COVID-19の重症化のリスク因子を有する患者さんに向けた治療のご提案

nAMD

高齢者・糖尿病患者はCOVID-19の重症化のリスク因子と考えられています

厚生労働省の発表によるCOVID-19の重症化のリスク因子1)

厚生労働省の発表によるCOVID-19の重症化のリスク因子

 

COVID-19 REGISTRY JAPAN(COVID-19 レジストリ研究)のデータでは、うっ血性心不全、末梢動脈疾患、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、軽度糖尿病は登録された入院患者全体に占める割合と比べて、中等症、重症の中で占める割合の方が多いことから、重症化のリスク因子の可能性が高いと考えられる。


【参考】国立国際医療研究センター. COVID-19 レジストリ研究に関する中間報告について.

アイリーア投与患者には、65歳以上の高齢者や糖尿病患者など、COVID-19の重症化のリスク因子を有する患者が含まれています

PMS対象患者の年齢分布(nAMD)2)

PMS対象患者の年齢分布(nAMD)

PMS対象患者の年齢分布(DME)3)

PMS対象患者の年齢分布(DME)

 

PMS(post marketing surveillance) nAMD(neovascular age-related macular degeneration)
DME(diabetic macular edema) EDC(electronic data capture)


1) 厚生労働省HP. 新型コロナウイルス感染症 COVID-19 診療の手引き第3版(https://www.mhlw.go.jp/content/000668291.pdf
2) アイリーアⓇ硝子体内注射液40mg/mL 特定使用成績調査(PMS)の最終報告-中心窩下脈絡膜新生血管を伴う加齢黄斑変性(nAMD)-
3) アイリーアⓇ硝子体内注射液40mg/mL 特定使用成績調査(PMS)の最終報告-糖尿病黄斑浮腫(DME)-
4) 厚生労働省網膜脈絡膜・視神経萎縮症調査研究班加齢黄斑変性診断基準作成ワーキンググループ:日眼会誌. 2008; 112: 1076-1084.

nAMD

ALTAIR試験(国内第Ⅳ相試験)

Ohji M, et al.: Adv Ther. 2020; 37: 1173 -1187.

試験概要

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目的

nAMD患者において、アイリーア硝子体内投与の間隔を最短8週および最長16週として、2つの投与間隔の調節方法(2週幅調節と4週幅調節)における有効性および安全性を検討する。

デザイン

96週、無作為化、多施設共同(国内41施設)、オープンラベル、第Ⅳ相臨床試験

対象

50歳以上で、活動性の中心窩下脈絡膜新生血管(CNV)病変を伴う未治療nAMD患者
(ETDRS視力表による最高矯正視力文字数が73~25文字、スネレン視力20/40~20/320相当)

方法

導入期投与としてアイリーア(アフリベルセプトとして2mg)を3回連続毎月投与後、16週時にT&Eレジメンに基づき、アイリーア2週幅調節群と4週幅調節群に1:1になるよう無作為に割り付けた。4週幅調節群における4週短縮後は、2週間隔で調節した。

評価例数

安全性解析対象集団(SAS):254例(2週幅調節群:124例、4週幅調節群:123例、無作為化割付前脱落:7例)
最大の解析対象集団(FAS):246例(2週幅調節群:123例、4週幅調節群:123例)

主な評価項目

<主要評価項目>52週時における最高矯正視力文字数のベースラインからの変化量
<副次評価項目>52週時における15文字以上視力が改善した患者の割合 など
<その他の評価項目>96週時における上記の項目
<投与に関する評価項目>平均投与回数、平均投与間隔、最終投与時の投与間隔 など
<安全性評価項目>治療下で発現した有害事象(TEAE)、すべての有害事象、APTC定義に基づく動脈血栓塞栓事象 など

解析計画

探索的な解析
・主要評価項目、副次評価項目、その他の評価項目、投与に関する評価項目:FAS
・安全性評価項目:SAS
・部分集団解析:nAMDの病型別の部分集団解析、16週時点における滲出の有無別の部分集団解析 など
すべての統計解析は探索的であり、検証的な解析は行わなかった。記述的に統計学的な比較を可能とする例数設計に基づき、両群が達成したアウトカムを記述した。なお、欠測値はLOCF法によって補完した。

利益相反

本研究はバイエル薬品の資金によって実施され、同社は試験デザイン作成、試験実施、データ収集、データ管理、データ解析、ならびに原稿作成などに関与した。著者のうち3名は、バイエルヘルスケアAG、バイエル薬品、あるいは参天製薬からコンサルタント料や研究助成金などを受領している。また、著者のうち3名は、バイエル薬品の社員である。

