGF阻害による血栓塞栓事象発現の想定機序

  • VEGFの阻害はエリスロポエチン(赤血球産生促進ホルモン)の過剰産生を引き起こし、ヘマトクリットの増加及び血液粘性を高めることにより、血栓塞栓事象の発現に寄与する可能性が考えられます1、2)
  • VEGFシグナリングの阻害により、抗血栓作用(血小板機能抑制及び血管弛緩作用)が知られている一酸化窒素(NO)及びプロスタサイクリン(PGI2)産生が抑制されると考えられます。したがって、NO及びPGI2の産生抑制は血栓塞栓事象を引き起こしやすくなる可能性があります3、4)

 

1)Spivak JL: Blood. 2002; 100: 4272-4290

2)Tam BY, et al.: Nat Med. 2006; 12: 793-800

3)Horowitz JR, et al.: Arterioscler Thromb Vasc Biol. 1997; 17: 2793-2800

4)Hood JD, et al.: Am J Physiol. 1998; 274: H1054-H1058

VEGF阻害による全身作用の指標

VEGFの阻害は、血管内皮細胞におけるNOの産生抑制などを引き起こし、血管抵抗が増加し、血圧上昇が引き起こされる可能性があります1)

臨床試験では、VEGF阻害による全身作用の指標として、血圧の変化を検討しました2)

 

1)Izzedine H, et al.: Ann Oncol. 2009; 20: 807-815
2)承認時評価資料

アイリーアの静脈内投与後および硝子体内投与後における血中濃度

nAMD

アイリーア硝子体内投与後、アフリベルセプトは血中へ移行しますが、その遊離型の平均最高濃度は静脈内投与後の1/220未満でした

静脈内投与後の血漿中遊離型アフリベルセプト濃度推移(外国人データ)

静脈内投与後の血漿中遊離型アフリベルセプト濃度推移(外国人データ)

 

承認時評価資料
Rudge JS, et al.: PNAS. 2007; 104: 18363-18370
Copyright (2007) National Academy of Sciences, U.S.A.

硝子体内投与後の血漿中遊離型アフリベルセプト濃度推移(外国人データ)

硝子体内投与後の血漿中遊離型アフリベルセプト濃度推移(外国人データ)

 

承認時評価資料

アイリーアの中心窩下脈絡膜新生血管を伴う加齢黄斑変性における用法及び用量:
アフリベルセプト(遺伝子組換え)として2mg(0.05mL)を1ヵ月ごとに1回、連続3回(導入期)硝子体内投与する。その後の維持期においては、通常、2ヵ月ごとに1回、硝子体内投与する。なお、症状により投与間隔を適宜調節するが、1ヵ月以上あけること。

アイリーアの静脈内投与後および硝子体内投与後における血圧変動

nAMD

収縮期血圧の変化量は、静脈内投与後で最大+9.7~+30.4mmHgでしたが、硝子体内投与後96/100週目では-2.9~-4.2mmHgでした(※平均値)

静脈内投与後の収縮期血圧変化量の推移

静脈内投与後の収縮期血圧変化量の推移

 

承認時評価資料

硝子体内投与後の収縮期血圧変化量の推移

硝子体内投与後の収縮期血圧変化量の推移

 

承認時評価資料
Kaiser PK, et al.: Invest Ophthalmol Vis Sci. 2016; 57: 3366

アイリーアの中心窩下脈絡膜新生血管を伴う加齢黄斑変性における用法及び用量:
アフリベルセプト(遺伝子組換え)として2mg(0.05mL)を1ヵ月ごとに1回、連続3回(導入期)硝子体内投与する。その後の維持期においては、通常、2ヵ月ごとに1回、硝子体内投与する。なお、症状により投与間隔を適宜調節するが、1ヵ月以上あけること。

RVO

硝子体内投与後の収縮期血圧変化量の推移

硝子体内投与後の収縮期血圧変化量の推移

 

※:24週目以降、レーザー治療群の67例がアイリーア2mg投与によるレスキュー治療を、アイリーア投与群の9例がレーザー治療によるレスキュー治療を受けた

 

効能追加承認時評価資料

APTCイベント発現と血漿中VEGF濃度

DME

APTCイベント(非致死性脳卒中/心筋梗塞)有無別の血漿中VEGF濃度(海外データ)

APTCイベント(非致死性脳卒中/心筋梗塞)有無別の血漿中VEGF濃度(海外データ)

