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今求められる抗VEGF薬治療の負担軽減と長期視力維持
ーアイリーアT&Eと最大延長Q16の意義ー

Ophthalmology Web Conference
開催:2021年2月10日 19:00~20:00

安川 力 先生

安川 力 先生

名古屋市立大学大学院医学研究科
視覚科学分野(眼科) 教授

抗VEGF薬の特徴

現在臨床で用いられている抗VEGF薬の分子の質量は、アフリベルセプト約115kDa1)、ラニビズマブ約48kDa2)、ブロルシズマブ約26kDa3)であり、分子量の違いが網膜色素上皮(RPE)の透過性や脈絡膜組織への留まりにくさ(体循環への回収のされやすさ)に関わっているのではないかと考えている。

VEGF-VEGF受容体結合阻害作用をin vitroで検討した報告によると、ラニビズマブのVEGF-Aに対するIC50値(50%抑制濃度)は576~1,140pMであるのに対し、アフリベルセプトのIC50値は15~26pMであることが示された4)。また、シミュレーションモデルを用いた検討において、ラニビズマブ0.5mg投与後30日目のVEGF結合活性は、等モルのアフリベルセプト1.15mgでは79日目に相当することが示された(図1)5)

自身の症例においても持続性を実感した経験があるが、アフリベルセプトは眼内においてVEGF結合活性の持続が期待される。

図1 アフリベルセプトとラニビズマブの硝子体内投与によるVEGF結合活性持続時間
<動物データ(サル、ウサギ)を基にしたシミュレーションモデル解析>

図1 アフリベルセプトとラニビズマブの硝子体内投与によるVEGF結合活性持続時間

Stewart MW, et al.: Br J Ophthalmol. 2008; 92: 667-668.

治療離脱を考慮したnAMDの長期管理

nAMDにおける長期の視力維持のためには、しっかりと治療を継続することが重要であるということは古泉先生が述べられた通りであり、個々の患者における適切な投与間隔を見つけるT&E(Treat and Extend)では、投与回数を減らすために、できる限り投与間隔を延長したいと考えている。一方で、nAMDは高齢者の慢性疾患であることから治療導入期と維持期の後に離脱期がくることを想定し、治療の離脱についても考えておくことが重要であると考えている。治療の離脱には、患者の全身状態などの都合、経済面や性格、視力改善の見込みがない、などの消極的な離脱と、治療をやめる方向で検討する積極的な離脱がある。積極的な離脱では、禁煙6)やサプリメント6)摂取、プロアクティブな治療から経過観察〔PRN(Pro Re Nata)〕へ戻すことも考慮している。

積極的な離脱を模索する上で重要な臨床所見

SUSTAIN試験7)では、ラニビズマブのPRN投与が行われており、導入期投与の後の再発間隔が検討されている。約半数の症例では再発が少なく、4分の1程度の症例では2~3ヵ月ごとに再発し、残りの症例では毎月投与が必要であったと報告されている。なお、JFK試験における2年目の投与間隔が1ヵ月であった患者の割合は20.6%であった8)

アイリーアの日本人を含む第Ⅲ相臨床試験であるVIEW2試験では、アイリーア2mg8週ごと投与について検討されており、52週目に視力が維持された患者の割合(主要評価項目)はアイリーア投与群で95.6~96.3%であった。ラニビズマブ投与群との群間差(ラニビズマブ投与群-各アイリーア投与群;信頼区間は正規近似を用いた)の両側95%信頼区間の上限は、いずれも2.6%以下で非劣性限界値(10%)を下回ったことから、アイリーアのすべての投与群でラニビズマブ投与群に対する非劣性が検証された。中心網膜厚(CRT)の変化量については、アイリーア2mg8週ごと投与群の固定投与期において、投与と投与の間で平均値に上下変動が認められたが(図2)9)、SUSTAIN試験やJFK試験で報告されたように毎月投与が必要な症例が含まれており、これらの症例における再発が影響したのではないかと考えている。ただし、視力の変化量についてはCRTのような変動は見られなかったことから、視力への影響は少ない可能性があるのではないかと考えている。

図2 VIEW2試験:CRTの変化量の推移

(LOCF、FAS)