CNV:choroidal neovascularization  ETDRS :early treatment diabetic retinopathy study  T&E :treat and extend
SAS(safety analysis set):無作為化割付前に1回以上試験薬の投与を受けたすべての患者
FAS(full analysis set):無作為化割付後に1回以上試験薬の投与を受け、ベースラインと無作為化割付後に1回以上の最高矯正視力の評価を受けたすべての患者
TEAE(treatment-emergent adverse event):初回投与から最終投与後30日以内に生じた有害事象
APTC:antiplatelet trialists’ collaboration LOCF(last observation carried forward):最終評価スコア外挿法

患者背景および疾患特性(FAS)

患者背景および疾患特性(FAS)

 

* 重複あり
† 2週幅調節群の2例、4週幅調節群の1例は分類不明、4週幅調節群の1例はCNVが認められなかった。
SD(standard deviation):標準偏差

アイリーアのT&E投与により、52週時において2週幅調節群で+9.0文字、4週幅調節群で+8.4文字の変化が認められました

最高矯正視力文字数のベースラインからの変化量の推移(FAS)

最高矯正視力文字数のベースラインからの変化量の推移(FAS)

96週までの投与回数、平均(SD)

96週までの投与回数、平均(SD)

 

各群の平均値(95%CI)は1標本t統計量、群間差は投与群とnAMDの病型を固定効果、ベースライン最高矯正視力文字数を共変量としたANCOVAモデルによって算出した。欠測値はLOCF法によって補完した。
ANCOVA(analysis of covariance)

96週までの最終投与間隔は、約6割が12週以上、約4割が16週でした

96週までの最終投与間隔(FAS)

96週までの最終投与間隔(FAS)

96週までに投与間隔が16週まで延長された後、短縮されず16週のまま試験を終了した患者の割合は2週幅調節群で41.5%、4週幅調節群で42.3%でした

96週までに投与間隔が16週まで延長された患者の割合と投与間隔が8週のままで延長できなかった患者の割合(FAS)

96週までに投与間隔が16週まで延長された患者の割合と投与間隔が8週のままで延長できなかった患者の割合(FAS)
参考

すべてのTEAEは2週幅調節群で68.5%、4週幅調節群で69.9%、APTC定義に基づく動脈血栓塞栓事象は2週幅調節群で0.8%、4週幅調節群で1.6%に認められました。また、試験薬に関連する重篤な有害事象として白内障2例(2週幅調節群、4週幅調節群 各1例)、脳血管発作1例(4週幅調節群)、試験薬に関連する投与中止に至った有害事象として蕁麻疹1例(4週幅調節群)が認められ、本試験において試験薬に関連する死亡は報告されませんでした

安全性(96週、SAS)

安全性(96週、SAS)

 

* 無作為割り付け前脱落の理由は「医師の判断」(n=1)、「通院困難」(n=1)、「試験実施計画書違反」(n=2)、「患者による同意の撤回」(n=3)。
† いずれかの群で確認された眼に関連するTEAE≧2%
‡ いずれかの群で確認された全身性のTEAE≧3%

安全性(96週、SAS)

試験薬に関連する重篤な有害事象:白内障2例(2週幅調節群、4週幅調節群 各1例)、脳血管発作1例(4週幅調節群)
試験薬に関連する投与中止に至った有害事象:蕁麻疹1例(4週幅調節群)
試験薬に関連する死亡:本試験において試験薬に関連する死亡は報告されなかった

 

ALTAIR試験 社内資料

 

* 無作為割り付け前脱落の理由は「医師の判断」(n=1)、「通院困難」(n=1)、「試験実施計画書違反」(n=2)、「患者による同意の撤回」(n=3)。
§ 2例で3件報告された。
有害事象の報告にはMedDRA version 19.1が用いられた。
MedDRA(medical dictionary for regulatory activities)

DME

長期追跡調査におけるアイリーアおよびラニビズマブの有効性、安全性の検討(海外データ)

Chatzirallis A, et al.: Cutan Ocul Toxicol. 2020: 39: 317-322.