本研究対象例において、 52週時までに7例、104週時までに9例のAPTCイベントの発現が認められた。

APTC:Antiplatelet Trialists’ Collaboration

Jampol LM, et al.: Ophthalmology. 2018; 125: 1054–1063

ラニビズマブの糖尿病黄斑浮腫における用法及び用量:
ラニビズマブ(遺伝子組換え)として1回あたり0.5mg(0.05mL)を硝子体内投与する。投与間隔は、1ヵ月以上あけること。

血圧関連の有害事象発現とアフリベルセプト濃度

nAMD

血圧関連の有害事象発現と遊離型アフリベルセプト濃度の経時的分布(事後解析)

血圧関連の有害事象発現と遊離型アフリベルセプト濃度の経時的分布(事後解析)

Kaiser PK, et al.: BMJ Open Ophth. 2019; 4: e000185

アイリーア投与後の血中濃度と血圧変動について(まとめ)

  • アイリーア硝子体内投与後、アフリベルセプトは血中へ移行しますが、その遊離型の平均最高濃度は静脈内投与後の1/220未満でした1、2)
  • nAMDにおける収縮期血圧の変化量は、静脈内投与後で最大+9.7~+30.4mmHg(平均値)でしたが、硝子体内投与後96/100週目では-2.9~-4.2mmHg(平均値)でした1、3)
    ・RVOに伴う黄斑浮腫やDMEにおいても、臨床試験で血圧の変動を評価しました4)
  • 以下の項目についても評価しました。
    ・APTCイベント(非致死性脳卒中/心筋梗塞)有無別の血漿中VEGF濃度5)
    ・血圧関連の有害事象発現とアフリベルセプト濃度の経時的分布6)
    ・アフリベルセプト濃度と血圧の関係6)

1)承認時評価資料
2)Rudge JS, et al.: PNAS. 2007; 104: 18363-18370
3)Kaiser PK, et al.: Invest Ophthalmol Vis Sci. 2016; 57: 3366
4)効能追加承認時評価資料
5)Jampol LM, et al.: Ophthalmology. 2018; 125: 1054–1063
6)Kaiser PK, et al. BMJ Open Ophth. 2019; 4: e000185

試験概要および安全性

本剤は海外で実施された第Ⅰ相試験、第Ⅱ相試験の結果および海外第Ⅲ相試験、日本人を含む第Ⅲ相国際共同試験を基に承認されました。
承認時に評価されたデータを紹介しますが、一部国内の承認内容と異なる成績が含まれています。

海外第Ⅰ相試験:CLEAR-AMD1試験

CLEAR-AMD1
目的

滲出型AMD患者を対象として、アフリベルセプト静脈内投与の安全性、忍容性、生物学的活性を検討する

対象

滲出型AMD患者25例(アフリベルセプト0.3mg/kg投与群7例、1mg/kg投与群7例、3mg/kg投与群5例、プラセボ投与群6例)

方法

アフリベルセプトの静脈内投与製剤(0.3、1、あるいは3mg/kg)を静脈内投与し、投与1、8、15、および29日目に収縮期および拡張期血圧を測定し、ベースラインからの変化量を評価した。
また、対象患者のうちプラセボ投与群を除く19例については、投与1日目の2および4時間、2、4、8、および15日目に血漿中遊離型アフリベルセプト濃度を測定した。

利益相反

本論文の著者にRegeneronの社員が含まれる。

安全性

試験薬に関連する有害事象は、プラセボ群1例、アフリベルセプト投与群のうち1mg/kg投与群3例、および3mg/kg投与群5例に認められた。

主な有害事象

プラセボ群:嗄声1例(16.7%)
1mg/kg投与群:高血圧3例(42.9%)、頭痛2例(28.6%)、蛋白尿2例(28.6%)
3mg/kg投与群:頭痛4例(80.0%)、高血圧3例(60.0%)、蛋白尿3例(60.0%)、嗄声3例(60.0%) など
用量の増量に伴って増加しており、投与量との関連性が示唆された。

試験薬に関連する重篤な有害事象
3mg/kg投与群の1例に悪性高血圧が認められ、用量制限毒性であった。

試験薬に関連する投与中止に至った有害事象
1mg/kg投与群:頭痛、高血圧、および蛋白尿1例
3mg/kg投与群:悪性高血圧1例、高血圧および蛋白尿1例

 

承認時評価資料

Rudge JS, et al.: PNAS. 2007; 104: 18363-18370

海外第Ⅱ相試験:オープンラベル延長試験サブスタディ(702試験)