図2 VIEW2試験:CRTの変化量の推移

※:92週目に再投与が行われた患者では、100週目の結果を最終評価として用いた

承認時評価資料

実際に、ラニビズマブのT&Eを検討したFLUID試験10)では、滲出が視力に与える影響を検討するために、網膜内液(IRF)と網膜下液(SRF)の消失を目指して投与間隔を調節するIntensive群と、200μm以下のSRFは許容して投与間隔を調節するRelaxed群を比較した結果が報告されている。また、CATT試験11)の5年成績においてもSRFをはじめ各因子の視力への影響が検討されており、これら複数の検討から抗VEGF薬治療を行ってもなお残存するSRF所見は、視力への影響が少ない可能性が示唆された。一方、大きな脈絡膜新生血管(CNV)、網膜下高輝度物質(フィブリン、出血など)は視力への影響が懸念されるため、OCT所見だけでなくカラー眼底所見も考慮するなど、多角的に経過観察することが重要である。

ALTAIR試験から見る16週までの投与間隔延長の意義

ALTAIR試験12)は未治療のnAMD患者247例を対象に、アイリーア2mgのT&Eにおける2週幅調節群と4週幅調節群の有効性および安全性を検討した、国内第Ⅳ相試験である。最短投与間隔8週、最長投与間隔16週と設定されていること、滲出液が残存していても、残存する滲出液が前回来院時よりも減少していれば投与間隔は変えず、維持の基準が設定されていることが特徴である(表1)

表1 ALTAIR試験:T&Eレジメンの特徴

表1 ALTAIR試験:T&Eレジメンの特徴

*1:光干渉断層計(optical coherence tomography;OCT)による評価
*2:中心窩を中心とした直径1mmのサブフィールド内
*3:網膜内あるいは網膜下
*4:OCTスキャン領域全体

Ohji M, et al.: Adv Ther. 2020; 37(3): 1173 -1187.より作成

JFK試験では、2年間の平均投与回数が13.0回8)であったが、ALTAIR試験では2週幅調節群、4週幅調節群ともに10.4回であったことから、最小投与間隔と最大投与間隔の設定の違いがこの結果に影響しているのではないかと考えている。

2週幅調節群と4週幅調節群で比較は行われていないものの、96週時の視力の変化量の平均値は2週幅調節群で+7.6文字、4週幅調節群で+6.1文字であり、CRTの変化量の平均値も2週幅調節群の方が上下変動が少ないように見える(図3)ことから、個人的には2週幅で調整する方が良いと感じている。ただし、96週までの最終投与間隔が8週であった患者の割合は、2週幅調節群で37.4%、4週幅調節群で33.3%であり(図4)、これらの患者ではVIEW2試験で示されたように、CRTの変化量は変動しても視力への影響は少ないのではないかと考えている。一方、投与間隔が16週であった患者の割合は、2週幅調節群で41.5%、4週幅調節群で46.3%であり、SUSTAIN試験で示された再発間隔の割合を考慮すると、16週まで延長できた患者は休薬(治療離脱)できる可能性があるのではないかと考えられる。また、JFK試験では2年目の投与間隔が3ヵ月であった患者の割合が60.8%であったと報告されており8)、この中には4ヵ月へ延長できた患者も含まれると考えると、個人的にはALTAIR試験のように16週(4ヵ月)まで延長する意義があるのではないかと考える。

図3 ALTAIR試験:CRTの変化量の推移

(LOCF、FAS)

図3 ALTAIR試験:CRTの変化量の推移

各群の平均値(95%CI)は1標本t統計量、群間差は投与群とnAMDの病型を固定効果、ベースライン最高矯正視力文字数を共変量としたANCOVAモデルによって算出した

Ohji M, et al.: Adv Ther. 2020;37(3);1173-1187.

図4 ALTAIR試験:96週までの最終投与間隔

(投与に関する評価項目:FAS)

図4 ALTAIR試験:96週までの最終投与間隔

Ohji M, et al.: Adv Ther. 2020;37(3): 1173-1187.