試験概要

目的

DMEの治療のためにアフリベルセプト(アイリーア)およびラニビズマブを投与した患者の長期追跡調査における形態学的および機能的転帰を比較し、有効性および安全性を検討する。

デザイン

前向き、無作為化比較試験

対象

2016年7月~2018年6月に、アテネ大学眼科で抗VEGF薬を投与し18ヵ月間のフォローアップを行った中心窩に及ぶDME(中心網膜厚(CRT)320μm以上)を有する未治療の2型糖尿病患者112例112眼

方法

ベースライン時に対象患者をアイリーア投与群58例、ラニビズマブ投与群54例の2群に無作為に割り付けた。導入期投与としてアイリーア2mgまたはラニビズマブ0.5mgを3回毎月投与後、PRN投与(毎月の来院時に、黄斑浮腫の厚みが320μm以上であった場合および/または視力がスネレン指標で1ライン以上低下した場合に再投与を行う)を実施した。

評価項目

<主要評価項目>最高矯正視力文字数およびCRTの12ヵ月後、18ヵ月後におけるベースラインからの変化量およびその群間比較
<副次評価項目>視力予後因子

解析計画

主要評価項目:群間比較には独立標本に対しStudent t検定、またはMann-Whitney-Wilcoxon検定を必要に応じて用い、ベースラインと各時点の比較にはWilcoxon matched-pairs符号順位検定を用いて評価した。多重比較の調整には必要に応じてBonferroni補正を行った。
副次評価項目:視力予後因子は一般化最小二乗法を用いたランダム効果線形回帰分析を用いて評価した。視力を従属変数、年齢、性別、高血圧、脂質異常症、糖尿病罹患期間、HbA1c値、CRT、hyperreflective fociの有無、網膜下液の有無、ellipsoid zoneの状態を独立変数とし、時間(月単位)で常時調整されたモデルとして設定した。

CRT(central retinal thickness)

最高矯正視力文字数の12ヵ月後、18ヵ月後におけるベースラインからの変化量に群間差は認められませんでした

最高矯正視力文字数の推移

最高矯正視力文字数の推移

CRTの12ヵ月後、18ヵ月後におけるベースラインからの変化量についても群間差は認められませんでした

CRTの推移

CRTの12ヵ月後、18ヵ月後におけるベースラインからの変化量についても群間差は認められませんでした

18ヵ月目における平均投与回数は、アイリーア投与群で7.6回、ラニビズマブ投与群で9.2回でした

平均投与回数(18ヵ月目)

18ヵ月目における平均投与回数は、アイリーア投与群で7.6回、ラニビズマブ投与群で9.2回でした

本試験において眼および全身性の重篤な副作用は報告されませんでした
安全性情報はDIをご参照ください

アフリベルセプトは、眼内においてVEGF結合活性の持続が推定されました

アフリベルセプトとラニビズマブの硝子体内投与によるVEGF結合活性持続時間
動物データ(サル、ウサギ)と結合親和性(in vitro)をもとにしたシミュレーションモデル解析

アフリベルセプトとラニビズマブの硝子体内投与によるVEGF結合活性持続時間

ALTAIR試験のまとめ1)

  • 対象患者の平均年齢は74歳でした。
  • 96週までの最終投与間隔が16週であった患者の割合は、2週幅調節群で41.5%、4週幅調節群で46.3%でした。
  • 96週までに投与間隔が16週まで延長された後、短縮されず16週のまま試験を終了した患者の割合は2週幅調節群で41.5%、4週幅調節群で42.3%でした。
  • すべてのTEAEは2週幅調節群で68.5%、4週幅調節群で69.9%、APTC定義に基づく動脈血栓塞栓事象は2週幅調節群で0.8%、4週幅調節群で1.6%に認められました。また、試験薬に関連する重篤な有害事象として白内障2例(2週幅調節群、4週幅調節群 各1例)、脳血管発作1例(4週幅調節群)、試験薬に関連する投与中止に至った有害事象として蕁麻疹1例(4週幅調節群)が認められ、本試験において試験薬に関連する死亡は報告されませんでした。

Chatzirallis A, et al.: Cutan Ocul Toxicol. 2020(海外データ)のまとめ2)

  • ベースラインから12ヵ月、18ヵ月後の最高矯正視力文字数およびCRTの変化量において、アイリーア投与群とラニビズマブ投与群に有意な群間差は認められませんでしたが、両群ともにベースラインと比べて有意な改善が認められました。
  • 18ヵ月目における平均投与回数はアイリーア群で7.6回、ラニビズマブ群で9.2回でした。

VEGF結合活性について3)

  • 動物データと結合親和性をもとにしたシミュレーションモデル解析の結果、アフリベルセプト1.15mg投与79日後の結合活性は、ラニビズマブ0.5mg投与30日後の結合活性に相当しました。

 

1) Ohji M, et al.: Adv Ther. 2020; 37: 1173-1187.
2) Chatzirallis A, et al.: Cutan Ocul Toxicol. 2020: 39: 317-322.
3) Stewart MW, et al.: Br J Ophthalmol. 2008; 92: 667-668.