対象

滲出型AMD患者6例

方法

アイリーア2mgを硝子体内投与し、投与1日目の0(投与前)、4および8時間、2、3、4、5、8、および15日目に血漿中遊離型アフリベルセプト濃度を測定した。

 

承認時評価資料

海外第Ⅲ相試験:VIEW1試験
日本人を含む第Ⅲ相国際共同試験:VIEW2試験

VIEW
目的

中心窩下脈絡膜新生血管を伴う滲出型AMD患者を対象として、アイリーアの有効性についてラニビズマブ0.5mg4週ごと投与に対する非劣性を検証するとともに、安全性についても検討する

対象

滲出型AMD患者2,419例(アイリーア2mg4週ごと投与群613例、0.5mg4週ごと投与群601例、2mg8週ごと投与群610例、およびラニビズマブ0.5mg4週ごと投与群595例)
※VIEW1試験1,217例およびVIEW2試験1,240例(うち日本人101例)より

方法

アイリーア2mg4週ごと投与群、0.5mg4週ごと投与群、2mg8週ごと投与群、およびラニビズマブ0.5mg4週ごと投与群の4群に無作為に割り付け、初回投与1日目、1週目、および4週目以降4週ごとに収縮期血圧、拡張期血圧を測定し、ベースラインからの変化量を評価した。なお、VIEW2試験の事後解析として、アイリーアの全身曝露と全身薬力学的作用との関係を探索的に評価した。
†本事後解析は、アイリーアの「重要な潜在的リスク」に関連する検討のため掲載しています。

利益相反

Kaiser PK, et al.: Invest Ophthalmol Vis Sci. 2016; 57: 3366は、Bayerの支援により掲載された。著者にBayer、Regeneronのコンサルタント、Bayerより講演料を受領している者、Bayerが後援する試験の主任研究者が含まれる。著者のうち3名はRegeneron、4名はBayerの社員である。

安全性

滲出型AMDを有する患者を対象として国内外で実施された第Ⅲ相試験[2試験の併合解析(2年間)]において、アイリーア投与群に割り付けられた1,824例(2mg8週ごと投与:610例、2mg4週ごと投与:613例、0.5mg4週ごと投与:601例)中896例(49.1%)、ラニビズマブ投与群(0.5mg4週ごと投与)に割り付けられた595例中311例(52.3%)に副作用※1が認められた。

主な副作用
アイリーア投与群:結膜出血480例(26.3%)、眼痛158例(8.7%)、眼圧上昇89例(4.9%)
ラニビズマブ投与群:結膜出血171例(28.7%)、眼痛54例(9.1%)、眼圧上昇39例(6.6%)

試験薬に関連する試験眼の重篤な有害事象
アイリーア投与群:白内障(2例)、網膜出血、視力低下、網膜色素上皮裂孔(各1例)
ラニビズマブ投与群:視力低下、偽眼内炎、網膜色素上皮裂孔(各1例)

試験薬に関連する全身性の重篤な有害事象
アイリーア投与群:脳血管発作※2(4例)、一過性脳虚血発作、急性冠動脈症候群、ラクナ梗塞、心筋梗塞、虚血性脳卒中※2、腎不全(各1例)

試験薬に関連する投与中止に至った有害事象
アイリーア投与群:脳血管発作※3(3例)、黄斑変性、視力低下、網膜出血、薬疹、急性冠動脈症候群、ラクナ梗塞、虚血性脳卒中、腎不全、歩行障害※3、会話障害※3(各1例)
ラニビズマブ投与群:偽眼内炎1例

 

※1 投与手技に起因する有害事象を含む
※2 脳血管発作の1例と、虚血性脳卒中は死亡に至る有害事象であった
※3 脳血管発作の1例と歩行障害および会話障害は同一症例であった

 

承認時評価資料
Kaiser PK, et al.: Invest Ophthalmol Vis Sci. 2016; 57: 3366

日本人を含む第Ⅲ相国際共同試験:VIBRANT試験

VIBRANT
目的

網膜静脈分枝閉塞症(BRVO)に伴う黄斑浮腫を有する患者を対象に、アイリーアの有効性について黄斑レーザー光凝固術に対する優越性を検証するとともに、安全性についても検討する

対象

BRVOに伴う黄斑浮腫を有する患者:183例(うち日本人:21例)