おわりに

角膜の内皮数が加齢とともに徐々に減少するのと同様に、RPEは加齢や滲出によるダメージにより萎縮していくと考えられており、薬剤の過剰投与がそのリスクとなる可能性もあることから、T&Eであっても長期の視力低下は避けることができない。

nAMDは治療だけでなく、①禁煙6 )、②サプリメント6 )、③遮光といった発症予防が重要であると考える。長期予後を見据え、RPEをできるだけ萎縮させず、治療離脱を考慮した治療を行い、僚眼の発症を予防することが、nAMDという難病の本質を踏まえた治療であると考える。

1) アイリーア®インタビューフォーム [2020年6月改訂(第14版)]
2) ルセンティス®インタビューフォーム [2019年11月改訂(第15版)]
3) ベオビュ®インタビューフォーム [2020年7月改訂(第4版)]
4) Papadopoulos N, et al.: Angiogenesis. 2012; 15(2): 171-185.
5) Stewart MW, et al.: Br J Ophthalmol. 2008; 92: 667-668.
6) 髙橋 寛二 ほか:日眼会誌 2012; 116(12): 1150-1155.
7) Holz FG, et al.: Ophthalmology. 2011; 118(4): 663-671.
8) Maruko I, et al.: Ophthalmol Retina. 2020; 4(8): 767-776.
9) 承認時評価資料
10) Guymer RH, et al.: Ophthalmology. 2019; 126(5): 723-734.
11) Jaffe GJ, et al.: Ophthalmology. 2019; 126(2): 252-260.
12) Ohji M, et al.: Adv Ther. 2020; 37(3): 1173-1187.

 

ALTAIR試験(国内第Ⅳ相試験)

試験概要

目的

nAMD患者において、アイリーア硝子体内投与の間隔を最短8週および最長16週として、2つの投与間隔の調節方法(2週幅調節と4週幅調節)における有効性および安全性を検討する。

試験対象

50歳以上で、活動性の中心窩下CNV病変を伴う未治療の滲出型AMD患者 (ETDRS視力表による最高矯正視力文字数が73~25文字、スネレン視力20/40~20/320相当)

試験デザイン

96週、無作為化、多施設共同(国内41施設)、オープンラベル、第Ⅳ相臨床試験

投与方法

導入期投与としてアイリーア(アフリベルセプトとして2mg)を3回連続毎月投与後、16週時にT&Eレジメンに基づき、アイリーア2週幅調節群と4週幅調節群に1:1になるよう無作為に割り付けた。4週幅調節群における4週短縮後は、2週間隔で調節した。

評価例数

安全性解析対象集団(SAS*1):254例(2週幅調節群:124例、4週幅調節群:123例、無作為化割り付け前脱落:7例)
最大の解析対象集団(FAS*2):246例(2週幅調節群:123例、4週幅調節群:123例)

評価項目

主要評価項目:
52週時における最高矯正視力文字数のベースラインからの変化量
副次評価項目:
52週時における15文字以上視力が改善した患者の割合、52週時における中心網膜厚(CRT)のベースラインからの変化量、など
その他の評価項目:
96週時における上記の項目
投与に関する評価項目:
平均投与回数、平均投与間隔、最終投与時の投与間隔、など
安全性評価項目:
治療下で発現した有害事象(TEAE*3)、すべての有害事象、など

解析計画

探索的な解析

  • 主要評価項目、副次評価項目、その他の評価項目、投与に関する評価項目:FAS
  • 安全性評価項目:SAS
  • 部分集団解析:nAMDの病型別の部分集団解析、16週時点における滲出の有無別の部分集団解析、など

すべての統計解析は探索的であり、検証的な解析は行わなかった。記述的に統計学的な比較を可能とする例数設計に基づき、両群が達成したアウトカムを記述した。なお、欠測値はLOCF法によって補完した。

利益相反

本研究はバイエル薬品の資金によって実施され、同社は試験デザイン作成、試験実施、データ収集、データ管理、データ解析、ならびに原稿作成などに関与した。著者のうち3名は、バイエルヘルスケアAG、バイエル薬品、あるいは参天製薬からコンサルタント料や研究助成金などを受領している。また、著者のうち3名は、バイエル薬品の社員である。

*1:無作為化割り付け前に1回以上試験薬の投与を受けたすべての患者
*2:無作為化割り付け後に1回以上試験薬の投与を受け、ベースラインと無作為化割り付け後に1回以上の最高矯正視力の評価を受けたすべての患者
*3:初回投与から最終投与後30日以内に生じた有害事象
LOCF:最終評価スコア外挿法

