アイリーアの有効性・安全性

 

RVOの病態生理とアイリーアの有効性および安全性

〈臨床成績〉日本人を含む第Ⅲ相国際共同試験(VIBRANT試験)

BRVOに伴う黄斑浮腫を有する患者において、アイリーア4週ごと投与により投与開始後早期から得られた視力改善は、24週以降も8週ごと投与の継続により52週目まで維持されました

最高矯正視力文字数の変化量の推移(LOCF、FAS)VIBRANT

(24週:二次的評価項目、52週:追加評価項目)

最高矯正視力文字数の平均変化量

効能追加承認時評価資料

主要評価項目の結果:
24週目にベースラインから15文字以上の視力改善がみられた患者の割合は、アイリーア投与群52.7%、レーザー治療群26.7%であり、アイリーア投与群のレーザー治療群に対する優越性が検証された。

VIBRANT試験における副作用

副作用発現率(52週間)VIBRANT

副作用注1)は日本人を含む国際共同試験で実施された第Ⅲ相試験(52週間)において、本剤2mgを投与された158例(本剤群91例、対照群67例)中43例(27.2%)に認められました。主な副作用は、結膜出血26例(16.5%)でした。
うち本剤を投与された日本人症例18例(本剤群11例、対照群7例)中3例(16.7%)に副作用〔眼圧上昇、眼痛、尿中血陽性、尿中ブドウ糖陽性、蛋白尿:各1例(5.6%)〕が認められました。なお、本試験では試験薬に関連する試験眼の重篤な有害事象および試験薬に関連する全身性の重篤な有害事象は認められませんでしたが、試験薬に関連する投与中止に至った有害事象がアイリーア投与群の1例(眼圧上昇)に認められました。(効能追加承認時)
また、重大な副作用注2)として、眼障害(眼内炎、眼圧上昇、硝子体剥離、外傷性白内障、網膜出血、網膜色素上皮裂孔、硝子体出血、網膜剥離、網膜裂孔、網膜色素上皮剥離)、および脳卒中が報告されています。

副作用発現率(52週間)

効能追加承認時評価資料

〈試験概要〉
目的:
BRAVOに伴う黄斑浮腫を有する患者を対象に、アイリーアの有効性について黄斑レーザー光凝固術に対する優越性を検証するとともに、安全性についても検討する。
実施施設:
米国、カナダおよび日本の3ヵ国、62施設
デザイン:
無作為化二重遮蔽比較対照試験
対象:
BRAVOに伴う黄斑浮腫を有する患者:183例(うち日本人:21例)
方法:
対象患者を、アイリーア投与群(アイリーア2mg投与)およびレーザー治療群の2群に無作為に割り付けた。アイリーア投与群ではアイリーア2mgを20週目まで4週ごとに、その後は24週目の投与以降、48週目まで8週ごとに投与した。また、レスキュー治療基準に従い、36週目にレーザー治療を行った。レーザー治療群では初回治療日に黄斑レーザー光凝固術による治療を実施した。また、レスキュー治療基準に従い、12、16、20週目のいずれかにレーザー治療を行い、24週目以降はレスキュー治療基準に該当した時点よりアイリーア投与を開始した。
[レスキュー治療基準]:12週目以降
 ・OCTで中心網膜厚(CRT)が前回までの最低値よりも50μm超増加
 ・OCTにより検出される新規または遷延性の網膜内囊胞様変化または網膜下液、もしくは中心サブフィールドにおける遷延性のびまん性浮腫
 ・BRAVOが原因で、最高矯正視力文字数が前回までの最高値と比べて5文字以上低下し、かつOCTで中心網膜厚(CRT)が前回までの最低値よりも増加
評価項目:
<主要評価項目>
24週目に最高矯正視力文字数でベースラインから15文字以上の視力改善がみられた患者の割合
<二次的評価項目>
24週目における最高矯正視力文字数のベースラインからの変化量、24週目における中心網膜厚(CRT)のベースラインからの変化量 など
<追加評価項目>
52週目にベースラインから15文字以上の視力改善がみられた患者の割合、52週目における最高矯正視力文字数のベースラインからの変化量
解析計画:
<検証的な解析>
主要評価項目(FAS):アイリーア投与群のレーザー治療群に対する優越性の検証
二次的評価項目(FAS):同上。
<探索的な解析>
追加評価項目(FAS)
部分集団解析:ベースラインの網膜灌流状態別の主要評価項目および二次的評価項目の解析、日本人集団の解析 など
※検定結果はすべて参考値として示す。

効能追加承認時評価資料

RVOに伴う黄斑浮腫を有する患者におけるアフリベルセプトの投与回数

CRVOに伴う黄斑浮腫を有する患者における、18ヵ月間の平均投与回数はラニビズマブで14.4回、アフリベルセプトで10.9回でした(海外データ)

抗VEGF薬の累積投与回数(LOCF、ITT)

(主要評価項目)

DMEの病態に関与する様々な炎症関連分子

Casselholm de Salles M et al, INJECTION FREQUENCY OF AFLIBERCEPT VERSUS RANIBIZUMAB IN A TREAT-AND-EXTEND REGIMEN FOR CENTRAL RETINAL VEIN OCCLUSION: A Randomized Clinical Trial., Retina., 2018 Apr 5. doi: 10. 1097/IAE.0000000000002171. https://journals.lww.com/retinajournal/pages/default.aspx