方法

対象患者を、アイリーア投与群(アイリーア2mg投与)およびレーザー治療群の2群に無作為に割り付けた。アイリーア投与群ではアイリーア2mgを20週目まで4週ごとに、その後は24週目の投与以降、48週目まで8週ごとに投与した。また、レスキュー治療基準に従い、36週目にレーザー治療を行った。レーザー治療群では初回治療日に黄斑レーザー光凝固術による治療を実施した。また、レスキュー治療基準に従い、12、16、20週目のいずれかにレーザー治療を行い、24週目以降はレスキュー治療基準に該当した時点よりアイリーア投与を開始した。4週ごとに収縮期血圧、拡張期血圧を測定し、ベースラインからの変化量を評価した。

安全性

BRVOに伴う黄斑浮腫を有する患者を対象として国内外で実施された第Ⅲ相試験(52週間)において、アイリーア2mgを投与された158例(アイリーア投与群91例、レーザー治療群67例)中43例(27.2%)に副作用が認められた。

主な副作用

結膜出血26例(16.5%)

試験薬に関連する試験眼および全身性の重篤な有害事象
本試験(52週間)においては、認められなかった。

試験薬に関連する投与中止に至った有害事象

アイリーア投与群:眼圧上昇1例

 

※ 投与手技に起因する有害事象を含む

 

効能追加承認時評価資料

日本人を含む第Ⅲ相国際共同試験:GALILEO試験

GALILEO
目的

網膜中心静脈閉塞症(CRVO)に伴う黄斑浮腫を有する患者を対象に、アイリーアの有効性について偽注射に対する優越性を検証するとともに、安全性についても検討する

対象

CRVOに伴う黄斑浮腫を有する患者:177例(うち日本人:21例)

方法

対象患者を、アイリーア群(アイリーア2mg投与)および偽注射群の2群に無作為に割り付けた。1日~20週目は4週ごとにアイリーア投与または偽注射を行った(固定投与期)。24〜48週目は、アイリーア群は4週ごとに評価を行い、再投与基準に従ってアイリーアを投与し、偽注射群は4週ごとに偽注射を行った。〔Extended dosing期(4週ごと診察)〕。52週目以降は、アイリーア群は8週ごとに評価を行い、再投与基準に従ってアイリーアを投与し、偽注射群では52週目は原則アイリーアを投与し、それ以降は8週ごとに評価を行い、再投与基準に従ってアイリーアを投与し、両群ともに76週目まで評価した〔Extended dosing期(8週ごと診察)〕。4週ごとに収縮期血圧及び拡張期血圧を測定し、52週目までのベースラインからの変化量を評価した。

安全性

副作用※1は、アイリーアを投与された146例※2中53例(36.3%)に認められた。

主な副作用

結膜出血20例(13.7%)、眼圧上昇15例(10.3%)、眼痛14例(9.6%)、眼刺激 8例(5.5%)

試験薬に関連する試験眼の重篤な有害事象
アイリーア投与群:黄斑浮腫、黄斑虚血(各1例)

試験薬に関連する全身性の重篤な有害事象

偽注射群:腎不全1例

試験薬に関連する投与中止に至った有害事象

アイリーア投与群:黄斑虚血1例

 

※1 投与手技に起因する有害事象を含む
※2 アイリーア群104例、偽注射+アイリーア群42例

 

効能追加承認時評価資料

日本人を含む第Ⅲ相国際共同試験:VIVID-DME試験
海外第Ⅲ相試験:VISTA-DME試験

VIVID
目的

中心窩に及ぶ糖尿病黄斑浮腫(DME)を有する患者を対象に、アイリーアの有効性について黄斑レーザー光凝固術に対する優越性を検証するとともに、安全性についても検討する

対象

VIVID-DME試験:DMEを有する患者:406例(うち、日本人:77例)
VISTA-DME試験:DMEを有する患者:466例

方法

対象患者を、アイリーア投与群(4週ごと投与群、8週ごと投与群)およびレーザー治療群の3群に無作為に割り付けた。アイリーア4週ごと投与群ではアイリーア2mgを4週ごとに投与した。アイリーア8週ごと投与群では、アイリーア2mgを4週ごとに5回投与した後、24週目以降は8週ごとに投与した。レーザー治療群では黄斑レーザー光凝固術による治療をベースライン時に1回行い、12週目以降はレーザー再治療基準に従い再治療を12週間に1回を超えない頻度で必要に応じて実施した(4週ごとに偽注射も実施)。4週ごとに収縮期血圧、拡張期血圧を測定し、52週目までのベースラインからの変化量を評価した。なお、VIVID-DME試験の事後解析として、アイリーアの全身曝露と全身薬力学的作用との関係を探索的に評価した。
†本事後解析は、アイリーアの「重要な潜在的リスク」に関連する検討のため掲載しています。