安全性(96週、SAS)

すべてのTEAEは2週幅調節群で85例(68.5%)、4週幅調節群で86例(69.9%)であった。

ALTAIR試験(国内第Ⅳ相試験)安全性(96週、SAS)

試験薬に関連する重篤な有害事象:
白内障2例(2週幅調節群、4週幅調節群 各1例)、脳血管発作1例(4週幅調節群)
試験薬に関連する投与中止に至った有害事象:
蕁麻疹1例(4週幅調節群)
試験薬に関連する死亡:
本試験において試験薬に関連する死亡は報告されなかった

ALTAIR試験 社内資料

*:無作為割り付け前脱落の理由は「医師の判断」(n=1)、「通院困難」(n=1)、「試験実施計画書違反」(n=2)、「患者による同意の撤回」(n=3)。
†:いずれかの群で確認された眼に関連するTEAE≧2%
‡:いずれかの群で確認された全身性のTEAE≧3%
∮:2例で3件報告された。
TEAE:Treatment-emergent adverse event
APTC:Antiplatelet Trialists’ Collaboration
有害事象の報告にはMedDRA version 19.1が用いられた。

Ohji M, et al.: Adv Ther. 2020; 37(3): 1173-1187.

本剤は海外で実施された第Ⅰ相試験、第Ⅱ相試験の結果および海外第Ⅲ相試験、日本人を含む第Ⅲ相国際共同試験を基に承認されました。 承認時に評価されたデータを紹介しますが、一部国内の承認内容と異なる成績が含まれています。

 

VIEW2試験(日本人を含む第Ⅲ相国際共同試験)

試験概要

目的

中心窩下CNVを伴う滲出型加齢黄斑変性(AMD)患者を対象として、アイリーアの有効性についてラニビズマブ0.5mg4週ごと投与に対する非劣性を検証するとともに、安全性および忍容性についても検討する。

試験対象

中心窩下CNVを伴う滲出型AMD患者1,240例(うち日本人:101例)

[主な選択基準]

  • 試験眼において、FAにより確認されたAMDに伴う初発の中心窩下CNVの活動性病変(傍中心窩CNV病変を含む)を有する50歳以上の男女
  • CNV病変面積が病変全体の50%以上
  • 試験眼のETDRS視力表による最高矯正視力文字数が73~25文字(スネレン視力で20/40~20/320) など
試験デザイン

無作為化二重遮蔽実薬対照比較試験

投与方法

対象患者を、アイリーア2mg4週ごと投与群、0.5mg4週ごと投与群、2mg8週ごと投与群、およびラニビズマブ0.5mg4週ごと投与群の4群に無作為に割り付け、硝子体内投与を行った。治療開始時は全群4週ごと投与を3回連続行い、その後は各群の投与スケジュールに従い投与した(固定投与期)。 52週経過後は、各群ともに投与間隔を12週に1回を基本とし、再投与基準に合致した場合は、それ以前(4週あるいは8週)に投与できることとした(Modified Quarterly Dosing期)。

主な有効性評価項目

主要評価項目:
52週目に視力が維持(ETDRS視力表による最高矯正視力文字数の低下が15文字未満)された患者の割合
副次評価項目:
以下の項目の52週目におけるベースラインからの変化量(①最高矯正視力文字数、②視力が改善(最高矯正視力文字数が15文字以上増加)した患者の割合、③NEI VFQ-25合計スコア、④CNV病変面積)
追加評価項目:
中心網膜厚(CRT)の変化量 など
探索的評価項目:
96週目(2年目)終了時のすべての評価※1

主な安全性評価項目

有害事象、副作用、重篤な有害事象、投与中止に至った有害事象、死亡、APTC定義による動脈血栓塞栓事象 など

解析計画

検証的な解析
主要評価項目(PPS):アイリーア投与群のラニビズマブ投与群に対する非劣性の検証(限界値※210%)。検定の多重性を考慮し、事前に定めた順序(アイリーア2mg4週ごと投与群、アイリーア0.5mg4週ごと投与群、アイリーア2mg8週ごと投与群)に従い検定を行う。
副次評価項目(FAS):アイリーア投与群のラニビズマブ投与群に対する優越性の検証。ただし、検定の多重性を考慮し、すべてのアイリーア投与群において、主要評価項目で非劣性が検証された場合に限り、事前に定めた順序(アイリーア2mg4週ごと投与群の①②③、アイリーア0.5mg4週ごと投与群の①②③、アイリーア2mg8週ごと投与群の①②③、各群の④)に従い検定を行う。