有害事象発現率

重篤な有害事象として、アフリベルセプト群では心筋梗塞、大動脈瘤破裂が各1例、ラニビズマブ群では心筋梗塞が1例にみられました。そのうち、死亡に至った重篤な有害事象はアフリベルセプト群の心筋梗塞、大動脈瘤破裂の2例でした。
試験期間中に眼内炎、網膜裂孔、網膜剥離の発現は認められませんでした。
試験終了時までに7例が脱落しました。脱落理由の内訳は、上記の重篤な有害事象による3例以外に、ノンレスポンダーが2例、BCVAの変化なしが1例、患者希望による中止が1例(いずれもラニビズマブ群)でした。

Casselholm de Salles M et al, INJECTION FREQUENCY OF AFLIBERCEPT VERSUS RANIBIZUMAB IN A TREAT-AND-EXTEND REGIMEN FOR CENTRAL RETINAL VEIN OCCLUSION: A Randomized Clinical Trial., Retina., 2018 Apr 5. doi: 10. 1097/IAE.0000000000002171. https://journals.lww.com/retinajournal/pages/default.aspx

〈試験概要〉
目的:
CRVOに伴う黄斑浮腫の治療において、アフリベルセプトおよびラニビズマブの投与回数を前向きに比較検討する。
デザイン:
観察期間18ヵ月、前向き、無作為化二重遮蔽試験
対象:
CRVO(罹病期間12ヵ月以下)に伴う黄斑浮腫を有する18歳超の未治療患者45例
*黄斑浮腫の定義:網膜囊胞あり、OCTで中心網膜厚(CRT)が300μmより高い、最高矯正視力(BCVA)がETDRSで73〜23文字、Snellen等価視力では20/320〜20/40
方法:
アフリベルセプト群(22例)またはラニビズマブ群(23例)に1:1の割合で無作為に割り付け、Treat & Extend(T&E)投与レジメンで治療を行い、18ヵ月間観察する。
導入期には、アフリベルセプト2.0mg、ラニビズマブ0.5mgをそれぞれ4週毎に3回投与し、以降は投与間隔を2週ずつ、最長12週まで延長する。
黄斑浮腫(OCTにより網膜内液または網膜下液を検出)が認められた場合は、投与間隔を2週ずつ、最短4週まで短縮する。
評価項目:
主要評価項目:18ヵ月間の投与回数
副次的評価項目:15文字以上の視力改善がみられた患者の割合、BCVAの変化量、CRTの変化量、試験終了時の投与間隔
解析計画:
投与回数および投与間隔の解析対象は、導入期投与を完了した全患者(ITT)および全観察期間を完了した患者(PP)とする。
ITTの欠測値は、LOCF法を用いて補完する。投与回数は、最後に観察した投与間隔で残りの期間を投与したと仮定し算出する。

Casselholm de Salles M et al, INJECTION FREQUENCY OF AFLIBERCEPT VERSUS RANIBIZUMAB IN A TREAT-AND-EXTEND REGIMEN FOR CENTRAL RETINAL VEIN OCCLUSION: A Randomized Clinical Trial., Retina., 2018 Apr 5. doi: 10. 1097/IAE.0000000000002171. https://journals.lww.com/retinajournal/pages/default.aspx

BRVOに伴う黄斑浮腫を有する患者では、抗VEGF薬の複数回の治療が必要であることが示唆されています

初回投与後6ヵ月までの投与回数分布
初回投与後6ヵ月までの投与回数分布

村松大弐 ほか: 眼科臨床紀要. 2017; 10: 760-763より作図

硝子体の有無に関わらずアフリベルセプト投与4週後まで、前房水中VEGF濃度の上昇が抑制されました(試験眼;サル)

抗VEGF薬の硝子体内投与後の前房水中VEGF濃度の推移(試験眼;サル)
抗VEGF薬の硝子体内投与後の前房水中VEGF濃度の推移(試験眼;サル)
対象・方法:
カニクイザルの硝子体手術を受けていない眼(n=3)、および硝子体手術を受けた眼(n=3)に対し、ラニビズマブ(0.5mg/50μL)およびアフリベルセプト(2mg/50μL)の硝子体内投与を行い、投与前後の前房水中のVEGF濃度について検討した(サル眼は硝子体手術以外の特別な処置を受けていない)。

Niwa Y, et al.: Invest Ophthalmal Vis Sci. 2015; 56: 6501-6505

RVOの病態におけるアフリベルセプトの結合メカニズム

アイリーアは、VEGFおよびPlGFのVEGF受容体への結合を阻害することにより、血管透過性亢進に伴う黄斑浮腫を改善すると考えられます

RVOの病態における血管透過性亢進に対するVEGFの関与とアフリベルセプトの作用機序
RVOの病態における血管透過性亢進に対するVEGFの関与とアフリベルセプトの作用機序

監修:北海道大学 大学院医学研究院 眼科学教室教授 石田 晋 先生

PP-EYL-JP-0180-21-12

RVO(網膜静脈閉塞症に伴う黄斑浮腫)

BRVO(網膜静脈分枝閉塞症に伴う黄斑浮腫)

  • VIBRANT試験

    日本人を含む第Ⅲ相国際共同試験について解説します。

CRVO(網膜中心静脈閉塞症に伴う黄斑浮腫)

  • GALILEO試験

    日本人を含む第Ⅲ相国際共同試験について解説します。

  • COPERNICUS試験

    海外第Ⅲ相試験について解説します。

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