安全性

<VISTA-DME試験、VIVID-DME試験、VIVID-Japan試験の併合解析における有害事象(1年間)>
アイリーア2mgを投与された730例中276例(37.8%)に副作用が認められた。

主な副作用
結膜出血178例(24.4%)、眼痛51例(7.0%)、硝子体浮遊物33例(4.5%)

試験薬に関連する死亡
アイリーア8週ごと投与群:高血圧性心疾患1例

試験薬に関連する重篤な有害事象
レーザー治療群:腸炎1例
アイリーア4週ごと投与群:虚血性脳卒中1例
アイリーア8週ごと投与群:眼圧上昇、高血圧性心疾患、急性心筋梗塞・腎不全(各1例)

試験薬に関連する投与中止に至った有害事象
レーザー治療群:腸炎、突然視力消失、非感染性眼内炎(各1例)
アイリーア4週ごと投与群:虚血性脳卒中、心筋虚血、脳梗塞(各1例)
アイリーア8週ごと投与群:腎機能障害、末梢動脈閉塞症、急性心筋梗塞(各1例)

 

※ 投与手技に起因する有害事象を含む
VIVID-Japan試験:国内第Ⅲ相試験(日本人患者の安全性データの補完)

 

効能追加承認時評価資料
Kaiser PK, et al.: Invest Ophthalmol Vis Sci. 2016; 57: 3366

Protocol T試験・補足研究
<事前に規定された副次解析>(海外データ)

ProtocolT補足研究
目的

抗VEGF薬硝子体内投与後の血漿中VEGF濃度の評価

デザイン

多施設共同無作為化比較試験

対象

Protocol T試験に参加した、アイリーア2.0mg、ベバシズマブ1.25mg※1、ラニビズマブ0.3mg※2群のいずれかに無作為に割り付けられた中心窩に及ぶDMEを有する患者660例のうち、本補足研究への参加に合意が得られ、血漿サンプルが収集された436例

方法

ベースライン時、4週目、52週目、および104週目の来院時に、各抗VEGF薬の投与前に血漿サンプルを採取し、副次解析として血漿中の遊離型VEGF濃度をELISA法にて測定し、全身性の副作用(有害事象など)との関連性について検討した。
有害事象の発現は追跡期間を通して前向きに記録された。

評価項目

•APTCイベント(非致死性脳卒中/心筋梗塞)などの有害事象
•血漿中VEGF濃度およびその変化量 など
•上記評価項目間の関連性
なお、Protocol T試験自体の主要評価項目(全症例対象)は、52週時における最高矯正視力文字数のベースラインからの変化量であった。

解析計画

•分散の安定化およびデータの正規化を図り回帰分析を行うために、血漿中の遊離型VEGF濃度を自然対数に変換する。
•log(VEGF)濃度の平均変化量は、ベースライン時のlog(VEGF)濃度で調整した共分散分析(ANCOVA)を使用してPairwise法で群間比較を行い、Hochberg法により多重性の調整を行う。なお、外れ値による影響を最小限に抑えるため、平均値から3SD以上の数値は切り捨てる。

利益相反

本試験で用いられた薬剤(アフリベルセプト)はRegeneronより提供された。著者にRegeneron、Bayerから経済的支援、謝礼を受領している者、役員、コンサルタントをしている者が含まれる。

 

※1:日本におけるベバシズマブの糖尿病黄斑浮腫への適応は未承認である。
※2:日本におけるラニビズマブの糖尿病黄斑浮腫に対する承認用法及び用量は「ラニビズマブ(遺伝子組換え)として1回あたり0.5mg(0.05mL)を硝子体内投与する。投与間隔は、1ヵ月以上あけること。」

 

Jampol LM, et al.: Ophthalmology. 2018; 125: 1054-1063

アイリーアの中心窩下脈絡膜新生血管を伴う加齢黄斑変性における用法及び用量:
アフリベルセプト(遺伝子組換え)として2mg(0.05mL)を1ヵ月ごとに1回、連続3回(導入期)硝子体内投与する。その後の維持期においては、通常、2ヵ月ごとに1回、硝子体内投与する。なお、症状により投与間隔を適宜調節するが、1ヵ月以上あけること。