探索的な解析
追加評価項目(FAS)
探索的評価項目(FAS)
部分集団解析:VIEW2試験における日本人の部分集団解析 など

FA(fluorescein angiography):フルオレセイン蛍光眼底造影
PPS(per protocol set):治験実施計画書に適合した患者集団
FAS(full analysis set):最大の解析対象集団
NEI VFQ-25(National Eye Institute 25-item Visual Function Questionnaire):米国国立眼病研究所の25項目からなる視覚機能についてのアンケート
※1:92週目に再投与が行われた患者では、100週目の結果を最終評価として用いた(CNV病変面積、NEI VFQ-25合計スコア、CRT)
※2:両側95%信頼区間

VIEW1試験、VIEW2試験の安全性(2年間の有害事象発現率;SAF)

国内外で実施された第Ⅲ相試験[VIEW1試験、VIEW2試験の併合解析(2年間)]において、副作用*1は、アイリーア投与群a)に割り付けられた1,824例中896例(49.1%)、ラニビズマブ投与群で595例中311例(52.3%)に認められた。

主な副作用は、アイリーア投与群で結膜出血480例(26.3%)、眼痛158例(8.7%)、眼圧上昇89例(4.9%)、ラニビズマブ投与群で結膜出血171例 (28.7%)、眼痛54例(9.1%)、眼圧上昇39例(6.6%)などであった。

第Ⅲ相試験:VIEW1試験(海外データ)試験概要
【対象】中心窩下CNVを伴う滲出型AMD患者1,217例
【方法】VIEW2試験に同じ

承認時評価資料

VIEW2試験における試験薬に関連する重篤な有害事象、投与中止に至った有害事象、死亡など

試験薬に関連する試験眼の重篤な有害事象
アイリーア投与群:4例(0.4%)[網膜出血、視力低下、網膜色素上皮裂孔、白内障(各1例)]
ラニビズマブ投与群:1例(0.3%)[網膜色素上皮裂孔(1例)]

試験薬に関連する全身性の重篤な有害事象
アイリーア投与群:9例(1.0%)[脳血管発作(3例)、一過性脳虚血発作、急性冠動脈症候群、ラクナ梗塞、心筋梗塞、虚血性脳卒中、腎不全(各1例)]
ラニビズマブ投与群:0例

APTC定義による動脈血栓塞栓事象b)
アイリーア投与群:非致死性心筋梗塞13例(1.4%)、血管死11例(1.2%)、非致死性脳卒中5例(0.5%)
ラニビズマブ投与群:非致死性心筋梗塞4例(1.4%)、非致死性脳卒中2例(0.7%)、血管死1例(0.3%)

試験薬に関連する投与中止に至った有害事象
アイリーア投与群:脳血管発作*2(3例)、黄斑変性、視力低下、網膜出血、薬疹、急性冠動脈症候群、ラクナ梗塞、虚血性脳卒中、腎不全、歩行障害*2、会話障害*2(各1例)
ラニビズマブ投与群:0例

試験薬に関連する死亡
アイリーア投与群:脳血管発作、虚血性脳卒中(各1例)
ラニビズマブ投与群:0例

日本におけるアイリーアの中心窩下脈絡膜新生血管を伴う加齢黄斑変性の用法及び用量
アフリベルセプト(遺伝子組換え)として2mg(0.05mL)を1ヵ月ごとに1回、連続3回(導入期)硝子体内投与する。その後の維持期においては、通常、2ヵ月ごとに1回、硝子体内投与する。なお、症状により投与間隔を適宜調節するが、1ヵ月以上あけること。

日本におけるラニビズマブの中心窩下脈絡膜新生血管を伴う加齢黄斑変性症に対する承認用法及び用量
ラニビズマブ(遺伝子組換え)として0.5mg(0.05mL)を1ヵ月毎に連続3ヵ月間(導入期)硝子体内投与する。その後の維持期においては、症状により投与間隔を適宜調節するが、1ヵ月以上の間隔をあけること。